地獄の鬼
3月18日に追加しました
八月十日16時11分句読点の追記と修正を行いました
八月十四日12時12分修正
2017年5月5日追記&修正
(あの妖術は厄介だな…それに段々と餓鬼の数も増えてきている、先に妖術使いを倒した方がよさそうだ)
そう決心し、まず妖術が当たらぬ様に、川縁から走って森へ移動し木に隠れながら、近接武器を持った餓鬼を倒す。
そうして接近してくる餓鬼が少なくなった所で、妖術使いの餓鬼へと近付く。
しかし、知能があるのか、妖術使いの周りに五匹の餓鬼が潜んでおり、一斉に飛び掛かってきた。
(くっ!迂闊だった…ここまで知恵が回るとは!)
必死に槍や棍棒やらを受け流すも、奇襲をうけた事によって、体勢を崩されていた為長くは続かず、1匹倒して数合打ち合った後、清村の側頭部棍棒で打ち据えた。
そこへ、妖術使いの餓鬼が稲妻と火の玉を浴びせる。
清村は、とっさに両腕で防御するも、稲妻に撃たれ火の玉で焼かれ吹き飛ばされ、背後にそびえていた大樹へと激突する。
餓鬼達は好機とばかりに、槍や棍棒、杖を頭上に掲げ、「ギャッギャッ」と声を上げ、清村に群がり止めをささんと今にも襲いかかる勢いであった…
しかし、餓鬼共は何かの音に反応し、その音が何処からの物なのか必死に聞こうと周囲に気を配り、一向に動こうとしない。
暫くすると「ドシン、ドシン」と地鳴りが響き森の奥から何やら大きな者が這い出てくる様な音が…小枝が折れ、背の高い大樹の葉が擦れる音が聞こえてくる。
すると餓鬼共がまるで蛇に睨まれた蛙の様に硬直し森の奥を凝視していた。
重い物を地に叩きつける音と共にやってきた、それは体長二間(約360cm)の巨体に、片手には巨大な金棒…まさに鬼そのものの姿であった…
「ウォォォォ!! 」
鬼が叫ぶと、餓鬼達は蜘蛛の子を散らす様に、四方八方へ逃げていく…
必死に逃げる餓鬼達だが、鬼は近くにいる餓鬼へ金棒を振り回す
鬼の振り回す金棒は、一振りすれば大樹が倒れ
二振りすれば大岩砕け、三振りすれば大地が割れる、そんな鬼が金棒で餓鬼を潰し、時に捕まえて頭からかぶりつく、そんな様が所々でみかける
気付けば見えるのは三匹の鬼のみで、清村を囲んでいた餓鬼の姿が見えなくなっていた
(凄まじいな…地獄の鬼とは)