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 あっという間に翌日になった。


 お昼過ぎに家を出発して先に実家に向かう。途中、和菓子屋さんに寄ってお父さんの好きな豆大福もお土産に買ったよ。


 渋滞もなく順調に来れて、家に着いたらお母さんが待っていてくれた。私の引っ越し後の様子や家の事とか色々聞かれたので、一応やっていけそうだとは伝えておいた。まだまだあっちの探検したいもんね。


 そのままおしゃべりしていたら結構時間が経っていて、慌てて家を出た。待ち合わせの時間には間に合ったけど、もう来てるかな?


 駅近くのファミレスの前まで来たら、タイミング良くメッセージの着信音がした。どうやら先に着いているらしい。私は急いでお店の中に入ると、奥の方の窓際で手を振っている友人を発見した。


「花ちゃん~!」


「里香ちゃん久しぶり~、元気だった?」


 友人の名前は藤原花ちゃん。中学の時の同級生だ。


 二年生で同じクラスになって仲良くなったけど、その後はクラスも分かれたし高校も別々で疎遠になった。だけど大学生の時にたまたま駅で再会してから連絡を取り合うようになり、遊ぶようになったんだよね。社会人になってからも一緒に旅行に行ったり、とても仲の良い気の合う友人だ。


 最近はお互い忙しかったこともあって会うのは一年半振りくらいかな。私達は久々の再会を喜び、そのままおしゃべりに突入しそうになったけど何とか留まって注文だけ先に済ますことにした。


 おお、秋の栗フェアやってる。モンブランが美味しそう。あ、パフェも良いなー。迷う。


 とりあえずスイーツとドリンクバーを注文して、各自飲み物を手元に確保。やっと心置きなく話が出来そう。お互いの近況報告とか話すことが沢山ある。聞いて聞いて~。



 それからはとにかく二人で話しまくった。私は最近の会社を辞めたこととか引っ越しの事くらいしか話すことがないと思ったけど、一年半分だからね。それなりに色々出てきてお互い話が終わらない終わらない。


 合間にパフェを食べながら、やっと落ち着いた時には二時間近く経っていた。びっくり。



 カフェラテをおかわりして一息。


 やっと一通り話し終わったところで私は花ちゃんへのお土産のことを思い出した。鞄から取り出そうとしたんだけど、おかしい。ないんだよね。いくら探しても見あたらない。ちゃんと持ってきたはずなのになぁ。


 私が首を捻っていると、やはりドリンクバーにお茶のおかわりを取りに行っていた花ちゃんが戻ってきた。


「どうしたの?」


 私の様子に花ちゃんが聞いてきた。


「うん、お土産を持ってきたつもりだったんだけど置いてきちゃったみたい。ごめんね」


 せっかく昨日買ったのに渡せなくてすごく残念だ。


 ちなみに花ちゃんの髪は最後に見た時よりかなり短くなっていた。肩より上のボブっぽい感じ。昨日最初に見ていたのが髪をまとめるタイプの髪留めだったので、そちらを買わなくて正解だったらしい。


 だけど良いなボブ。伸ばしっぱなしにしてるけど、私も髪切ろうかなぁ。花ちゃんみたいに似合うか分からないけど、切るならバッサリいきたいなと思う。


「えー、いいよいいよ。ありがとうね。どこか行ったの?」


「ううん、そういう訳じゃないんだけど、雑貨屋さんで可愛い猫の置物見つけてね。花ちゃん好きそうかなって思ったんだけど……今度会う時に持ってくるね」


「うん、楽しみにしてる」


 嬉しそうに笑う花ちゃんが可愛いです。今度は絶対に忘れないぞ。


 花ちゃんはこの後も時間は大丈夫と言うし、移動も面倒なのでこのまま夕食を取って話を続けることにした。長居してすみません。


 ハンバーグも食べたいし、ドリアも良いかも。サラダ注文する? わいわいと、だけどさっきよりは落ち着いて注文できたと思うよ。友達と食事って楽しいね。



 お互いの話が終わると、次は共通の知人の話が始まった。花ちゃんはずっと地元にいるので同級生達とは町中とかでもたまに会うらしい。


 誰それが結婚してもう子供が二人目とか聞くと本当に驚くよね。結婚ラッシュが数年前にあったけど、私も花ちゃんもみごとに乗り遅れている。花ちゃん可愛いのに。


 花ちゃんは私と違ってとってもおしゃれだ。今日も秋色コーディネートが素敵だし、母親にも見習えと言われてる。なので今度一緒に買い物に行って洋服見てもらおうかなとか思ってるくらいだ。


 その女子力高い花ちゃんがこの状況なんだよ。私なんかが結婚なんて無理じゃないかなって思う。ちょっと前までは仕事仕事で色々と他は後回しとか思ってたけど、あんまり本人にやる気もないし、その前の恋愛の時点で私にはもう無理だなって思う。


 その後は花ちゃんから、この婚活アプリがいいらしいとか、あそこの結婚相談所が良いなんてことを聞いたりもした。


 しかし、しゃべり過ぎてちょっと喉が痛い。



 さて、スイーツもご飯もしっかり食べて大満足。また近い内に会おうねと約束してこの日は解散することになった。


 花ちゃんにはもう少し家がちゃんとしたら遊びに来てねと言っておいた。さすがに扉の話はしなかったけど、これって話してよい案件なんだろうか。まだ両親にも確認してないし、帰ったらそれとなく聞いてみようと思ってる。


 うん、しかしよくしゃべったー。




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