またまた、一ヵ月後。
またまた、一ヶ月経ちました。事件、起こっちゃいました。貴族に絡まれちゃった。
・・・いや、絡まれたというか、何と言うか。
概要は、ティアラさんにしつこく迫ってたから、間に入ったら、男装の麗人と勘違いされて、俺が男だって気づいたら、貴族を侮辱したとか言って目の仇にされて、暗殺者とか送り込まれる毎日になったぐらいかな?
おかげで、気配に敏感になったし、勘も良くなった。
というか、ディールさんと、マリンさん、こういう奴に喧嘩売れよ。何で俺なんだよ。
あ、暗殺者は、捕まえて説教を何回かしたら、一人も来なくなった。何でだろうねぇ?
・・・で、この一ヶ月で下級Dランクまで上がった。結構依頼頑張った。
それと、特殊の欄に魔力生成が増えた。自分の体の余った栄養から、魔力を作る・・・らしい。
マナトレントに実が生ってておいしそうだったから、食べたら取得した。後で鑑定したら、実じゃなくて核だった。
そして、ここからが重要。
遂に、人族の大陸に向けての船が出るらしい。ようやく、デロスに帰れる。皆に会える。
船の予約も取れた。三日後にこの大陸を去る予定だ。その前に、色々と用事を済ませなきゃな。
まずは、ニヒトさんの鍛冶屋に行こうかな。可愛い妹の為に護身の為のナイフを作っておこう。
葵姉さんは・・・弓矢だからなあ。弓の材料何かあったっけ?・・・無いから、武器作成の魔道具でいいかな?矢を作る為にね。レジェンドコアは手に入れてる。
後は、浩人の分のナックル作ってもらおう。
じゃあ、行くかな。
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「・・・と、いう訳なんですけど間に合いますかね?」
「おう、大丈夫だ。武器の素材は何にするんだ?」
「このミスリルを使ってください」
「なるほど・・・結構上質だな。ミスリルスライムの体か?」
「分かります?」
「ああ。何から何まで、鉱石から採るよりも段違いだからな。素材の名前は同じでも魔物の体だと、もはや別物だっていうぐらい質が良くなる」
「そうなんですかぁ・・・」
「で、武器はナイフとナックルだったか?」
「はい」
「で、後は武器作成の魔道具作ればいいんだな?」
「はい。よろしくお願いします」
「よし!任せとけ!明後日の夕方には仕上げといてやるぜ!」
「分かりました!それじゃあ、また二日後に」
これで、鍛冶屋での用事はよし・・・だな。
次は、宿屋でお別れの挨拶だな。うなぎの調理法でも教えとこう。
今日の所はこのくらいだな。明後日までは、普段通り過ごすかな。
二日後・・・
「え?二人とも来るの?」
「はい。私は、毎年夏の休暇になると、デロスに旅行に行くので」
「俺は、一度は行ってみたかったんだが、一人じゃ不安だったからな。じゃあ、今回着いて行けばいいかってな」
と、二人とも着いて来る事が判明したのは、お別れを言おうとした時だった。
まあ、道中暇にならなくて済みそうだから、いいが。
「あ、ティアラさんの両親にはお世話になったから、今日挨拶に行くんだけど、いる?」
「えっと、お父さんは今日は帰ってきませんが・・・今から行きますか?」
「そっか・・・お父さんの方とも話しときたかったんだけど・・・まあ、しょうがないか。じゃあ、行こうか。ディン、何してんだ?行くぞ?」
「え?ああ、すまん。ボーっとしてた」
よし、じゃあ行くか。あ、そういやぁ・・・
「ディン、お前彼女いるんだから、一緒に行けば良いんじゃないのか?」
「あー・・・。その事は忘れてくれ」
「は?」
「・・・つい、一週間ぐらい前に振られた。二股掛けられてた。俺と付き合う前から、付き合ってる男がいた。もう飽きたらしい」
「・・・」
「・・・」
・・・聞かなきゃ良かった。
俺たちは、無言のままティアラさんの家に向かう。
・・・ごめん、ディン。
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「あら?レイヤ君いらっしゃい。そっちはお友達?」
「はい」
「ディンク・フェイフェルって言います。よろしくお願いします。あ、皆からはディンって呼ばれてます」
「そう、ディン君ね。よろしく。私は、イリーフよ」
自己紹介も済んだ。じゃあ、本題だな。
「イリーフさん、俺、明日にデロスに帰ります。今まで、ありがとうございました」
「あら、そうなの・・・。寂しくなるわね。また戻ってくるの?」
「それは・・・分かりませんが、多分戻ってくると思います。この国、楽しいですから」
「そう。じゃあ、次にこっちに来る時は、お土産よろしくね?」
「あはは、忘れなかったら、ですね」
その後は、他愛も無い雑談を十分程して、家を出る。
「じゃあ、レイヤ君、ディン君。明日からは娘をよろしくね?」
「もう!お母さん!」
「あはは。それじゃあ、またよろしくお願いします」
さてと、次はアルフさん達だな。伝言はしている。今は十五時二十分。十五時ぐらいに帰るって言ってたから、もう帰ってるだろう。
「レイヤ、次は何処行くんだ?」
「ん?アルフさん達に会いに行くけど」
「アルフって、あの、銀の集いの!?」
「うん。あの人達にも世話になったから。じゃあ、行こうぜ」
「あ、ああ。お前、凄い人と知り合いなんだな」
「あの人達も性格は割と普通の人なんだけどなぁ」
割と、だから、変な部分も無い事にはないが。
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「そうか・・・明日には行っちまうのか」
「その内、顔見せなさいよ?」
「レイヤ、元気でね」
「レイヤ君。また、料理を教えてくださいね?」
「あはは、大丈夫ですよ。また来ますから。それじゃあ」
「おう!じゃあな!」
「元気にやんなさいよ!」
「バイバイ、レイヤ」
「また、会いましょう、レイヤ君」
ああ・・・この人達に会えてよかったよね、って思う。
しかし・・・何というか、転校する気分。した事無いけど。
後は・・・鍛冶屋で受け取りだな。
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「おう!レイヤ、できてるぜ!」
「ありがとうございます。代金は10万ゼンでしたね?」
「おう。・・・確かに受け取ったぜ!」
「ニヒトさん・・・ありがとうございました!またその内来ますから!」
「ああ、元気でやれよ!レイヤ!」
これで、一通り挨拶や用事も終わった。もう、向こうに戻れるな。
「なあ、レイヤ」
「ん?」
「ミスリルなんて何処で手に入れたんだ?」
「デロスに居た時に、ミスリルスライム見つけてな。それを捕まえたんだよ」
「まじかよ!めっちゃ運良いじゃねえか!」
「ま、俺の武器じゃないんだけどな。俺の妹と幼馴染の分だ」
「んんん?幼馴染って、もしかして女かぁ?」
ニヤニヤしながら聞いてくる。
「何を期待してるかは知らんが、男だ。後、俺はティアラさん一筋だ」
「・・・へぇ」
あ・・・。口が滑った。
「おい!今の聞かなかった事にしろ!絶対に誰にも言うなよ!?」
「んー、どうしよっかなぁ?人に物を頼む態度ってもんがあるだろ?」
「お願いします。誰にも言わないで下さい」
即土下座。これだけは言い触らされたくない。
「あーあー、どーしよっかなー?」
「・・・言ったら、説教な?」
「ごめんなさい。調子に乗りました。誰にも言いません」
よしよし。これで、危険は去ったな。
「じゃあ、そろそろ帰るか」
「そうだな。じゃ、また明日な?」
「ああ。あ、もう一度言っとくが、明日は六時に港の入り口の前だからな?あの鬼鯨の像がある所」
「分かってるよ」
「ははは。じゃあな」
早いけど、今日はもう帰って飯食って寝るか。明日は朝早いし、別に大丈夫だろう。
次の話でようやく、魔族の大陸から離れる・・・。




