訓練!
ここは第一訓練場。以前は、この時間に訓練する人はあんまりいなかったが、最近はそれなりに来ているようだ。
じゃあ、早速始めようか。案山子を用意して、剣を大剣に変形させて、と。
まずは、袈裟懸け、そして逆袈裟。基本的な剣術の型一通り試す。
「うん、大丈夫そうだな。スキル・・・は、流石になぁ。あ、相手を戦闘不能にするだけのスキル開発なら大丈夫かな?・・・本見たり、誰かに聞いた方が早いだろうし、別にいいか。今日は、ひたすら剣を振るか」
なーんて、一人で呟いてたら、
「剣」
「ん?ああ、近藤君達か。どうかしたの?」
「いや、頼みがあるんだが・・・格闘を俺に教えてくれないか?」
「え?近藤君達もできるでしょ?」
「いや・・・。だって、剣は強いだろ?」
「うーん・・・」
教える・・・かあ。そういうの、あんまり得意じゃないんだよなぁ。料理なら完璧に教えれるんだけど・・・。
「剣、お願いだ。俺達がそんな事言える立場じゃないのは分かってる。けど、俺達は強くなりたい。強くなって、その時は・・・」
「?その時は?」
「・・・いや、それはまたその時に話させてくれ」
「そっかぁ・・・できれば、理由は知りたかったんだけど」
だってねぇ。強くなって元に戻りました、とか勘弁ですよ?しかも、被害者が増えるでしょうし。
「ああ、理由・・・か。何かが起こった時に対応できる力が欲しい・・・という所だ。まあ、あれは俺達が馬鹿だったせいで起こった事だが・・・。剣、本当にすまなかった」
「い、いや。別にいいよ」
ふむ・・・嘘を言ってる訳でもないと思うし、大丈夫かな?
・・・まあ、上手く教えられるか分からんが。
「うん。分かった。俺が、できる限り教えるよ」
「「「本当か!?」」」
「う、うん。でも、あんまり、アドバイスは上手じゃないかもしれないけど・・・」
「ありがとう、剣!」
「あはは、いいよ、別に。じゃあ、早速始める?」
「分かった!よろしく頼む!」
・・・上手に、教えられるといいなぁ・・・。
「ハッ!」
「くっ!!」
今は、三人の内、二人が戦ってるのを見てる所。指摘する所を探すつもりだけど・・・。
全体的に、遅くないかなぁ?あれじゃあ、良くてDランクくらいだ。・・・Dランクの俺が言うのもあれだが。
それはおいておくとして、まずは体力作りからかなぁ、と考える。
「そこまで!三人とも、もう少し動きをコンパクトにした方がいいよ。動きは最小限に、無駄は無くす。これ大事だよ」
「あ、ああ。努力する」
「うん。それで、だよ。三人を見て思ったんだけど、まずは体力作りから始めた方が良いと思ったんだ」
「そ、そうなのか?これでも、運動能力は、三人ともクラスで十番以内(こっちの世界で)には入ってたんだが・・・」
「あれじゃあ、Dランクぐらいだから、もっと鍛えないと駄目だよ。という訳で、今日から体力作りを始めます」
「ちょ、ちょっと休ませてくれないか?」
俺は、鞄からあれを三本取り出す。
「はい、スタミナポーション。これで回復すると思うから。飲んだら、腕立て伏せ千回から開始ね。このぐらいならいけるでしょ?」
「い、いや。まあ、いけなくはない・・・かも」
「あ、俺もやるから、合わせてやってね?後、もし、限界になったら俺に言ってよ」
「あ、ああ。分かった」
「じゃあ、始めるよ。いち・・・にい・・・さん・・・」
・・・流石異世界。腕立て百回程度なら、軽くやってのけるか。
・・・五百回。それなりに辛そうに見えなくもない。
・・・七百回。結構辛そう。
・・・九百回。凄く辛そう。俺も、ちょっときつくなってきたかな?
・・・千回。グダーっとなった。
ここまでの時間、十五分。異世界だと、速いね。
あ、身体能力強化などのイカサマはさせてない。してたら気づく。
まあ、三人ともやっていなかったが。
「じゃあ、これ飲んで。次は、スクワット千回。さっきと同じか、それ以上の速さでやるからね」
一応言っておくが、正しいやり方でやる。しっかりやらんと、付くもんも付かんからね。
・・・もう、めんどくさいので割愛して、千回。先程と同じ様に、三人ともグデー。
「よし、じゃあ、ちょっと待っててね。その間、休んでて」
「・・・分かった」
・・・よし、さっさと準備に取り掛からなきゃ。
もう、部屋に戻るのめんどくさいし、ここで作るか。
「・・・肉だけでいいかな。野菜の栄養分は、スタミナドリンクで摂れるし。あ、そういえば、牛乳とスタミナドリンクを混ぜて、炭酸抜いて冷やしたのがあったな。手を加えて、飲みやすくしたし、大丈夫でしょうよ。俺も、飲めてたし。それも出すか」
さて、料理料理。
・・・まあ、ピグピグと角角角牛のステーキを作るだけだが。
味付けはシンプルに塩胡椒だけ。
「はい、できたよ」
「うおお!!!美味そう!・・・いいのか?これを食っても」
「うん、大丈夫だよ。素材はタダだし。あ、それと」
俺は、やたら色のヤバイ液体を三人に二本ずつ渡す。
「なあ・・・これ、飲めるのか?」
「うん。見た目はあれだけど、味は、それなりに大丈夫だよ。俺も飲んでたし。喉が渇いたら、それ飲んでよ。飲むときは、目を瞑って飲んで」
「・・・分かった。・・・まあ、色に比べたら、味は遥かにマシだな」
俺も、肉を食うか。もちろん、飲み物も飲む。
「ふう・・・食った食った。それで、どうするんだ?今日はこれで終わりか?」
「うん、今日はね。明日・・・うん、明日からは徹底的にやるから。まずは、スタミナからかな。じゃあ、今日はもう休んだ方がいいよ。休まないと、筋肉は付かない!」
「ああ、分かった」
「あ、それと。食事もきちんと摂るんだよ。これ、大事だから。あ、もし食堂に行き辛かったら、俺の部屋に来てよ。適当に、何か作るから」
「・・・悪いな。やっぱり、お金とか」
「いいよいいよ。じゃ、今日は休んだ休んだ!」
「ああ、お休み、剣」
・・・さて、三人とも部屋に戻ったか。・・・どうするかなぁ。釣り、行こうかな?
こないだのパーティーで魚が無いんだよ。何故、この国には海が無いのか。
・・・あ、良い事思いついた。ル○ラ的な転移の魔法を作ろう。それがいい。
あれって、風魔法で再現できるのかな?イマイチ分からん。
まあ、それよりもさ。一年前に、ミュウさんが連れてってくれたあの湖に行こうか。
夜だし、鰻も沢山連れるかも・・・ジュルリ。
よし、テンションも上がってきたし、早速行こうか!




