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空虚
感傷的になっても、身体は、寒さを感じる。
(寒い...僕が泣いてもドラマにもならない)
(だっせ...)
泣き切ってはいないが、少し楽になった。
(部屋に戻ろう。)
自分の部屋に戻る前に、やらなければいけないことがある。
(サイフ...サイフ...)
(あった)
(母さん、僕は被害者なんだよ。
この現代社会の。)
情けないことは分かってる。
29歳にもなって親の金を盗むなんて。
しかし、5万はさすがに無かった。
(2万か...)
(忘れてたってことにするか。いや、でもきっとヨシキはおろして来いというはず。最近は、便利な世の中になったもんな....)
(父さん....)
僕は父さんのヘソクリの場所を知っている。
(ごめん....)
心が、、、痛い。
(まだ痛む心があったのか...僕は...)
部屋に戻った僕は、またドラクエの続きをした。