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俺はテーブルに並んでいた料理を全て平らげた。
おそらく数十キロ分はあったことだろう。
しかし、なんの問題もなくそれを食した。
魔法を使えばエネルギーを保管しておくこともできるのだ。
それによって食べたい物を食べたいだけ食べることができる。
「それでは、今回は誠にありがとうございました……もしもまたレイドボスが出現した際には、またご協力いただけますと幸いです」
「そうか。わかった」
「アルバ様、宮殿の外まで案内します」
「レイバ。その必要はない。俺はもうここからすぐに帰る」
お見送りなんてされても嬉しくない。
距離を取るようなことをされて嬉しいはずがないだろ。
俺は間違いなくこの世界でもっとも強いんだ。
今さら、自分の存在を大きく見せる必要なんてない。
「では、本日は私たちを助けていただきま――」
「そうだ。ちょっといいか?」
「な、なんですか?アルバ様」
もう「敬語を話すな」とか言っても無駄なことはわかった。
今さら昔みたいな楽な関係性に戻れないのもわかった。
しかし、こちらからなにかをするのは難しいことじゃないはずだ。
「レイバ。そろそろ誕生日が近いだろう。なにか欲しい物はあるか?」
「欲しい物など……滅相もございません」
「では、昔馴染みの数人と集まるというのはどうだ?まぁ、俺たちは友だちが少なかったから、そんなに大した会にはならないだろうが」
「……私には、私には決められません……」
なぁ?これは逆に失礼じゃないのか?
人としてどうなんだ?なんで自分で決めることができないんだ。
それを聞いた俺は少しイラッとしてしまった。
その感情は表情にも出てしまっていた。
「アルバ様……」
「もういい。それなら、別に構わない」
「ま、待ってください!!アルバ様!」
「なんだ?」
こちらからの提案を無下にしようとしたレイバ。
コイツが俺と仲良くなろうとなんて全く思っていないことはわかった。
それならばこっちとしても仲良くしようとする意味なんてない。
どうせ孤独なんだ。
圧倒的な力を手に入れたことで誰にも愛してもらえなくなったんだ。
「……私が決めます。あの、私たちと一緒に誕生日会を開いてくれませんか?」
「……それは俺が不機嫌になったからそう言っているだけだろう。もう無理をするのは止めればいい」
「違う!!アルバ……これは、私が友だちとして――」
「レイバ!!アルバ様になんて口の利き方を――」
「構わない!!レイバの気持ちはわかった。だから、また誕生日に会おう。予定があるならば誕生日ではなくてもいいが……」
「わかった。楽しみにしてるね」
「俺も楽しみにしている」
全く、どうしてこんな当たり前のことをするのにこんなに気を遣わなければならないんだ。
まぁ、しかし一つ勇気を出してみたのは正解だったな。
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