一冊のノート
僕は車を停めて、向かいにある100均でノートをペンを買い、再び車内に戻った。
ノートの1ページ目を開き、止まった。
(何を書けばいいのかな....)
(自分のこと.....?)
(いや、このノートに嘘はつかない。いいカッコもしない。)
(ありのままの自分を書くんだ)
[僕は、弱い]
[僕は、嘘つきだ]
[僕は、お金がない]
[僕は、仕事が続かない]
[僕は、.......死にたがってる....(違う)....消えたがってる.....(違うな)....逃げたがってる]
しっくりくる言葉が見つからない。
不器用に、自分が考える自分を書き出した。
1ページ埋まった地点で、買いた内容を見直してみた。
(うわ、なんか、ひどいな.....)
書こうと思えば、まだ書ける。
(先に進むか.....)
怖い気もする。
(でもまた、投げやりになったらどうする?)
(怖い....)
しかし僕は、2ページ目に突入した。
2ページ目半ばで、しんどくなってきた。
書いている手が、しんどいんじゃない。
心が.......締め付けられる。
僕は、一旦手を止めた。
ふと時計をみると、もう夜の10時になっていた。
(集中してた.....)
辺りは誰もいない。
静かな夜がまたやってきた。
僕は家に帰り、両親を起こさないように、そっと自分の部屋へ戻った。
部屋に戻るとすぐパソコンに手をのばしたが、電源を入れることに躊躇した。
(あれ?なぜ躊躇したんだ?)