漂うモノ
掲載日:2024/08/05
体の感覚がない。
あたりは暗闇に包まれ、
月明かりのみが我が身を照らす。
ここはどこだ、なんだこれは。
体と呼んで良いのかわからないが、
蒸し風呂の中のような熱さ、
じめじめした感覚のみが体を支配する。
空という名の大海原に僕はいる。
今は、何もできず。
朝が来るのを待ち侘びる。
一夜明け、
膨れ上がるような、
切り裂かれるような痛みが全身にこだまする。
空を見上げる。
太陽だ。
体がより一層熱を帯びる。
朝が来たのだ。
落ちる先には真の大海原。
降りれば何とか助かりそうだ。
胸を撫で下ろす胸もなく、
あたりが暗くなる。
親玉様がやってきた。
この世界に現れた突然変異。
莫大な力を持ったそれは、
黙々と成長し、
大きな大きな体を手にする。
怒りに満ちている。
まだまだ機嫌がいい方だ。
閃光が走る。
まずい。
大地を切り裂く音と共に無数の同志たちが
海へ打ち付けられ、姿を失う。
このままでは助からない。
どうする…考えろ。
ポチャン、、
耳をかすめる優しげな音。
沈むように、溶けていくように。
「漂うモノ」は旅路を終える。
お読みいただきありがとうございます。
今回は一風変わって、散文のようなものを書いてみました。
理科で教わった水の循環。見方を変えるととても壮大です。




