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第6話 先輩たちの秘密とみんなとの同居

これで最終話です。お読みいただければ幸いです。

 翌日、学校をさぼるつもりで布団にくるまっていると、スマホにショートメールが入った。

 米沢先輩からだ。今日会いたいから放課後校舎裏に来るようにという連絡だ。

 俺はのろのろと起きだし、登校の準備を始めた。部屋から出て、リビングに行くとくつろいでいる葛葉、絵理沙、真帆がいた。


 「あれ、お兄学校に行くんだ。それじゃ準備するかな」と葛葉が言うと、「私らも行くか」「そうですね」と絵理沙、真帆も言葉をつづけた。

 「お前たち二人とも泊ったのか」と俺が聞くと「泊ったというか、私たちもここに住むから」「はい、よろしくお願いします」と絵理沙と真帆は言った。

 「一緒に住む?どういうことだ?」俺が訪ねると、「だって妖魔だとばれたし、だったら一緒に住んだ方がいろいろやりやすいし」「そうですね。それに昨日、精力を吸わせていただきましたが、本当に濃厚で美味で、さらに底なしときましたからね。また味わう機会が欲しいです」

 葛葉の方に助けを求めると、「お兄のハーレムができつつあるね~」と言ってにやにやしているばかりだった。


 その時、俺らの世話をしてくれている白さんが部屋に入ってきた。

 「ねえ白さん、2人も増えたら大変だよね」と助けを求めるように聞くと、「いいえ別に。葛葉様かがよいと言えばよいのでは」と言って、すたすたと部屋を出て行ってしまった。

 なし崩し的に2人が同居することとなった。頭痛い。


 さて、学校に行き、授業を受けるが全然頭に入ってこなかった。

 昼は葛葉たちに連れられて学食に行ったが、何を食べたのすら記憶にない。

 放課後になり、痛む胃を押さえながら校舎裏に向かった。

 そこには、米沢先輩と新庄先輩がいた。

 とりあえず米沢先輩に謝った。「昨日は本当にすみません。欲情に駆られてとんでもないことをしてしまい申し訳ありません」と土下座した。

 

 米沢先輩はアワアワしながら「私は大丈夫だから。それよりも頭大丈夫?昨日妹さんどこから取り出してきたかわからい巨大な金棒で四葉君の頭を殴っていたけれど」と言った。

 葛葉め、そんな凶悪なもので俺の頭を殴りやがったな、そう思いながら「俺は大丈夫です。何ともありません」と言った。

 「それならいいんだけど…」と米沢先輩は言葉を濁した。


 「それで話なんだけど…」米沢先輩はもじもじして下を向いてしまった。そのまま続きを待っていると、新庄先輩が「実は四葉君にお願いがあるの」と口火を切った。


 部をやめろとか、二度と私たちの前に顔を出すなとか、最悪、学校やめてどこか行ってくれないと言われるかもしれないと身構えていたら、いきなり「実は私達付き合っているの。肉体関係もあるわ」と言われた。

 へっ?米沢先輩と新庄先輩が付き合っている?いや、同性愛は今やかなり市民権を得ているし、それを公表している著名人もいる。俺もそれは否定しない。好きあっているならいいじゃないかという考えだが、しかし好きになった女の子たちが同性愛で愛し合っていると言われたら、やっぱりかなりショックだ。


 「そそそうですか。それはいいと思いますよ」

 「それで四葉君、私たちを妻にしてほしいの」

 今なんて言った?意味がよく分からない?

 俺が訝し気な顔をしているのを見て、新庄先輩は話をつづけた。

 「私たち二人が恋人同士であることは言ったわよね。でも私たち、別に男が嫌いなわけではないの。いわゆるバイセクシャルというのかしら」そう言って俺の方に近づいてきた。

 「正直、私あなたのことが結構好みなの。それにアキもあなたのことが好きみたいで、昨日キスされてその思いが一層強くなったみたい」

 四葉の媚薬効果の所為です。本当にすみません。


 「やっぱりまだ同性愛というのは、まだ社会的に難しいところもあるのよ。家族の説得も大変だし。その時に五常先生が、四葉君は名家の出身で、一夫多妻が認められているから一緒に妻になればずっと一緒に居られて、なおかつ社会的にも問題ないわよと言われたの」

 そりゃ退魔師の家系でも七聖の一つに数えられる名家だし、たしかに複数妻をもらうのも認められている。実際父も俺の母と葛葉の母の二人を妻にしているし、ありっちゃありだけど。 

 「そういうわけで、四葉君に私たちを娶ってもらいたいの」

 「ええっと、直ぐには返事ができないので、少し待ってもらっていいですか」

 「そうよね。御家族にも相談する必要があるだろうし、少し位待つのは大丈夫よ」

 とりあえず、五常がどういう意図でそそのかしたのか、それと葛葉に言われた四葉の精力に先輩たちが耐えられないことをどうクリアするのか、考えを確認する必要があるなと、俺は考えた。


 叔父さんに五常さんの連絡先を教えてもらい、五常さんと話をしなくてはと思いながら一旦家に帰った。

 俺が家に帰りつくと、隣の家にトラックが止まっていて、引っ越しの最中だった。

 隣家は長らく空き家だったが、最近誰か住むことになったらしく、昨日まで内装工事が行われていたようだった。

 

 部屋で制服から着替えて、退魔士協会に電話しようとしたら、「ピンポーン」と音がした。

 「はーい、今出まーす」と大声で言って、俺は玄関に向かった。

 葛葉は出ないのかって?妹はめんどくさがって出ようとしないうえ、万が一出たとしても家にいるときはあられもない格好をしているので、とても人前には出せない。

 

 俺が玄関を開けると、五常忠子が立っていた。そして後ろから、職人らしき男たちが何人も家に上がり込んできて、勝手に工事を始めた。

 「隣に越してきた五常忠子です。今後ともよろしくお願いいたします」と言って、高級そうな菓子箱を渡してきた。

 「此方こそよろしく……って、一体どういうことだ。なぜ人の家を改造しているんだ」

俺が食って掛かると、五常忠子の後ろから先輩たちが顔を出してきた。

 「四葉君ごめんね」米沢先輩と新庄先輩が申し訳なさそうに頭を下げてきた。

 「いえ、米沢先輩たちが謝ることではないと思いますが……」

 「ねえ、四葉君、詳しい説明をしたいので、家まで来てもらっていいかしら」

 「わかりました」そう言って、家から出ようとすると、「ちょっと待った!私たちも行くわ」と葛葉、絵理沙、真帆が走ってきて、俺の両腕とお腹に抱き着いてきた。

 三人に抱き着かれながら、隣の家に移動した。そこのリビングに置いてあるソファに座るよう促された。


 「あなたたち、なんかおかしいと思っていたけど、四葉君とどういう関係なの」五常は言った。

 「私は妹の葛葉、お兄の婚約者で第一夫人よ。あとこの二人は第二夫人と第三夫人の候補者なの」葛葉が俺の腕に抱き着きながら言った。

 「フーン、そういうこと。じゃ私たち三人と同じ立場なわけね。私は四葉の婚約者で、この二人は第二夫人、第三夫人候補よ」


 何それ?葛葉が婚約者というのはわかっていたけど、それ以外は初耳だぞ。


 五常は続けて言った。「この二人は四葉と結婚を希望しているわ。でも四葉の精気をまともに浴びたら死んでしまうでしょ。だから一緒に生活して、少しづつ体を慣らしていくわけ。あと私は退魔士協会の指示で、四葉の婚約者に選ばれたの。個人的に私は彼に対して好意のかけらも持っていない。しかし、先の妖魔との戦いで、五常家は私を除いて壊滅したわ。家を復興し、再び七聖の地位を確立するためには、あなたと一緒になる必要があるの。あくまで形上の夫婦ということでよろしくね」


 葛葉は妖魔の姿に戻って威嚇するように五常に言った。「そんなんでお兄の精気をどう解消するの?お兄は私たち妖魔の王になる人物よ。人間に渡して堪りますか」

 五常も負けずに言い返しました。「四葉は歴史上最高の退魔師に成れる素材よ。膨大な魔力、四葉家が引き継ぐ強大な術式、これらを使いこなせれば、妖魔なんて恐れる必要がなくなるわ。精気の処理はこの二人を鍛え上げて処理できるようにするし、五常家の護符があればある程度緩和されるわ」

 両者はにらみ合いました。


 こうなると手に負えないので、俺は二人の先輩を連れて部屋から逃げ出しました。

 「先輩達、こんな訳の分からないことに巻き込んでごめんなさい」俺が謝ると、「色々びっくりしたけど、事前に五常先生からある程度聞いていたから大丈夫よ」と新庄先輩が微笑んで言いました。米沢先輩も「私頑張って、四葉君の精気に慣れて、解消させられるようになるからね」と赤い顔で言って、抱き着いてきました。


 しばらくドタバタしていたが、両者の話はまとまったようで、俺は自宅と五常の家を一日おきに行き来する。3年間、その生活をつづけ、より深い関係になり、四葉が選んだ方の勝利とする、とそのように決まった。

 ちなみに五常の家と軸は渡り廊下でつながって、そのまま出入りできるようになっていた。工事業者が自宅に入り、どたばたと工事をしていたのはこのためのようである。

 俺と、六人の女の子たちとの生活が始まった。


お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。

星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。


これでとりあえずいったん打ち切ります。もし人気が出ましたら再開します。どうぞよろしくお願いいたします。

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[良い点] 一気に読みました、 [一言] ハーレム物ならノクターン版で書いて欲しい
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