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才能の才能  作者: 緑髪のエルフ
魔族の大陸
41/86

休日 その3

「ん・・・あ、もう朝か」

 ただいまの時刻は五時半。起きるの早すぎるかな?

 とりあえず・・・準備だけはしとこうかなぁ・・・。って言っても、準備するもん無いわ・・・

 うーむ・・・。あ!釣りをしよう!一時間程度だけど・・・まあ、朝早いし、何か釣れるかな?

 よし!善は急げだ!堤防に行こう!ギルドから釣り場まで、往復で数分だから、問題も無いな。


 という訳で、堤防に着いた。周りには、年配の魔族さんが割といる。いつもなら、釣れますか?などと聞くのだが、今はそんな暇は無い。

 なにせ、ナブラがたっているからな。

 竿とリールと、ルアーを取り出す。ルアーは・・・とりあえず、ミノーでいいかな? 

 さっそく、ナブラの奥に投げる。そのまま巻いてみるが、ヒットはしなかった。

 その後も何回か投げていると、

「きたっ!」

 HIT!あれ?あんまし、引かないなぁ・・・。

 取り込むまで、大体五分。釣れたのは、スズキ・・・だけど、フッコサイズだった。50cm程度だね。

 むう・・・スズキと呼ばれるサイズが欲しい。フライとか、刺身とか、色々できるし・・・。

 とりあえず、フッコを適当な入れものに入れて、魔法の袋(マジックサック)に入れる。

 あ、生きた物は入れられないって書いてあったが、種類によっては、容器に入れとけば生きたままでも入れれる。制限が謎である。


 まあ、それはいい。もう何回か投げる・・・と、先程とは段違いの引きが。

「お!今度こそ、スズキがきたか?」

 今回は、慎重に巻いたりする。切れる心配はそこまで無いが、それでも力任せにやれば逃げられるかもしれないからな。

 魚と格闘する事、十五分程度。ようやく釣り上げる。結構時間掛かったな・・・。

 釣れたのは、紛う事なきスズキだ。1mオーバーキタコレッ!

 その後も、フッコサイズが三匹、スズキサイズ(80cm)が一匹釣れた。

 後は、メタルジグに変えて、底の方を探ってたら、マゴチ(1mオーバー)とヒラメ(80cm)が一匹ずつ釣れた。

 大漁ですなぁ!

 何か、釣りに関しては、非常に運が良い気がする。ま、料理のバリエーションも増えるし、かまへん、かまへん。

 とりあえず、魔法の袋(マジックサック)に入れてたやつを、一匹ずつ取り出して、〆て血抜きする。あと、下処理もね。調理する時にいちいち行うのは面倒だし。

 はらわたとか、内臓とかは、違う容器に入れてとっておく。撒き餌にもなるし、餌にもなるし。(アナゴとかタコとかのね)

 あ、洗浄の魔法(以前使った体綺麗にする水魔法)を使っとかないとな。魚臭いし。

 しっかし、時間が止まってるって、便利だよね。腐らないし。

 

 ・・・で、ただいまの時刻は、六時五十五分。急いで、ギルドに向かわねば。

 まあ、転移ゲートで一発ですがね。

―――――――――――――――――

 ギルドに着いた。六時五十九分、ギリギリである。

 クリフさんは・・・いた。受付の近くに立っている。

「レイヤさん、やっと来ましたか」

「時間までには来ましたよ。・・・一応は」

 最後の部分で、さっと目を逸らす。

「そ、それよりも、何処で料理をするんですか?」

「ああ、そうですね。私達のパーティーで使ってる家があるので、そこで教えてもらいます」

 つまり、この人含め、四人で住んでるのか。

「じゃあ、早速行きましょう」

 俺は、クリフさん達が住んでいるという家に向かった。

―――――――――――――――――

「お邪魔しまーす」

 そう言って、俺は家に入る。結構広い。

「ふう・・・しかし、朝はまだ食べてないから、お腹空いたなぁ。早速ですが、何か作りますか?」

「ええ、そうしましょう」

「あ、そういえば、アルフさん達は?」

「昨日、酒を飲んで・・・まだ寝ていますよ」

 ああ、察した。何も言うまい。

「じゃ、じゃあ、早速朝食を作りましょう」

 んー。何にするか。魚は・・・お昼とかでいいかな?あ、お吸い物とかいいかもな。スズキのアラを使ってな。

 となると・・・白ご飯炊いて、後は・・・そうだ!う巻き卵を作ろう。ちょっと、手間が掛かるが・・・まあいいか。

「献立が決まりました。お吸い物と、う巻き卵と、白米です」

「?う巻き卵、ですか?」

「はい。美味しいですよ」

 んー。こっちじゃ、開発されてない料理なのかなぁ?ま、いいや。

 キッチンに行こうか。

―――――――――――――――――

 料理開始。まずは、ご飯を炊く。これは、誰でもできるからいいや。そういう魔道具(炊飯ジャー的な物)もあるし。

 で、お吸い物のしたごしらえ。まあ、クリフさんにやってもらうが。

 魚の捌き方の指導をする。日頃から、魔物の解体をしているからか、簡単にやってのけた。

 そのまま、アラを使ってのお吸い物の作り方を教える。料理経験があるようなので、特に問題は無かった。

 次に、う巻き卵。これは、うなぎを捌くが、できるかなぁ?そう思っていると、驚きの発言が。

「これは・・・確か、ウナギ・・・でしたか?食べられるのですか?」

 ええええええ!?

「えと、この魚、食べないんですか?」

「はい、人族はこの魚?を食べるのですか?」

 ・・・あれ?どうだろ・・・。地球人は食べるけど・・・そうだ!

「すみません、すぐに戻ります」

「え?」

 俺は食べすぎちゃっ亭まで全力ダッシュ。そして、うなぎについて聞く。

 結果。どうやら食べないらしい。信じられない!

「ゼェ、ゼェ・・・一般的には、食べないそうです」

「そ、そうですか」

 これは、俺が食べ方というものを教えてあげないとな!

「まあ、それはいいです。とりあえず捌いてもらいますよ」

「は、はぁ・・・」

 教える。それはもう、教えまくる。

 さて、う巻き卵を作るという事は、蒲焼も作らなければいけない。

 たれの作り方とか、蒸し方とか、焼き方とかも教えまくる。

 クリフさん、料理上手。教えたらすぐできる。まあ、俺もだけど?

「あの魚が、こんなに美味しそうに・・・」

 もの欲しそうに見てる。まあ・・・

「一口くらいなら、食べてもいいですよ?」

「そうですか?それじゃあ・・・」

 と、クリフさんが口に入れる。この後の事は割愛する。簡単に言うなら、美味しいという事を必死に教えようとしていた。その姿は非常に可愛かった。とても、口には出せないが。

 ・・・それはいい。後は、これを卵で巻くだけだ。

 お手本を見せたんだけど、クリフさんは、やっぱり料理が上手だ。一回見ただけで、同じ事ができた。まあ、俺もだけど?

 ・・・まあ、とりあえず、料理ができた。

「それじゃあ、料理もできましたし、あの三人を起こしてきて下さい」

「え?僕がですか?」

「ええ」

「・・・何か起こす時に注意点は?」

 何か、色々と嫌な予感がするし(主にアルフさん関係)、聞いとかないとな。

「そうですね。言うとすれば、アルフさんは寝起きが悪い、ぐらいでしょうか」

 ぐらい・・・ね。一番問題だろ。ていうか、やっぱあの人か。寝起きが悪いとか・・・

「ま、まあ、とりあえず行ってきます」

「はい、気をつけて下さいね?」

 なぁに、心配するな、すぐ戻る。クリフ(さん)は美味いお茶でもいれて待っててくれ・・・

「あ、部屋は二階にありますから」

 ・・・あ、部屋は二階にあるのか。うっかり、聞き忘れる所だったな。

 それじゃあ、行くぞ・・・。俺、この用事が終わったら、朝食を腹一杯食べるんだ。それでな、飲み物は苦いお茶を飲むんだ。

 ・・・まあ、程々にして、だ。さっさと起こしに行こう。

―――――――――――――――――

 二階に上がって、一番に目が入ったのは、

[リックの部屋]

 と、雑に書かれたプレートがぶら下げてある扉だった。

「リックさーん。ご飯ですよー!」

 俺は部屋の前で、大声を出す。

 中で、もぞもぞと動く音が聞こえる。と、リックさんが部屋から出てきた。

「んー?ああ、レイヤか・・・。もう来てたのか」

「おはようございます。ご飯、できてますよ」

「おお、そうか」

「あ、今からアルフさんを起こしに行くんですが―――」

「じゃあ、俺は先に下に行っとくぜ!」

「あ!ちょ、ちょっと!」

 某金属のスライムも驚きの速さで逃げていく。何てことだ・・・。

 まあ、いい。まだガイさんが・・・あれ?ガイさんの部屋の扉が開いてる?

 ・・・何時の間に逃げたというのか。結局、俺一人なのか・・・。

 まあ、いい。

 へっ、いつも皆が起こしてるんだろ?俺でも行けるはずさ。

 とりあえず、[アルフの部屋]と書かれた扉(何故か修理痕が)をノックする。

「アルフさーんご飯でs―――」

 バァン!

 と、いきなり、扉が壊れて(破れて?)拳が出てきた。

「うわっ!危ない!」

 俺は、何とかその拳を回避する。俺、反射神経が良くなったなぁ・・・と、感心するのも一瞬、部屋からアルフさんが出てくる。

 そして、怒ってますよオーラを全身から醸し出して、

「何で、あんたがここにいるの?」

 と、聞いてくる。俺、何かした?

「い、いえ。呼ばれただけですけど」

「あんたみたいな、嫌味ったらしいギルマスを呼ぶわけないでしょうがっ!」

 そういって、襲い掛かってくる。ああ、寝起きが悪いって、こういう事なんだなぁ・・・。

 俺は、もう諦めた。好きにさせてあげたらいいのではないだろうか?まあ、何しても意味無い気がするし?

 悲鳴はあげるつもりは無かった・・・のだが。

「ギャアアアアー!?ちょっとっ!腕が!腕が!折れちゃいますよ!?」

「うるさいわねぇ・・・。腕じゃ無かったらいいの?」

「い、いや、そういう問題じゃ・・・あだだだだ!?頭が、頭が割れる!」

 こんな感じに、腕がへし折られそうになったり、頭を握りつぶされそうになったりと、色々あった。


 その頃・・・

  『ギャアアアアー!?』

「ああ、やっぱりああなりましたか」

「まあ・・・予想はしていたんでしょうけど」

「あいつは、予想以上に寝起きが悪いからなぁ・・・」

 などなど。下で三人が話していた。


 ・・・十分後。

「あれ?レイヤ、何でこんな所にいるの?」

「・・・・・・アルフさんを、起こしにきました・・・」

「ふーん・・・。で、何でそこに倒れてるの?」

「・・・アルフさんに襲われたので」

「あー、ごめんごめん。あたし、少し(・・)寝起きが悪いからねぇ」

 少し・・・ね。あれで少しっていうんなら・・・なあ?

「まあ・・・いいです。朝ご飯はできていますから、下に行きましょう」

 まったく・・・酷い目にあった。まあ、とりあえずは下に行くか。美味しいご飯が俺を待っている!

作者も釣りに行きたいです。

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