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レイバと約束していた報酬を受け取りにきた。
いつもと同じ装いで旧貴族たちが使っていた宮殿まで来た。
本来ならばドレスコードなどもあるのだろう。
が、そんなことは俺には関係がなかった。
「お待ちしておりました。アルバ様」
「レイバ。いつもの通り、極上の報酬を用意してくれたんだろうな」
「はい。もちろんでございます」
誰に言われたのか知らんが、誰もいない場所でもへりくだる。
たしかに俺がいないと多くの命が犠牲になるのは事実だ。
今回のレイドボスだって、普通にやったら何百人と人が死ぬだろう。
だから俺の機嫌を損ねるわけにはいかないということだ。
全く、もう少しやりようがあるだろうが。
これだと俺が魔物みたいじゃないか。
まぁ、実際、強さで言えば魔物以上だが。
「レイバ。今日のはどんな感じだ」
「あらゆる地域から選りすぐりの者を集めました」
「この短い時間によくやったな。大変だっただろ」
「そんなことはありません。アルバ様」
連れない友人に呆れながら宮殿へ入る。
豪華絢爛と呼ぶのに相応しいシャンデリア。
そして、数十人にも及ぶ、人間が“ズラッ”と並んでいる。
彼らは俺が入った途端にみんな頭を下げるのだ。
奇妙なほどに揃っているそれに違和感を覚える俺もいた。
なんかヤクザみたいだな。
「お待ちしておりました!!アルバ様!」
「ちゃんと準備はできてるんだろうな」
「もちろんでございます!!」
結局、人間なんてこんなもんだ。
俺が包丁をメインウェポンにしたときには馬鹿にするクセに。
成功したら手のひらを返すんだ。
「こちらでございます」
俺は芳しい臭いがする部屋を目指して歩いていた。
その先には極楽が待っている。
およそ、想像できる中でもっとも幸福と言えるような物が待っていた。
「お待ちしておりました!!アルバ様!!」
「うーん、いい匂いだぁ」
俺が入ったのは白のテーブルクロスが“ピッシリ”と敷かれた長いテーブルがある部屋。そのテーブルには所狭しと多種多様な料理が並んでいる。はぁ、お腹空いたぁ。
ターキー、ステーキ、寿司、ピザ、フレンチ、その他にも様々な美味美食がそこには並べられている。はぁ、俺はこのためにレイドボスを倒したんだ。
「本当に報酬はこちらでよろしいのでしょうか……?」
「当然だ。もう金なら持ち切れぬほどに持っている。ご馳走を用意してくれるのが一番嬉しいんだ」
「左様でございますか…では、ごゆっくりお楽しみください」
「あぁ、いただきます」
俺はまずうまそうな光沢を放つ大とろを手に取った。
そしてそれを口へ運ぶ。
はぁぁぁ……とろけるぅぅ。
うまぁぁ……
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