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聖剣争い・番外編―設定

作者: ヤマ ノボル

『聖剣争い』の特別編みたいに言ってますが、世界観が同じな別作品だと思ってもらった方が良いかもです。むしろ、物語や内容の縛りが弱い分、よりタチが悪くなっています。連載版だけだと間が空いてしまうため、その隙間を埋めるために書きました。

胡麻 樫太、兼原 央矢

誤魔化した、金払おうや。険岳界の食堂に入り浸っている二人組。店の関係者では無いようだが、広く名前が知られている。

名前を見れば分かるとおり、食い逃げの常習犯。付け加えるならば、生活する中で発生するほぼ全ての費用を滞納している。その気になれば取り立てるなり差し押さえるなり叩き出すなり出来そうなものだが、誰も実行に移さない。いつの頃からかどこからともなくやってきたコイツらは決められた住居を持たないというのが一番の理由。つまり、差し押さえたり叩き出したりするような家を持っていないのである。気が付くと飯屋が閉まる頃にはいなくなっていることもあり、居場所を突き止めるのは不可能に近い。もっと言えば、風の向くまま気の向くまま自由気ままなコイツらの生き様に憧れる者も少なからずおり、『いなくなったら寂しいから見逃してあげて』という世論も大きく影響している。コイツらの生活費を立て替えるため、多額の寄付が集まったという都市伝説も存在する。

しかし、何も四六時中、365日タダ飯をかっ喰らってくっちゃべっているワケでは無く、結構頻繁に姿を消す。そして戻ってくる頃には、大抵おかしな土産物を背負ってくる。その多くは、入手困難な食材や植物などであり、飯屋のツケなどの未払いの金はコレでチャラにしているものと思われる。このことから分かるように、やることはやっているのである。何をしているのかが分からないだけである。本人たち曰く、『現金を持ち歩いていないから』らしいが、そもそも現金を持っているのかすらも定かでは無い。一応、食堂の皿洗いを手伝っている時もあり、その分の給料は支払われているハズ。だが、その金を手渡そうとして振り向いた時にはもう完全に消えているという話。非常に心臓に悪いヤツらである。前言撤回するようでアレだが、コイツらは何がしたいんだろう。

また、正義会による技術独占の中にあって、精密機器や機械部品を持ち帰ってくることも少なくない。この時、使い方なども何故か熟知しており、場合によってはセッティングまで全部やってくれる。これについて、本人たちは『ただのタダ飯喰らいと思うなよ』などと発言している。確かに、何者かと直にやり合った末にかっぱらったにせよ、どこかに忍び込んで盗み出したにせよ、只者でないのは明らかである。ただし、コイツらがどこかで何かをやらかすところを目撃した者はただ一人としていない。ついでに言うと、機械の扱いに関しても、持ち主をシメ上げて聞き出したにしては手付きが鮮やか過ぎるため、元から能力として身につけていた可能性が高い。

中には、『現代の技術では解析不可能なオーバーテクノロジーの塊』を持って帰ってきたこともある。恐らくは聖剣と同じように、自然界で生み出されたモノと推測されるが、なにぶん解析不可能な点とも相まって謎のままである。繰り返すように、コイツらがドコで何をしでかしたのかについても、残念ながら謎のままである。本当にコイツら何者なんだろう。ちなみに、このテクノロジーの塊に関しては、製造目的や使用方法、果ては保存の仕方に至るまで、何一つ判明しなかったため、粗大ゴミ扱いでゴミ置き場に放置されていた。そんなトコに置いといて良いのか。案の定、いつの間にか無くなった。おいおいっ!

戦いが節目を迎え、飯屋が険岳界を離れた際、この二人もそれに合わせるようにして行方をくらませた。余談だが、この二人が提供していたブツに関しては、別の仕入れ先が見付かったらしく、飯屋にも薬屋にも、メニューの大きな変更は出ていない。もしかすると、社会の変化―必要なモノが手に入る世の中になったのに伴い、自分たちがいなくても経済が成り立つと感じたのかもしれない。


調合家の森宅さん

超豪華、盛りだくさん。薬の知識があり、正義会に狙われていたところを険岳界に保護される。正事家に協力してはいけないという考えと、たとえ悪人であっても見殺しにしたくないという心の板ばさみに遭っていた。よって、険岳界では避難してきた人々を助けつつ、正義会には薬と引き換えに街への攻撃をやめるよう求めていた。

かねてより、自らの持つ知識を広く伝えたい、多くの人の役に立ちたいと願っていた。だが、正事家に悪用されること、薬を条件にした交渉が通らなくなることから、直接的な販売のみに留まっていた。そのため、正義会が無くなったことで懸念材料も無くなり、薬の材料集めや専門分野の宣伝活動を積極的に実施。各地に薬局が設けられるなど、自身が引退してからも社会を支えた。

戦いとは別の手段で、誰かを助けたいと望み、実際にそれを成し遂げた人物。薬品の普及による健康面での安定と経済面での成長、ひいては社会的な発展を世にもたらした。傷付いた人間を治すことが、結果的に争いを大きくしてしまう―その矛盾の中でことを成し遂げたのは、正義会のことを抜きにしてもとてもスゴいコト。

『薬品の提供』という形で、有剣者たちをサポートしてくれる。聖剣や食事とはまた違った意味で、生命線足り得る存在。食堂の料理にも言えることだが、材料の仕入れ値によっては商品の価格も変わってくるため、値段が上がったからってキレないように。店側にヘソを曲げられては安心して戦えなくなる。

ちなみに、『モリタク』というのはニックネームでは無く本名のため、うっかり呼び捨てにしようものならとっても失礼なことになる。注意。

合成薬

ご成約。体力や精神力、体調不良を回復する薬。使うと能力値の減少や異常を回復。何と何を混ぜるかによって、回復する量や治せる病気が違ってくる。薬品全体の注意として、あくまで薬であることを忘れないように。立て続けに飲むと効果が出なかったり、具合が悪くなったりする。

特攻薬

特効薬。読んで字の如く、攻撃に特化した薬。使うと攻撃力と素早さが上がる。連続技を出すコトで、両方の能力を活かせる。

フォトン・バジル

ほとばしる。やる気が出て力がみなぎってくる。使うと精神力と防御力が上がる。単純に守りが堅くなるため、回復に余裕が出来る。攻撃力はそのままだが、技が出しやすくなることで、攻めに回っても活躍が可能。

度胸草

徒競走。薬草の一種で、自分に自身が持てない時、ちょっとやそっとでは動じない、図太い神経をくれるという。使うと精神力が高まり、攻撃中に技を受けてものけぞったりひるんだりしなくなる。敵に邪魔されても技が途切れなくなるため、連続技を決めやすくなる。その反面、防御力は変わらない上、攻撃する時にしか効果が出ない。また、本来なら喰らわないハズのダメージまでもらってしまうため、HPは高く保っておくこと。

感魅了セット

甘味料。使うと敵の攻撃力と素早さを下げる。敵全体に影響を及ぼすが、ボスには効かない。味付けセットはシリーズ化しているものの、使い手と相手を選ぶため、かなり売れ行きが悪い。買い手の懐事情からすれば、薬を買ってご飯も食べて、その上で隠し味にまで金が回せるかというのが本音である。

超魅了セット

調味料。使うと周りの攻撃力と素早さを大きく下げる。ボスにも効果がある反面、味方の能力も弱めてしまう。使う時には、近くに仲間がいないか確かめること。敵との距離を詰めた状態で、防御も回復も自力でやることになる。相手が強敵なら尚更で、攻撃には手が回らなくなりがち。また、自分に近寄れなくなる都合上、味方は遠距離戦でしか戦えない。結果として、戦い方の幅が狭まるため、活かせる場面はあまり多くない。

光神領セット

香辛料。使うと味方全体の精神力を上げ、近くの敵のガードと回避を無効化する。相手の防御を貫通出来るのは良いのだが、攻撃力は上がらない。そのため、受け身を取らない敵―ザコや力任せのボスなど、実力勝負の場面では分が悪くなる。また、後ろから攻撃を当てる、取り囲んで逃げ場を奪う、攻撃されるのを待ってカウンターを狙うなど、ガードと回避への対抗策も多数存在する。よって、好き好んで使うかは微妙なところ。

聖剣効薬

政権公約。聖剣の効果を強め、急激に能力を高める。使うとほぼ全ての能力が上昇し、精神力も減らなくなる。この時の能力の上がり方は、レベルと精神力の高さで変わる。肉体への負担が大きく、連続使用は命に関わるため禁止。さらに、効果が切れると疲れにより能力が低下、精神力は半分までしか回復しなくなる。

他の薬の効き目が弱まることも含め、個人戦や長期戦には向いていない。短期決戦を狙う、敵を追い込んでからダメ押しで使うなど、タイミングを間違えないように。また、身体が元に戻るまでは、素直に周りに頼るのが正解。『ガードと回避に命を賭けてやる!』と言うのなら止めないが、敵に背中を向けないように。よっぽど変なコトしない限りは避けられない、耐えられない、逃げられないの無い無い尽くしであの世に送られてしまう。ちなみに、体調不良も打ち消せるが、この場合は薬が切れてから影響が出る。

ここまで書いたら分かるとおり、一人の時にコレを使うヤツは命知らずか自意識過剰のどちらか。どちらにしてもただのバカである。少なくとも、副作用のことを考えたら、仲間がいたとしても使いにくいだろう。しかもコレ、材料を集めるのも調合するのも難しいらしく、ヤケに金が掛かるのだ。売る側もあまり乗り気では無く、買う前には誓約書を書かされる。


興味を持たれた方は、連載版も読んで頂ければ光栄です。その際、続きを書くペースが非常に遅くなりますが、どうかご容赦下さい。

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