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悪夢へのカウントダウン

これから物語が進むに連れて様々な職業が登場します。全部で17種類あります。

 新たにリーフが加わった翌朝、早速ゴードンから厳しい指導を受けている。

「これリーフ、武器の手入れは欠かさずやらんか。武器は己の分身ぞ。」

「す、すみません師匠。」

僕も入団したてはあんな感じだったなと思いつつも、感傷に浸っている余裕は無かった。リーフの職業アーチャーは、言うまでも無く間接攻撃を主とし、接近戦では短剣を投げつけるそうだ。そして編成の際、アーチャーの前に誰かを置くと、弓での攻撃が出来なくなってしまう。この事を注意して、これからの戦闘に対しての編成を考えなくてはならなかった。

この街付近に魔物が現れた場合の対処策と団員達の健康状態を考慮した戦術を組むことで頭が一杯だった。他の団員達もニックの件があってからは、僕と気軽に話しかけてこなくなってしまった。

「ねえガルド、スカイとフィリンの判断は間違っていると思う?」

「どうだろな。今のスカイはあの男の事で頭が一杯だからな。だからニックを平気で切り捨てられたんだ。フィリンも何も言えなかったからな。」

僕はあの後論理的に団員達を納得させた。正論を言われて何も言えない事に腹を立てて脱退した者も少なからずいた。しかしリーフの様に遠方からの入団希望者も来てくれた。僕は彼らの能力を審査した上で入団を決めている。その結果今の自警団はこうなった。

・騎士2人 ・僧侶2人 ・神官2人 ・アーチャー1人 ・術者3人 ・戦士4人

術者というのは森の中生活し、魔法とは違う非科学的な道具を持って魔物と戦っている者達だそうだ。体力が無い分身軽で攻撃力も高く、致命傷も忽ち直す事が出来るという。けれども味方への補助が無いというのが使い辛いものだ。


 1001年35日目


 相変わらず魔物は出現し、その度に討伐へ向かう僕ら自警団。リーフはゴードンに指導を受け、ケーラとガルドは街を巡回している。

街外れの沼地で僕はフィリンと二人になった。僕は今日フィリンに全てを打ち明けようとしたその時だった。

「戦力は整いつつありますね。」

僕らの目の前にあの時の女性が現れた。今回は僕以外の人がいるが、大丈夫なのだろうか。

「しかしあの老人は長くないでしょう。早々に切り捨てなさい。」

ニックの次はゴードンか。確かにあの人も長くないと言われればそうだ。

「なんだよあんたは。いきなり現れて仲間を切り捨てろなんて。まさかスカイにニックを切り捨てる様な事を言ったのはあんただったのか。」

フィリンは怒りの表情で彼女に問い詰める。しかし彼女は冷酷に続けた。

「だからなんですか?あなた方に残された猶予はあと6年しか無いのですよ。」

だとしたらゴードンはもう限界に近い、彼はあと5年で衰えてしまう。

「ゴードンはまだ戦える。体力だってリーフよりもずっとあるし、戦闘経験も豊富だ。」

「私は6年後の話をしているのですよ。同じ人間が6年後もいると思っているのですか?」

フィリンは何も言えなかった。確かに人は成長すると同時に衰えやがて死ぬ運命にある。だとしたら僕はどうなのだろうか?あの時から僕は全く変化していない。これもこの世界に転移したからなのだろうか?

「私からは以上です。そこの若者とこれからの事を良く考えなさい。」

女性はまた何処かへと消えてしまった。そしてフィリンは僕にこう告げた。

「スカイ、悪いが今回だけは君の言う通りには出来ない。僕は勿論、団員達はゴードンに恩があるんだ。とても返しきれない大きな恩が。君にだってゴードンから色んな事を教えて貰っただろう。確かにあの女の言う通りも知れないが、僕はゴードンを切り捨てる事は出来ない。これは僕らだけの秘密だ。例えゴードンが自分から辞めようとしても、君の説得で引き留めてくれ。これは団長命令だ。」

そう言い残すとフィリンは街の方へと戻って行った。今彼には何を言っても無理そうだから、まだ黙っておいた方がいいかもしれない。

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