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才能の才能  作者: 緑髪のエルフ
帰ってきたど!
57/86

早くも・・・

「え!?本当ですか!?」

「はい。この街に来ていますよ」

「宿屋とかは・・・」

「[ハトバの宿屋]という宿屋に泊まるそうです」

「分かりました。ありがとうございます!」

 ギルドに来て、身分証明書見せて用件言おうと思ったら、お話があると言われたので着いていったら、浩人達がこの街に来てるって教えられた。

 ・・・じゃあ、行くか。さっさと三人を探すかねぇ。あ、ミュウさん達は来ていない。この時期は、植物系のモンスターが繁殖する時期なので、恐らくはそれの退治で忙しいのだろう。

 先に、念話で確認しとこう。

『もう、宿は見つけた?』

『ん?ああ、もう宿は取ったぞ』

『そっか・・・。名前は?』

『おお、そうだった。[ハトバの宿屋]っていう名前だ。でかいから、すぐに分かると思うぞ』

 !?マジですか!何か、俺ってこういう事がよくあるよなぁ・・・。

『分かった。じゃあ、今からそっち向かうよ』

『おっけー。あ、部屋は502号室だからな?』

 502号室・・・五階かな?

 まあ、とにかく向かうとしようか。

―――――――――――――――――

「ようやく、あいつに会いに行けるんだな!」

「・・・会ったら、アイアンクローをかましてあげるわ」

「お兄ちゃん、元気にしてるかな?」

 部屋の中でそう言い合っている、少年と少女二人。

 コンコン、とノックの音がしているが、彼らは気づいていない。

「明日の六時出港かぁ・・・。寝坊しないかな?葵さん、俺が起きなかったら起こしてくださいよ」

「うん、分かった!目覚ましの魔法掛けておいてあげるわ」

「・・・ありがとうございます」

 ガチャッ

「いた!三人とも、やっと会えた!」

 部屋に(三人からすれば)突然入ってきたのは少年。

「えっ!?」

「怜也!?」

「お兄ちゃん!」

 部屋に入って来た少年は、三人に近づく・・・と、

 ギャアァァァァ!

 という叫び声を発した。

―――――――――――――――――

 ・・・今の俺の現状。

 ようやく、家族と幼馴染を見つけたと思って嬉々として近づいたら、アイアンクローをかまされてる。

 以上である。

 いや、そうじゃない。早く脱出しないと、俺の頭が潰れる!

「ちょっ!痛い痛い痛い!!!あ、葵姉さん、離して!頭が潰れる!」

「離さないわよ!心配掛けさせて!!」

 こんなやりとりを、魔族の大陸でもやったような気がする。気がするじゃないな。そのまんまだ。

 だから、そうじゃなかった!

「だ、誰か助けて!浩人!助けてくれ!」

「いやー、姉弟仲が良いなぁ。うんうん」

「お前!後で覚えてろよ!ヒナ、助けて!」

「うう、お兄ちゃん・・・良かったぁ・・・」

 だ、駄目だ。泣いてる。俺も泣きたい。

「あ、頭が潰れる・・・だ、誰か・・・ギャアァァァァ!!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「・・・で、その人達は?」

「・・・やるだけやって、それ?」

「いいじゃないの!それよりも、その人達の事を!特にそっちの可愛い子を!」

「・・・ごめんな、二人とも。こんな姉で」

「いや、別にいいけど・・・」

「うん・・・」

「で、そっちの可愛い子は?あ!もしかして、怜也の彼女さん?ふふふ、やるわねえ。ね、どこまでいったの?」

「な、なんだとお!怜也!そこに!!正座しやがれ!!!」

 ・・・ハァ。

「二人とも落ち着け、全く・・・。しかし、やっぱりヒナは偉いなー!こんなのよりも断然偉いぞー?」

 そう言って、俺はヒナを撫でる。久々だなぁ、この感じ。うん、ヒナも嬉しそうにしてる。良かった。

 やっぱ、ヒナは偉いよな。変な事言わないし、それに、可愛いし。流石、俺の妹だな!それに比べて、そこの二人は・・・。

「誰が、こんなのだ!というか、早く正座しろ!」

「やかましい!話が進まんだろうが!さっさと紹介させてもらうぞ!」

 ったく・・・。何だってこいつは・・・。というかお前、十分もててるだろうが。告白されてるとこ何回も見たぞ?

 ・・・そうじゃない、紹介だった。おい、ティアラさんとディンがめっちゃ困惑してるじゃねえか。どうしてくれよう?

「ええっと・・・。私は、ティアラ・エルフィンです。よろしくお願いします」

「俺は、ディンク・フェイフェルって言います。よろしく!」

「俺は、柳 浩人だ。二人とも、よろしくな」

「私は、剣 葵よ。怜也の姉です。ティアラちゃんに、ディン君、よろしくね」

「ヒナは、剣 日向っていうの!よろしくお願いします!」

 うむ。これで、ようやく自己紹介が終わったな。じゃ、次は・・・。

「これからどうしようか?」

「え?・・・ああ、そうだな。俺達は、怜也も見つけたし、明日デロスに戻るけど・・・お前は?」

「俺達も、デロスに行く。その予定だったし、ミュウさん達にも会いたいしな」

「じゃあ、明日は一緒ね!」

 賑やかになりそうだなぁ。ハハハハハ・・・。

「あ、そうだ。俺、買い物に行ってくる。港街だし、良い魚売ってるかな?」

「私も着いていってもいい?どれが良い魚かあんまり分からないから教えて」

「ん。別にいいけど」

 好きな子と二人でお出掛け・・・いいよねぇ!まあ、デートじゃないけどさ。行くのは魚売り場って・・・。

 気にしても、しょうがないな。はよいこ。

「じゃ、行ってくる」

「「「「いってらっしゃーい」」」」

 うし、行ってくるか。確か、港の近くに市場があったから、そこ行くか。



 以下、怜也とティアラが部屋から出て行った後の会話である。

「ねえねえ、気にならない?」

「何がですか?」

「怜也とティアラちゃんの事よ!二人でお出掛けよ!?」

「え?そうですか?あの二人、偶に二人で出歩いてますよ?」

「そ、そうなの!」

「あの野郎・・・!説教が必要のようだな。よし!見に行こう!」

「そうね!それがいいわ!」

「・・・レイヤ、面倒事がそっちに行くが、頑張れよ」

「ほらほら!ヒナちゃんもディン君も行くわよ!」

「え!?いや、俺は・・・」

「よーし!しゅっぱーつ!」

「・・・大丈夫だとは思うけどなぁ。もし、邪魔しちまったらごめんな、レイヤ」

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