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才能の才能  作者: 緑髪のエルフ
魔族の大陸
31/86

一方・・・

クラスメイトサイドの話です。もう一話続きます。

 剣 怜也が崖から落ち、川で流されているその頃。

 デニス、グレン、ミュウの三人は雑談をしていた。そこへ、向こうから走ってくる人物が三人。

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ」

「お、追ってきてないか?」

「あ、ああ」

 走ってきた人物は、近藤、村上、内藤だ。

「三人共、どうしたんですか?」

「ど、ドラゴンに襲われたんだ!」

「「「ど、ドラゴン!?」」」

 ミュウ達三人は驚き、声を上げる。彼らは、他の訓練官の元へ急いで向かう。

「皆さん!あの三人がドラゴンに襲われたようです」

「え!?」

「こんな所でドラゴンが?冗談じゃないのか?」

「それはないと思いま―――」

「グオォォォオォォォォォォ!!!」

「おいおい、冗談じゃねぇぞ。これ、完全にドラゴンの叫び声じゃねえか・・・」

「とりあえず、皆さんを避難させましょう。ミンクさん、お願いできますか?」

「はい。皆さんはどうするんですか?」

「俺達は、ドラゴンの相手だ。放っとくとヤバイだろうからな。そうだ、援軍の要請も頼むぜ?」

「分かりました」

 担当は決まり、後は実行だ。全員を集めて、話をする。

「皆さん、避難をします!ドラゴンが現れました!」

 そういった途端、ざわつく。

「あなた達は、ミンクさんに従い、城へと避難をしてください!」

「デニスさん達はどうするんですか?」

「放っておく訳にはいきませんので、私達はドラゴンと戦います。それでは、避難を開始してください!」

 しかし、こんな話を聞いて、黙ってはいられない人物がいた。

「あの、俺も戦わせてください!」

 話しかけたのは竜崎だった。

「ダメです」

「でも!俺だって、戦えるように頑張ったんです!」

「あなた達を危険に巻き込む訳にはいかないんです!城へ戻ってください!」

「・・・分かりました」

 竜崎は渋々といった様子で下がる。と、今度は別の三人が話しかける。

「「「あ、あの!怜也(お兄ちゃん、弟)がいないんです!」」」

「え!レイヤ君が!?」

「そ、そういえば!あいつ、昼飯の後は姿見かけなかったな」

「ど、どうします?」

「そうだな・・・。レイヤを探す前にドラゴンを探した方が良いかもな」

「な、なんでですか?」

「なるほど、ドラゴンを探し出せば、レイヤ君は安全になります。方針は決まりました。三人とも避難してください」

「で、でも。俺達も―――」

「さあ!避難を開始してください!遅くなったらレイヤ君が助からないかもしれないから!」

 実際はもう手遅れだが、そんな事は知る由もない。

「・・・分かりました。怜也をよろしくお願いします」

「怜也・・・」

「お兄ちゃん・・・」

 そうして、今度こそ行動が開始した。

「とは言ったものの、ドラゴン、何処にいるんでしょうね?」

「次にドラゴンの叫び声が聞こえてきたら、そっちに直行だな」

 そんな事を話しつつ、歩く事十分。例の叫び声が聞こえてきた。

「あっちの方向は・・・!?避難組の方角だ!急いで向かおう!」

 四人は急いで声のした方へと向かう。

 

 声のした場所の近くに辿り着くと、そこにはドラゴンがいた。幸い、避難組と遭遇はしていないようだ。

「! いました!」

「どうやら、レッサーレッドドラゴンのようだな。下位種のドラゴンで良かったぜ。あれなら何とかなるかもな」

「下位種でもドラゴンですから、油断しないでくださいよ。それに、あれは普通のレッサードラゴンより大きいですよ。8mはあるんじゃないですか?」

「分かってる」

 そう話した後、彼らはドラゴンに襲い掛かる。

 攻撃された事に気付いたドラゴンは、雄叫びを上げる。

「グルァァァァァァァアアァァァアァ!!!!!」

「くっ、流石に下位種とはいえ、ドラゴンだから、迫力がすげぇな」

 ドラゴンは彼らに向かって、ブレスを吐く。

「うぉっ!ぶねぇ。こいつ、普通のレッサードラゴンよりブレスの威力が強くないか!」

「なんで、こんなドラゴンがこんなところに・・・」

 攻撃しては離れるを繰り返すが、一向に終わらない。彼らの体力は無くなっていく。

「ちょっと、疲れてきたな」

「ハハ、そんな事言わないで下さいよ。あちらさんはピンピンしてるってのに」

「今からは、攻撃だけに集中するか。このままでは終わらん」

 そんな事を言い合っていると、

「俺も戦います!」

 そう言って、竜崎が出てきた。

「!駄目です、避難してください!」

「大丈夫です、足手まといにはなりませんから。俺だって、戦えます。うおお!竜化!」

 そういった竜崎は、竜人へと変化する。

「うおお! 【竜殺しの剣】(ドラゴンキラー)!切り裂けぇぇ!」

 竜崎は高く跳躍し、刀を一閃。ドラゴンを倒す、とまではいかないが、その一撃で硬い鱗を切り裂き深い傷を負わせただろう。

「ギャオオオオォォォ!」

「・・・巻き込みたくはありませんでしたが、仕方ありません。もう少しです!一気に片を付けましょう!」

 五人による集中砲火。流石のドラゴンも、それには耐えられず、とうとう地面へと倒れた。

「や、やったか?」

「の、ようですね・・・」

「この死体、どうしましょうか・・・」

「あ、それなら、俺の袋に入れてください」

「うん、お願いするね」

 ドラゴンの死体は、竜崎の袋に吸い込まれていく。

「さて、皆さんは先に帰っていて下さい。僕はちょっと森を見回ってきます」

 そういったのはミュウだ。もちろん、怜也を探しに行くためである。

「・・・怜也君、何処にいるんだろう」

 彼は森の奥へと入っていく。

竜崎が使ったのは、スキルというものです。そのうち、説明します。

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