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姉妹冒険者物語  作者: 並野
パフォーマンスナイトガール
130/181

35

 弓や杖を持った後衛たちが、逃げながら一斉に後方へと攻撃を仕掛ける。

 射掛けられた矢は、おばけかれきの幹ではなく根の足めがけ集中した。

 逃げながらという不安定な姿勢で絶え間無く動く足を射抜くのは非常に難しく、多くの矢が無為に地面に突き刺さる。

 が、数十本放たれた矢の内何本かは足の可動域に食い込み動きを阻害し、わずかながらおばけかれきの歩調を乱すことに成功した。


 続いて放たれる呪文の嵐。

 無数の光弾が麦畑を火の海に変え、更にその手前には衝撃波や氷礫の呪文が着弾地点に凹凸を作り走りにくい地面へと変えていく。


 勿論それだけでは、六足で疾走する樹の亡者の足を止めるには至らない。

 しかし矢と呪文の妨害を足がかりに、最本命の妨害が放たれる。


「次!」


アーサーが宣言と共に、手に持つ物をピエールへ渡した。

 荷台に積まれた槍だ。

 ピエールは槍を握る右腕を大きく振りかぶり、金属の柄にぎりぎりと力を込めながら全神経を後方の枯れ木へ向ける。


 この場にいる中で確実に下から五番目以内には入るであろうほど背の低い少女が、握る武器より細いぷにぷにの腕で槍を握っていた。

 だがその柔らかい細腕からは想像もつかない信じられないほどの力が発され、槍がめきめきと小さな悲鳴を上げ、金属の柄が握り潰され始めていた。


 めきめき……。

 みしみし……。


 槍の小さな悲鳴を背景に、渾身の力を込めたピエールが。

 槍を投擲した。


 ぶおっ、と野太い風切り音を立てて風が八つ裂きになる。

 風圧で炎に丸い穴が空く。

 横を飛ぶ矢に並走する。


 ピエールが全力で投げつけた槍は破壊されたバリスタに勝るとも劣らない威力を発揮し、回避姿勢を取ったおばけかれきの幹をわずかに掠めて後方へ消えた。

 バリスタが当たらなかったのと同様ピエールの槍投げも命中しないが、人が投げたとは思えない常軌を逸した威力の投げ槍を回避する為、おばけかれき側も足を止めて槍へ全神経を集中することを強いられていた。

 荷台の上から放たれる槍の一本が、数十の矢、数十の呪文よりも高い足止め効果を発揮しているのだ。

 おばけかれきに背を向け逃げる前衛たちは、少女のその圧倒的な投げ槍の威力と、投擲の瞬間に発される凶悪な魔物のような気迫に誰もが舌を巻き、畏怖に似た尊敬の念を抱いていた。


「次!」


アーサーが叫び、次の槍をピエールへと渡そうとする直前。

 おばけかれきが桃色に光った。

 二人揃って身体が硬直し、握った槍が手から落ち、姉妹は手を取り踊り始める。


「戻りなさいっ!」


直後、荷台に乗り込んでいたロレーナが胸ぐらを掴み上げばちんばちん、と力強く姉妹の頬を往復で叩き、二人は視界に星が散ったかと思うと踊りから解き放たれた。

 頬を叩き終えたロレーナはすぐにその場に腰を降ろす。

 最初から徹底しておばけかれきには背を向けていた。


「あ、ありがと」

「……」

「いいから次! 早く!」


踊りから解き放たれた頬の赤い姉妹は、再び槍投げの準備に入る。

 不幸中の幸いと言うべきか、この撤退戦はおばけかれきの踊りの対策としては優れたものであった。

 何せ相手も踊る時はどうしても足が止まる為、こちらを追うことが出来ないのだ。

 しかも背を向けて逃げる相手には踊りの誘惑がまるで通じない。

 姉妹のような者でもない限り。


 故に踊りの対処は非常に安定しており、周囲を見れば同様に背を向け踊りの誘惑を回避した前衛たちが後衛を引きつつ、すぐに頬を張って正気に戻していた。

 踊りに全く関わっていないのは背を向け逃げる負傷者救助班、御者に座りニャラニャラを急かすルアナ、そして。


「ヒヒヒ……ヒヒヒヒヒ……!」

「ああ……あああ……」


荷台に座りおばけかれきの方を向き、しかし目を閉じ全精神を魔力操作に傾けているチェリ、ニネッテのニアエルフ二人組だ。

 チェリは普段使うことのない、自身と同程度の長さがある長杖を右手で構え、開いた左手を杖の先にある青い宝玉へ翳している。

 ニネッテはそんな彼女の背中に張り付くように、支えるように座っている。目が虚ろだ。


「もっと寄越しなさい……(かみ)に捧げる魔力(いけにえ)を……ありったけ、全部、根こそぎ! 寄越しなさい!」

「あううあ……」


昂揚の余り異常な精神状態になっているチェリとは対照的に、ニネッテの意識は朦朧としている。呂律も回っていない。

 チェリが呪文を唱える為に、自身の魔力だけでなくニネッテからも魔力を吸い上げているからだ。

 加えてチェリの昂揚ぶりは、今朝から続く強烈な二日酔いを抑えるニネッテ謹製の強い薬で集中力を極限まで高めているのも理由の一つである。

 もし今チェリが目を開けば、最大限に血走った危ない目をしているのが分かっただろう。


「次!」


再びぐおん、と空気を貫く槍が投げられ、六本足の追走が止まった。

 おばけかれきは反撃とばかりに桃色の光を迸らせ踊るが、足止めの効果は姉妹たちの頬を赤く腫らすのみに終わる。


「……ここまでは順調か。後はこのニア共の呪文とやらがどれだけの威力を……」

「ああああーっ!」


ロレーナの呟きを、ニネッテの甲高い悲鳴が遮った。

 ロレーナだけでなく、姉妹や周囲を走る者たちまでも驚きで目を向けた。


「なに、どしたのニネッテちゃん!」

「チェリティリエッテさん待ってください! わたしもう魔力が、体力まで吸っちゃ駄目、ああ、ああああ……!」


後ろからしがみついた姿勢のまま、ニネッテが黄色い声で叫ぶ。

 しかしチェリは後ろの友人の悲鳴を何一つ聞き入れず無視し、やがてニネッテは白目を向いてくてん、と昏倒してしまった。

 まるで空になった酒瓶を投げ捨てるかのように、背中にいるニネッテを荷台に転がし捨てるチェリ。


「……この搾りカスがあっ! 足りない! (かみ)を喚ぶ為の魔力(にえ)が足りないわっ! 誰かあたしに魔力を寄越しなさい!」

「……だって、アーサー」

「私はもうあれに吸われたので残っていません」

「早く! 魔力が散る!」

「え、えっと、誰か、魔力を」


荷台の上であたふたと周囲を見回すピエール。

 だが解決策は、すぐ身近にあった。


「……」

「あっ」


アーサーが無言で手を伸ばし、隣にいたロレーナの手首を掴むと。

 チェリの背中に押し当てた。


「きゃあああっ、な、何よこれ! 気持ち悪、は、離して!」

「いいわ、集まってきた、集まってきたわ! これで……!」


魔力を骨の随まで吸い上げられる不快感にロレーナが抵抗を試みるが、何度も何度も頬を張られた仕返しとばかりにアーサーはほの暗い笑みを浮かべ手を離さない。

 そのまま十秒ほど経過し、無事ロレーナも搾りカスと化して白目を剥きその場に崩れ落ちた。

 仕返しの笑みを浮かべ、彼女を見下ろすアーサー。


「……前衛たちはあの魔物に同じように吸われても堪えた者ばかりだったというのに」

「きたきたきたあ! きたわよ! あんたたち、炎を止めなさい! 四号も馬車止めて!」


叫び声の直後。

 立ち上がり構えたチェリの全身から水色の光がぶわっと溢れ出した。


「ヒヒヒ……ヒヒヒヒ……魔力吸収の呪文なんてのはね……本当は攻撃呪文を相殺して吸ったりなんか出来ないのよ! 攻撃呪文が吸われてるのはね、今の時代の攻撃呪文が軟弱だから! それだけ! つまりぃ、このおおおぉっ!」


トランス状態に入ったチェリが叫ぶと同時に、光がまるで青い火柱のように勢いを増し一直線に迸る。

 おばけかれきがそれに気づき、慌てて回避、逃亡の姿勢を取ろうと試みた。


 が。


「知ってる筈でしょおおっ! 真の攻撃呪文から! ひらりと身をかわせる訳がぁ! ないでしょうがぁぁ! 顕現せよ! 顕現せよ! 顕現せよぉぉぉぉっ! おお、(かみ)よ! 迷える子羊にぃぃ! 祝福を与え給えええあああッ!」


チェリの閉じていた瞼が開かれ、魔力の光で一面真っ青に輝く眼球が露わになる。

 杖の先の宝玉が、過負荷で割れて崩れ去る。

 笑うチェリの口元が、唱える為に開かれる。


「     !」


五文字の古代呪文の真名が、唱えられた。


   :   :


 魔力の軋む奇怪な音色が鳴り響き、放たれた魔力がチェリの手元で一点に凝縮した。

 凝縮され、空に消え。


 おばけかれきの全身が魔青の氷に埋め尽くされた。


 突如地面から生えた氷の山は枯れた巨木を余すことなく飲み込み、露出しているのは右腕の指先、先端がちょっぴり出ているだけ、というほど。高さにして三十メートルは優に上回るだろう。

 青く透き通る氷の中では枯れ木の巨体が必死に藻掻いているのか、口を模した穴だけがわずかに、しかし小刻みに微振動していた。

 露出している指も少し動いているが、氷から脱出する兆候は全く見られない。


「……」


誰もがその場に停止して、呆然と氷の山を眺めていた。

 青く美しい水晶の山と、その中に閉じこめられた巨木の化石。

 或いは、青い巨大な琥珀の中の大木。

 先ほどまで命の危機をもたらしていた敵の姿が、青い氷の中では歴史的価値のある美術品にすら思えていた。


 やがて氷に亀裂が入る。

 一際大きな音を立てて、氷の山が斜めに割れた。

 滑り落ちるように、氷の山の上側が落ちていく。

 氷の中のおばけかれきの上半分も、氷と一緒にずれていく。

 加速度的に増加する亀裂たち。


 遂に氷山が轟音と共に崩落し、一塊の氷は氷の瓦礫の山になってからふっ、と消失した。

 残ったのは、ばらばらに砕け一切の動きを止めた樹の亡者の亡骸のみ。

 砕けた枯れ木の指先が、最後に一度ぴくぴく、と動いてから停止した。


「ああ氷様……ありがとうございます氷様……あなたのおかげで迷える子羊たちは救われました……ああ……」


有効打に至らないかすり傷ばかりの状態から、チェリの呪文一撃で討ち取られたおばけかれき。

 勝ち鬨の声の代わりに、(かみ)への感謝の祈りの言葉だけがその場に静かに響いていた。



   :   :



 ――チェーリ! チェーリ! チェーリ! チェーリ!

 ――あっはっは、あっはっはっは、あーっはっはっはっは! あははひーっあっひー!


 姉妹がぼんやりと眺める先で、健在な者たちによるチェリの胴上げが行われていた。

 当のチェリは腰に手を当てた状態でただひたすらに高笑いを続けている。

 笑い声が高過ぎて半ば悲鳴のようになり、大声で笑い過ぎて時折(むせ)ながらも高笑いは止まらない。


「私たちあんまりいいところ無かったね」

「姉さんは槍投げで活躍したからいいじゃないですか」

「まあまあ、お二人とも……」


頬の赤い姉妹は二人身体を寄せ合い、荷台の上で膝を抱えて座っている。

 荷台の上には気絶から爆睡に移行したニネッテが転がり、姉妹の隣、少し離れた場所ではルアナが同様に腰を降ろしていた。

 ロレーナは荷台から降ろされ今は自警団たちの傍らだ。こちらは既に意識を取り戻している。


「ところでルアナちゃん、何で来たの?」


天高く放り投げられるチェリを眺めながら、ふと思い出したピエールが尋ねた。

 問われたルアナは自信たっぷりに握った拳を胸元に当てる。


「皆さんが出立して暫くしたところで、町に向けて呪文による信号が放たれたのですわ。大型の武器やバリスタをもっと用意して欲しい、と」

「そうなの?」

「戦闘が始まってすぐ、あのケビンという魔法使いの男が何やら空に向けて呪文を放っていました。前線から町への連絡手段も確立しているのは非常に高評価ですね。……とはいえ、何故わざわざあなたが来たかの答えにはなっていませんが」

「それは勿論! 武具屋の人間として、いてもたってもいられなかったから! ですわ!」

「ほー……」


握っていた拳を高く振り上げ、ルアナが高らかに叫んだ。

 彼女の言葉にピエールは目を見開き感心、一方アーサーは姉がやらかした時によく行う半眼じと目だ。


「本当は?」


アーサーが露骨に疑いと蔑み混じりの眼差しを投げかけると、ルアナは妹の視線から逃れるように笑顔でごまかす。


「槍を積んだ馬車を届ける際出会ったチェリ様とニネッテ様に同伴を誘われて、つい出来心で人に届けず直接……」

「……」

「あっ、でも本当の理由は一つありますのよ! 一つ!」


ルアナがこぼした言葉に、姉妹は揃って呆れ混じりに視線を逸らした。

 視線を逸らした先には、揃って地面に腰を降ろすアンドレイ、メリンダ親子の姿。

 二人で生き残った喜びを分かち合っている。


「無事で良かったね、パパぁ……」

「ああ、そうだな。今回の件は本当に良い経験になっただろう」

「あの踊りで皆踊っちゃった時は本当にこのまま死んじゃうのかと思った……。怖かったぁ……」

「もう大丈夫だ、安心しろ」

「だからこの怖い想いをかき消す為に帰ったらいっぱい飲む……飲むからね……」

「……止めようかと思ったが……まあいいか。こんな日くらい好きなだけ飲むといい。母さんには私から言っておこう」


 更に他の場所では、横倒しになったまま治癒の呪文で手当を受けている蹄人、レツの姿もある。

 しかも男泣きの真っ最中だ。


「ううっ、サイエ、サイエええっ、不甲斐ない男で済まない、サイエ、おおおおおっ、サイエええっ……」

「大丈夫ですからねレツさん、一月も呪文を使って療養すればちゃんと治る怪我ですからね。奥様にもすぐ会えますから」

「おおおおおーんっ! サイエええええーっ!」

「……だから、ちょっと静かにしてくださいね!」


手当を行う魔法使いの叫び声も虚しく、レツは大きな声で泣き続けていた。

 どうやら彼は一旦弱気になると女々しく泣く性質らしい。

 内面を知れば知るほど、レツの残念美男子ぶりが際立ってくる。

 アーサーは元より、ピエールももう苦笑いさえ出ない。


「無事な自警団と衛士ども! もう一働き残ってるぞ! 魔物の残骸の回収と散々火を着けて回った麦畑の後始末だ! 冒険者の魔法使いも魔力と体力残ってたら火の始末に参加してくれや! 手当は弾むぞ!」

「なんでお前が仕切ってんだよケビン!」

「仕方ないだろ団長は搾りカスになってんだから!」

「うるさい、黙れ……」

「今凄まれても何にも怖くないっすよ! 団長(しぼりカス)は精々そこで負傷者と一緒に転がっててください! すぐに救助班の増員が着きますから! ……おら行くぞお前ら!」


自警団の魔法使い、ケビンが声を張り上げて宣言すると、じきにチェリの胴上げも終わり多くの面子が後始末に向かい始めた。

 姉妹はそれを見送っていると、胴上げを終えて喜色満面、口端が極限まで吊り上がった人生の絶頂と言わんばかりの笑みを弾けさせるチェリがすたすたと荷台の元へ歩み寄ってくる。


「あーあたし大活躍だったなー、本当に大活躍過ぎて困っちゃうなー、あーあたし大活躍! ……あら! 大層な装備して向かったのに情けなく踊ってたばっかりで活躍出来なかった下僕二号と三号じゃない! いやーごめんなさいね、あたし大活躍で! 人気独り占めで! あたし大活躍で! 大! 活! 躍! で!」

「何回言うの大活躍って……」


力無く突っ込みつつ、笑に偏った苦笑いを見せるピエール。

 今のチェリの態度は若干鬱陶しいが、彼女が起死回生の大活躍を見せたのも自分たちがいまいち活躍出来なかったのも事実なので、特別不快感を覚えることはない。

 加えて解放戦線での戦いで赤っ恥を掻き泣いて寝ていたこともピエールは心配していたので、その屈辱を払拭出来たのだと思えば今の態度の大きさも容易に受け入れられる。

 アーサーも"鬱陶しい"の比率が大分大きいとはいえ、思っていることは姉と概ね同じだ。


「何はともあれ、ありがと。今回は文句無しのチェリちゃんが一番の大活躍だったよ」

「でしょお? でしょでしょでしょお? やっぱりあたしとあたしの氷様が一番よね? いやー、これは大陸全土に名前が轟いちゃうかなー! あたし困っちゃうなー! ほら下僕四号! 帰るわよ、さっさと馬車出しなさい!」

「は、はい只今、チェリ様」


横柄の極みのチェリが命令すると、ルアナは多少気後れしながらも慌てて御者席に移動しニャラニャラを操り始めた。

 巨大な毛玉鳥がとことこ東へ向けて歩を進める。


「ねえチェリちゃん、今の……」

「え? 今誰かあたしのこと呼んだかしら? いやいやそんな筈無いわよねー、だってあたし今日大活躍だったのに、そのことに触れない人がいる筈ないわよねー! あたし大活躍だったのに!」

「……」


この子本当に面倒臭い。

 本音が舌先まで出掛かったのを堪えるピエール。


「……今日一番の大活躍だったチェリちゃん」

「何かしら下僕二号? 今日一番の大活躍だったチェリティリエッテケルコイメルロルーマール様に何か用?」

「いや、あの、うん……えっと……さっきからルアナちゃんのことを下僕四号って呼んでるけど……」

「あら、だってあの下僕はあなたたちが契約してる武具屋の店員なんでしょ? あたしの下僕四号に相応しいじゃない。せっかくだしあたしもこれから下僕四号に装備見繕って貰おうかしら」

「いや、でもルアナちゃんってネリ……」


ピエールの消え入りそうな言葉は、チェリによる再びの高笑いによってかき消された。

 チェリの大きな大きな笑い声が、再びネリリエル地方に響き渡る。


「……チェリティリエッテさん、うるさいです……」


目を覚ましたニネッテが、ごろりと横たわったままぽつりと呟いていた。

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