表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
才能の才能  作者: 緑髪のエルフ
魔族の大陸
38/86

これが本当の説教だ

「ん、ここ、は?」

 知らない天井だ。などと、お約束を考えつつ、周りを見る。

 ・・・やっぱり知らない。しっかし、

「あー、頭がガンガンするぅ・・・。二日酔いだ・・・。たく、二度とアルフさんの隣には座らんぞ・・・」

 でも、酒の美味さは教えてもらった。お酒って、あんなにおいしかったのか。仕事終わりに飲みたくなるのも、頷ける。

「おお、起きたみたいだな」

 誰!?振り返ってみると、見たこと無い男子が。驚いたのは、断じてやましい事を考えていたからではない。

「ああ、驚かせたか?まあいいや、自己紹介するか。俺は、グスタフ・ストール。お前のルームメイトだ。よろしく」

 ん?ルームメイト?・・・ああ!そういう事か!多分、ここは寮なんだな。

 うん?だとしたら、誰がここまで運んできたのか。

「あ、俺は剣 怜也です。よろしくお願いします。あの、俺って、誰かにここに運ばれてきました?」

「ああ、昨日はエルフィンさんが、酔いつぶれてたお前を担いでやってきたぜ?」

 え!?エルフィンさんにそんな事をさせてしまったのか・・・。謝らなきゃなぁ・・・。

 ・・・ん?何か、なんとなくだが嫌な予感が・・・

「えっと、何時頃でしたか?」

「あー、確か十時ぐらいだったかな?」

 あ・・・。これ、絶対に男子に見られてるな。終わった。俺、今日死ぬかも。ころさえう

 ・・・ハッ!そうだ!俺は頭が痛いんだ。てことは・・・

「あの、頭痛で休みとか―――」

「二日酔いは無理」

 なんてことだ・・・

「じゃあ、俺は先に行ってるから」

「ま、待ってください。俺一人じゃ、死んじゃいます!」

「ハハハ。じゃあ行ってくるぜ」

 グスタフさんは部屋から出ていってしまった。その途端、部屋をノックする音が聞こえる。

 ・・・無視、するかな。

 ちなみに、部屋はオートロックである。

「あーあーあー、どうしようかなぁ・・・」

 そこら辺を見回してると・・・窓が目に付いてしまった。

 そうだ!窓から飛び降りれば良いじゃない!(窓は、誰もいなくなったら、自動で閉まる。魔道具って便利だね。)

 実はだね、いつまた高い所から落ちるか分からないから、落下速度低下の魔法を編み出したのだよ。落とそうと思えば、数秒で速度を落とせる。

 ちなみに、飛行は魔力量的に無理だった。

 よし、さっそく飛び降りるかな。誰も・・・いないよな?

 Let's jumping!!!

 どうも、この部屋は五階みたいだ。二階まで落ちたところで、俺は落下速度低下の魔法を使用。

 みるみるうちに、速度は落ちていき、無事着地。誰も見てないよな?すぐさま、ダッシュ。

 

 教室に着いた。ここに辿り着くまでに、さっきが物凄く飛んできた。男子はともかく、女子からもだ。何故だ?俺が何をしたというのか?・・・思いっきり何かしてるね。俺は悪くないと叫びたい。

 教室に入ると、濃密な殺気がブワッっと。皆さん、どれほどイライラしていたのか?俺は悪くないと叫びたい。

 殺気を受け流しつつ、どうにかこうにか自分の席に辿り着く。

「あーっと、その、おはよう」

「あ、レイヤさん、おはようございます」

 とりあえず、席に座る。

「昨日はごめん。わざわざ、寮まで運ばせちゃったみたいで」

「いえ、気にしないで下さい。あれは・・・しょうがなかったと思いますから・・・」

 ・・・まあ、一応は良かった・・・のか?

「それに、学校の前まではリックさんが送ってくれましたし」

「あ、そうなんだ。今度、お礼言っとかなきゃね」

 姉よりできた弟だなぁ・・・。なんて考えていると、担任の先生が入ってきた。

「おー、全員集まってるなー?朝のホームルーム始めっぞー」

 まずは挨拶をして、その後、色々と連絡事項を聞いた。その中に、

「ツルギは生徒指導室に行くように」

 というのが、入っていたんだが、何故だ?・・・俺は悪くない。

「えっと、レイヤさん、頑張って下さいね?」

「え?頑張る?」

 意味が分からないが、とりあえず、生徒指導室に向かう。というか、入学して、二日目で指導とか・・・。



「来たようですね。とりあえず、そこに座りなさい」

「は、はい」

 中に居たのは、なんというか、校長みたいな人。というか、校長。

 言われた通り、俺は席に座る。

「さて、ここに呼ばれた理由は分かりますよね?」

「はい。お酒を飲みまくって、酔いつぶれた事ですよね?」

「うん、その通りだ。さて、何故それが悪いか分かるかね?」

 そりゃあ、まあねぇ?体に悪いとか、酔っ払ったら周りに迷惑掛けるとか、色々理由出てくる。それを言うと、

「うん、ちゃんと分かってるみたいだね。なのに、そんなにお酒を飲んだのかい。知っててやるというのは・・・」

 やばい、このままじゃ話が長引く。となれば、

「いえ、あれは不可抗力と言いますか・・・無理矢理飲まされたので」

「大体、その歳でお酒をそこまで飲むというのは・・・」

 あ、駄目だ。聞こえてねぇ。

「いえ、あの」

「お酒を飲むというのが悪いと言っているのではありません。それによってですね・・・」

 ・・・どうしろと?酒を飲む事になってしまった理由とかさ、その辺、重要じゃない?


 三十分後。

「つまり、自分の欲求を抑えるという事は強さに繋がってですね・・・」

「あの、話を」

「そもそも、強さというのはですね・・・」

 ・・・・・・駄目だな、こりゃ。頑張れって、もしかしてこういう事?

 二日酔いで頭痛いのに、この話の長さ。殺しにかかってるとしか思えない。


 更に一時間後。

「良いですか?この世の中には、様々な所に危険が・・・」

「・・・」

 どうして、こんな話になっているのか?


 更に、三十分後。

「・・・という事です。分かりましたか?」

「はい。分かりました」

 ・・・・・・んぁ?話が終わったっぽい。

「それで、何故、そこまでのお酒を飲んだんですか?」

 え?今更理由ですか?

「ええっと、無理矢理飲まされたというか・・・」

「飲まされた・・・ですか?」

「はい、自分より力が強くて―――」

「駄目ですよ!例え、誰であろうと、断れるような、精神を持たないと!もし、これがお酒ではなく、アヘンなどの薬物だとしたらどうするんですか!」

 あ、もしかして、またパターン入った?マジ勘弁。

 ってか、この世界にも薬物あるのか。

「まあ、中毒や症状は魔法で完治できますが、それでも危険ですよ。治す前に、人を殺してしまうかもしれません」

 あ、魔法で治せるのな。でも、ノーセンキューである。

「ですから!そのような事が無いようにですね、先程も言ったように、日頃から、自分の意思をですね・・・」

 うん、完全にパターンに入った。


 一時間後。

「で、あるからして・・・」

「はい、はい。はい、その通りです」

 まだまだ、校長の話は絶好調。


 更に二時間後

「ですから、そうする事で・・・」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・

 お腹が空いた。

 ただいまの時刻、一時である。俺、朝から何も食べてないのに、その上、昼まで抜きって。


 更に一時間後。

「という事です。分かりましたね」

「分かりました」

「よし、戻りなさい」

「はい、失礼、しました」

 俺、足、固まった。動かす、頑張って。

 俺、出る、部屋。

 俺、出た、部屋。

「終わった、やっと、話」

「キャア!?・・・あ。・・・あの、レイヤさん、大丈夫ですか?」

「あ、エル、フィン、さん? 俺、だいじょう、ぶ」

「いや、どうみても大丈夫じゃ・・・。目が死んでますし」

 俺、戻る、教室。

「戻る、教室」

「あ、はい、そうですね」

 



 俺は、教室に戻った。戻る途中に、物凄い殺気を受けた。そのため、教室に着いた時、

「だいじょうぶだ・・・おれはきょうしつにもどった!」

 と、言ってしまった。その後、

「キャッ!急にどうしたんですか!?レイヤさん!」

 と、言われてしまった。当たり前だ。

 しっかし、なんだったんだろうな、さっきまでの片言状態。殺気に当てられてから、正気に戻った。

 ま、いいか。それより、席に着こう。

 ただいまの時刻二時。後、二時間か。

 はあ、あったまガンガンする・・・。

 ちなみに、今は授業の最中。

「でだ、こういう時にはな、こうすれば良いんだ」

 ただいま、モンスターとの戦い方講座である。頭は痛いが、頑張って聞かないといけないな。

 なにせ、俺が強くなるのに、一番手っ取り早いのは、モンスターと戦う事だろうし。断言はできんが。


 今回の授業では、囲まれた時の事とか、奇襲の掛け方とか、色々やった。とっても、ためになる。

 これが終わったら、魔法の授業だった。魔法の原理みたいなのやった。んだが、途中で、

「まあ、この原理が本当に正しいかは分からないんだけどな」

 というセリフを先生(担任)が言ってた。

 という事で、大体聞き流した。それなりには、聞いたけどな。

 授業が終わったら、すぐに飯食って、なんやかんやして、すぐに寝た。就寝時間、六時。

なんというか・・・こういう話をついつい、書いてしまう・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ