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のぼる丘  作者: てくてく
壺の中
4/14

逃避

目を覚ますと、夜の10時を過ぎていた。



(夜か....)




「グュー。」



(そういえば今日何も食べてないな...)



小腹が空いた僕は、冷蔵庫に何か無いものかと、階段を降り、少しふらつきながらリビングへ移動した。



[夜になるとゴキブリみたいに...]

母の言葉を思い出す。




(お前が育て間違えたんだよ.....)


寝起きの悪い僕は、少しイライラしながら冷蔵庫を開けた。



冷蔵庫には、トマトが3つ入った袋と晩ご飯だったと思われる焼餃子が5つ。



(餃子を食べようか.....脂っぽいな。やっぱやめよう.....)



結局、非常食のカップラーメンを食べることにした。




テレビは、特に観たい番組もなく、照明代わりにつけていた。



テレビの声[本日お送りするテーマは現代年々増加するうつ病についてです!みなさんは.....]


「バチッ」



僕は急いで消した。



「ハァ、ハァ、ハァ...」



音も無い真っ暗な部屋で、僕はただほのかに香るカップ麺の匂いを感じながら、観てはいけない.....というより、触ってはいけないものを触った気がした。



「....んだよ、オレだって本気を出せば...」




無性にイライラした。




何にイライラしているのかも分からない。





腹が立つのに、泣きたい。




大泣きしたい。





声を出して泣きたい。





でも....




「泣くもんか.....」




....




....





......





食べかけのカップラーメンが、冷たくなっていた。



その間、どう過ごしたのかは覚えていない。




しかし、たくさんのことを考えた。





お金のこと。





生活のこと。





親のこと。





自分のことを。



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