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第二十九話 異世界語を理解してしまう


第六ダンジョン。


中層三十五階。


探索者パーティー

三組。


合同探索。


通路は、

広いが、

薄暗い。


壁に、

見慣れない

文字。


発光している。


「なんだ、

これ?」


若い

探索者が

首を

傾げる。


「古代語か?」


「翻訳機、

反応しません」


職員が、

端末を

操作する。


画面は、

エラー表示。


佐山は、

文字を

見た瞬間、

理解した。


(警告文……)


無意識に、

口が

動く。


「――侵入者、

速やかに

退去せよ」


場が、

静まる。


全員が、

佐山を見る。


「……え?」


「今、

読んだ?」


佐山は、

しまったと

思う。


(反射で……)


「佐山さん、

翻訳機

持ってました?」


あかねの

声が、

通信から

聞こえる。


「持ってない」


「じゃあ、

どうして……」


沈黙。


壁の文字が、

赤く

光る。


魔物の

気配。


佐山は、

話を

打ち切る。


「来るぞ」


戦闘開始。


魔物は、

大型。


岩の

ような

体。


佐山は、

前に出る。


(ごまかすしか

ない)


魔物の

攻撃を

かわし、

一閃。


核を

正確に

貫く。


即死。


周囲が、

呆然。


「今の……

Cランクの

動きじゃ

ない」


誰かが

呟く。


佐山は、

振り返らない。


戦闘終了。


空気が、

重い。


あかねの

声。


「佐山さん……

さっきの文字」


佐山は、

短く

言う。


「昔、

勉強した」


「どこで?」


「独学」


苦しい。


だが、

他に

言いようが

ない。


林野は、

通信を

聞いていた。


静かに

目を閉じる。


(確定だな)


異世界語を

理解できる人間は、

一人しか

思い当たらない。


林野は、

心の中で

呟く。


「帰還勇者……」


佐山は、

戦利品を

回収しながら、

思う。


(もう、

限界かも

しれないな)


隠せば

隠すほど、

綻びが

増える。


だが。


まだ、

名乗らない。


名乗る

覚悟が、

できて

いないからだ。


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