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 エミール君とロイさん、二人が選んだ武器なんだけど、これは実はもらえる訳でない。「貸し出し」という事になっている。


 宝物庫に収蔵されている物は一応すべて国宝だ。なので「あげる」となると周囲が煩いらしく、私の腕輪はくれるらしいけど武器に関しては貸し出しという体裁をとるそうだ。


「どうせ宝物庫で埃をかぶっている物ばかりなんだから何を持っていっても構わない。だいたいダンジョンのアイテムなど使える者も限られるし使う場所も機会も少ない。有効活用出来るならその方がいいだろう」


 こんな感じで陛下からは気にせず使って欲しいと言われている。ただし、有事の際は力を貸して欲しいそうだ。あとダンジョン内はいいけど外で使うのはくれぐれも気を付けるようにとの事だった。


 改めてロイさんの解説を聞いたところ、ダンジョンのアイテム、特に武器などはそれなりに多く神力を使うそうで、神力が少ない人だと少し使っただけでも倒れてしまうんだとか。つまり非常に燃費が悪く、使える人が限られるというのはそういうことらしい。


 マリーエさんはもとから神力は多く剣の扱いにも慣れているので最初から使いこなしていたけど、これはかなり凄い事なんだって。なんだかみんな普通に振り回してたから知らなかったけど、エミール君もロイさんも、あと殿下も国内では非常に神力が豊富な人達らしい。


 でね、なんかみんな凄いんだなって感心していたら「リカ様もですよ」だって。あんな風に扉を使いまくってもまったく疲れたりしないし、杖や腕輪だって着けたままだしで私も神力が相当多いんだそうだ。へー、まったく実感がない。


 あとは武器に威力があり過ぎる事も問題らしい。領内や国内の紛争等で使うと一方的な蹂躙になってしまうし被害も大きくなるので使用は躊躇われるそうだし、他国に対しても今は争いも少なく相手を刺激したくないから使わないんだとか。まあそんな感じで使う場所を選ぶそうだ。


 でね、素朴な疑問。


「他の国はダンジョンの武器って持ってないの?」


 なんだか話を聞いていたらそんな雰囲気だったんだけど。


「うーん、武器がないというのはその通りなんですか、そもそもダンジョンがないんですよ」


 なんとダンジョンはフランメル特有のものらしい。他国で発見されたという話は聞いたことがないとロイさんは言っていて、じゃあ魔物もいないのかなと思ったらそれは出るらしい。なので魔物への対処は一苦労なんだとか。


 だからもし陛下が本気で他国と戦うと決めてダンジョン武器を総動員、なんてことになったら、かなり戦況は優位になるだろうとのことだった。もちろん武器だけでなく兵力とか合わせての話だけど、現在一番強い力を持ってるのがフランメルなのだそうで、それなのにちょっかいを掛けてくる国があるというのは……それだけこの国が魅力的なのとその国の指導者がちょとアレなんだろう、とのことだった。


 まあそんな事情もあり、ダンジョン武器はすぐに使用する機会がある訳でもない。だけど扱える人がいないとか、いざという時に使えないのも困るというのでそれなりに使用はされている。


 例えば騎士団長の炎の剣。あれも実は貸し出しだそうで、騎士団の場合はダンジョンの外で発生した魔物討伐に使用している。もちろんメルドラン以外の領にも貸し出し中らしいけど、よっぽど信用できる人限定とのことで、ダンジョン武器を所持=陛下からの信頼が厚い、という証なんだとか。まあダンジョン武器なんか持って反乱とかされたら大変そうだよねって思う。


 ……あれ、でもそうするとメルドランに武器がこんなに集まっていていいんだろうか。そう思ったらロイさんが「国盗り出来そうですねぇ」なんて問題発言するし。もうやめてよね、そういうの。


 だけどそう言ったら「興味ないですか?」だって。ないない、全然ない。大体さ、国とか治めるとなったら絶対大変だよね。なのに国盗りだとか国王の座を狙うとか、そういうのってなんで自分からそんな苦労をしようとするのかが分からないっていうか。


 権力持つってそれなりに責任が伴う訳で、根っからのサラリーマン気質で雇われてるのが気楽でいいと思ってる私なんかには到底理解できない行動だ。あ、別にサラリーマンに責任がないとかは思ってないからね。程度の問題ってことで。


 そんな話をしたらロイさんは何故か興味深そうに聞いていた。いやそんな大した話してないからね。私がただの社畜根性の持ち主だってだけだから。あ、なんか自分で言っててちょっとへこんできた。



 気を取り直して。


 エミール君とロイさんの武器が決まり、次はマリーエさんの番になった。


 だけどね、マリーエさんは最初は陛下の言葉に喜んでいたんだけど「やはり私は既にお借りしている武器がありますし……」とここで遠慮を始めた。なのでどうぞと言ってるんだから貰っておけばと話し、補助系のアイテムを見てみることにした。


 それで見つけたのが素早さが上がるアイテムと力が増すアイテム、あと体力アップなどだったんだけど、マリーエさんは迷わず「力」を取った。遠慮はやめたらしい。


 素早さには自信のあるマリーエさんだけど、やはり力技になるとどうしても競り負けるようで悔しい思いをしていたらしく「これで勝負になる」ってなにやらすごく嬉しそうだった。ちなみに相手は魔物ではなくて騎士団長だ。まあほどほどにして欲しい。


 選んだアイテムは指輪だった。補助系はほとんど装飾品で戦う時に邪魔じゃないのかなってつい思ってしまうんだけど、そこは問題ないとのことだった。



 さて、あとは……。


「アルクはどうするの?」


「必要ないが……リカが欲しい物があればそれにする」


 聞いたらそんな返事が返ってきた。えー、どうしよう。


 なにか便利アイテムあるかな、ということで管理人さんに相談したんだけど、なかなかこれはという物がなかった。残念。


 だけどダンジョンアイテムで力を増幅してくれる杖というのがあって、アルクが使うのに良さそうだったのでそれに決め、アルクも攻撃力をアップすることになった。


「ふむ、なかなか使い勝手が良さそうだ」


 アルクもちょっとご機嫌で、何か新しいことが出来そうだと言っていたので楽しみにしている。


 あとね、ヒナちゃんがダンジョンに行くならってことで、ヒナちゃん用のアイテムも貰えることになった。こちらはシュライデンで大変だった事へのお詫びもあるらしい。ただ本人がいないので選ぶのはまた今度ということになったんだけど、ここに連れて来たら喜びそうだなぁって思う。


 いやーそれにしてもお宝ザクザクだよね。これで装備もかなり強化されたけど、強化し過ぎのような気もする。それに攻撃力ばかりで防御はみんないいんだろうかってちょっと思うんだけど……。


 まあくれぐれも命大事に、でね。




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