大発生!
・・・で、今は組手の真っ最中なんだが、ティアラさん強い。うん。変化した竜崎程では無いけど、変化する前なら同等くらいじゃないかなぁ?身体能力高すぎだよ。お兄さんの実力はとっくに抜いてたんだなぁ・・・。っと、クリーンヒットしそうなので、寸止めする。
「このぐらいにしとく?」
「そうだね。・・・ふう、やっぱりレイヤさんは強いなぁ・・・」
「いや、ティアラさんも凄く強いよ。何で魔術師なのって疑問に思っちゃうかな」
これは割と正直な感想。だって・・・ねぇ?身体能力だって、ティアラさんの方が上だろうし。
・・・いや、杖とは名ばかりのメイス持ってるし、別に良いのか?
「あはは・・・それよりも、これからどうする?」
「そうだなぁ・・・。そうだ!ノアが良ければテレポートの魔法教えてもらおうかな。時間もあるし」
「あ!そうだね!私も教えてもらおうかな」
「じゃあ、早速聞きに行ってみようかなぁ。・・・って、言っても何処にいるか分からないや。念話、使ってみるか」
久々に使うなぁ・・・ギルドカードあったし、存在忘れてた。そういえば、ギルドカードって、知り合いと通話できないから、少し不便な気もする。今度、要望出してみようか?
・・・まあ、ギルドカードの事は程々にして、さっさと念話しよう。
『ノアー?聞こえるー?』
『あれ?レイヤさんですか?どうしたんですか?』
『もし良かったらなんだが、今からテレポート?の魔法教えてくれないか?』
『良いですよ。場所は何処でしょうか?』
『おお!ありがとう!場所はデロス城の第一訓練場だ』
『分かりました。すぐ行きます』
「オッケーだって」
「そっか。後で、ノア君にお礼言わなきゃ」
「そうだな。あ、ディンも呼んでみるか。あいつも教えてくれとか言ってたし」
という訳で、ディンをギルドカードで呼び出す。
・・・というか、違う訓練場に居たので、すぐに来た。
で、その一分後くらいにノアが来た。
「お待たせしました」
「わざわざごめんな」
「いえいえ。じゃあ、早速始めますよ。・・・といっても、精霊に教えてもらうだけですけど」
なるほど・・・イメージさえ分かれば使えるもんな。
「それじゃあ・・・シルフ、おいで」
『やっほー、ノア君。・・・この人達はー?』
出てきたのは・・・妖精でいいかな。うん、その表現が一番しっくりくるだろう。
「この三人は、僕の友達。皆良い人だよ」
『ふーん・・・何だかおもしろそー!とりあえず、三人ともよろしくねー。あたしはシルフっていうの』
「あ、うん。よろしく。剣 怜也です」
「よろしく、シルフちゃん。私はティアラ・エルフィンよ」
「ディンク・フェイフェルだ。よろしく!」
「それで、シルフ。この三人にテレポートの魔法のイメージを教えてあげて欲しいんだけど・・・」
『んー・・・良いよ!じゃあ、三人とも一遍にやっちゃうねー』
そう言って・・・何かが、頭の中に注がれていくような感覚を感じた。
?何か、使い方というか、イメージが分かる。風属性の魔法みたいだ。
効果は、この世界の中なら一応は何処にでも行けるみたいだ。ただ、行った事の無い場所は何故か魔力の消費が多くなる。ついでに、距離が遠くなれば魔力の消費は多くなる。
で、詠唱というか、イメージが長くなるのは行き先のイメージが難しいからみたいだな。基本は、座標を特定して、行き先を確認するみたいな感じだが・・・結構難しいらしい。
まあ、行き先のイメージが写真レベルでハッキリしてたら、座標を特定しなくても転移できるらしいけど。千里眼的な魔法を作っておくと楽になるかもしれんなぁ。
「ありがとう、シルフちゃん。あ、これあげるよ」
俺は、魔法の袋から、果物を幾つか取り出して渡す。
『わー!ありがとう、レイヤお兄ちゃん!』
わあ・・・妹が増えた気分。頭を撫でたい衝動に駆られるが、なんとか堪えた。
「ノアもシルフちゃんもありがとう」
「いえいえ、気にしないで下さい」
『きにしないでくださいー』
「じゃあ・・・シルフ、またね」
『またねー』
出てくる時はポンッと出てきたのに、帰りは風が吹いて、気づいたらいなくなっていた、って感じになった。演出だろうか?
「さて、と。早いけど、俺はそろそろ晩ご飯作ろうかな。三人もご飯いる?」
「おお!」
「いる!」
「お願いします!それと、僕も手伝います」
「うん、ありがとノア。二人も、また後で」
さて、ご飯作ったら、テレポートの練習として、何処か行こうかなぁ?
晩ご飯作って。近藤君達とも組手して。晩ご飯食べて。釣りをしようと、ハトバまでテレポートしようかと思った所で。
『ゴブリンの村の村長だ!レイヤ君達、もし来れるなら、急いで来てくれないかい!』
!?・・・あ、ゴブリンの村長さんから貰った通信機か。念話なんだな。
・・・じゃなくて、急いで来い!?と、とりあえず、ディン達に・・・
「おい、レイヤ!今の何だ!?」
「ゴブリンの村長さんが、至急来てくれって!」
「そうか!急いで行こう!」
ゴブリンの村・・・場所は確か・・・
俺は、テレポートの魔法のイメージを始める。・・・座標の特定は完了、場所も確認したので転移する。
「こ、これは!?」
村が魔物の大群に襲われている。
「三人共、早く行こう!」
三人・・・ノアも近くにいたので、一緒にやって来た。
『おお!来てくれたか!』
「どういう事なんです!?」
『分からん。どういう訳か、魔物が大量に発生してな。幸い、弱い魔物ばかりだから良いものの・・・』
・・・考える暇なんて無さそうだ。さっさと、突っ込もう。村長の言った通り、幸いにも敵のランクは、殆どがGかFばかり。ランクが高い魔物も、DかCランク程度が少しいるぐらいだ。
「せい!・・・はっ!」
俺は剣で斬り込む。波斬も使用して、道を切り開く。
「・・・よし、集まってきたか。爆発波っ!」
俺は、全力で足を踏み抜く。魔物のランクは低いものばかりなので、これで何とかなるだろう。
「ふう・・・まだまだいるなぁ・・・」
結構な数を殺したはずなんだけど・・・。
周囲をチラリと見ると、ディンが魔物の真っ只中に突っ込んで行くのが見える。守りは堅いから、多分平気だろう。ティアラさんとノアは、魔法で攻撃したり、怪我人の治療をしたり。
・・・大丈夫そうだし、そろそろ次に行くとしよう。
再度、俺は魔物の大群に突っ込む。剣で斬り、波斬で道を開け、敵が周囲に集まると爆発波で纏めて吹き飛ばす。
・・・それを何度も繰り返していると、戦闘は終わった。
「終わったか・・・」
「そうだね・・・」
「こんなの初めて見ましたよ」
「しっかし、死体の数が凄えなぁ。・・・何で、こんなに集まってたんだろうな?同じ種族の魔物ならともかく、色々なのが混じってたしな」
・・・確かに、何でこんなに集まってたんだろ?召喚された時に王様が言ってた、大量の魔物に襲われたら、って奴か?
そいやあ、キューア湿地でもビッグスライムとスライムキングが発生してたし、何か関係あるのかな?
・・・ま、いいか。あんまり深く考えてもしょうがない。
『あんたらのお陰で助かったよ。ありがとう。・・・おや?そちらのエルフは?』
「あ、始めまして。この三人の友達のノアールド・オーシャンです。よろしくお願いします」
『ノアールドか。それなら、ノアだな。よろしく。で、だ。ちょっと、あたしの家まで来てくれないかねぇ?色々と話したい事がある』
「分かりました。三人共、家まで来てくれって」
言われた通りに、俺達は村長さんに着いて行く。
何週間も投稿せずごめんなさい。これからは、何日置きの更新ができると思います。




