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 さて、いよいよパーティー当日です。


 パーティーは夜なんだけど、何故か朝からデイルズ家にお邪魔中の私。


 流石に当日の午前中はダンジョンに行くこともなくゆっくり出来るかな、なんて思っていたらとんでもなかった。


 デイルズ家に着いた途端、何故か服を脱がされお風呂に入れられ髪を洗われ。終わったかと思ったらマッサージが始まり、沢山のメイドさんに寄ってたかってモミモミされて……。


 意識が飛んで気が付いた時には更に色々されていたけれど……恥ずかし過ぎてとても口に出せないです。仕上げに体中にオイルを塗りこまれて、これはもう完全にエステフルコースって感じだった。


 ほやほや~ってなりながら案内された部屋に入ったら、マリーエさんとリリーナさんも同じような状態でつやつやピカピカに仕上がっていた。


「パーティー前っていつもこんな感じなの?」


 質問したらマリーエさんは笑っていた。


「エミール様が手配して下さったんですよ。普通はここまで入念にはしないですね」


 そうなんだ。しかし何故にエミール君?


 その後は軽食を取ったり、着付けや髪、お化粧とそれはそれは念入りに丁寧に準備がされた。私はただ言われるままに大人しくしてるだけなんだけど、なんかもの凄く疲れた気分。


 あ、そう言えばポーション製の美容液を持ってきたので二人にも使ってもらった。もちろんエミール君に鑑定してもらって安全確認済。おかげで全員お肌はプルンプルンだ。


 エステしてくれた人に「売って下さい!」ってしつこく言われたけど、そうか、これ売れるのかってちょっとだけ思った。


 そしてやっと解放された私達。仕上がりは最高で私は二人の姿を見て大興奮してしまった。


 いやもうマリーエさん素敵すぎでしょ。元々美人さんだけど、磨かれてお化粧してあの衣装を着たらもう完璧。上品なのに色気まであって一目見たらこれは惚れるでしょうってレベルの完成度だった。私がべた褒めしたら恥ずかしがる様子まで可愛くてもう最高です。


 対してリリーナさんはシフォンのような布を沢山使ったふんわりした衣装。色は瞳の色と同じ水色だ。基本の形は私と似てるんだけど、生地が違うとだいぶ違う印象になる。とても女の子らしいデザインで、これまたリリーナさんにぴったりな守ってあげたくなるような可憐さだった。


「二人とも凄く素敵! 可愛いっ!!」


 はしゃぐ私に、二人は私のことも褒めてくれた。


「リカ様もとても素敵ですよ」


「お綺麗です!」


 二人に手を引かれ鏡の前に連れて行かれた。私はこの時初めて自分の姿を見たんだけど……。


「……誰これ?」


 なんかね、とっても清楚なお嬢様がいた。いや嘘でしょ、これが私?


 ニコニコ笑うマリーエさんとリリーナさん。周りにいるメイドさん達もみんなやり切った感満載の満足そうな顔をしていた。


 いやこれは凄いわ……いっつみらくる。



     ◇



 私達は馬車に乗って会場となるボーグ家へ向かう。婿を取るんだからデイルズ家主催なんじゃないのって思ったけど、力を誇示したいボーグ家は自分達主導でパーティーを開催したいらしい。


 本来だったら婚約者であるライナスが迎えにくるとかエスコートするのが常識だけど、そんなものは期待するだけ無駄。ということでマリーエさんは家族と一緒の馬車で家を出発していった。


 ここから私達は別行動だ。用意してもらった目立たない馬車で時間を空けて後から向かう。もちろんアルクも一緒だ。


 アルクは支度の出来た私を見るとそれはそれは褒めてくれて、いつも以上にご機嫌だった。私もアルクの横に立ってもおかしくないかなって思えてちょっと嬉しい。


 屋敷に着くとアルクがエスコートしてくれる。いつの間にかアルクの服の帯が青に変わっていて、私とお揃いになっているのに気付いた。これも嬉しいね。


 私達は招待状を渡して屋敷に入る。デイルズ家側の招待客だけど実は名前は適当。でも怪しまれることなく会場に案内してもらえた。ボーグ家の屋敷は立派だったけど内装は所々に成金趣味が出ていて、なんというかとても残念な感じだった。


 私達が到着したのは既にパーティーが始まって少し時間が経った頃だった。主催のボーグらしき男は招待客と談笑していたけど、その横にいる若い男は辺りをきょろきょろ伺って何やら落ち着かない様子だ。


 あれがライナスだろう。近くにロイさんもいる。


 初めて見たライナスは、顔はまあそこそこ整ってはいるんだけど目がちょっと吊り上がってすごく意地悪そうな感じがした。身長はあるけどひょろっとしていてなんだか頼りなさそうな感じだし、やっぱりあれが騎士っていうのは想像がつかない。


 今日は結婚発表なので、普通だったらライナスとマリーエさんが招待客に挨拶して迎えるものらしいけど、二人は一緒にいなかった。ボーグ家は目立つ場所に陣取っているけど、デイルズ家の人達は横の方で大人しくしている。


 様子のおかしい事にはみんな気が付いているけど、それを表立って口にする人はいない。招待客の中にはボーグがデイルズを騙したと知っている人もいるようだけど、表向きはボーグがデイルズの窮地を救い、その結果の婚約となっている。


 力関係はボーグが上であるとの認識はあるんだろう。ボーグ家のデイルズ家への扱いに眉をひそめながらも、客は祝辞と差しさわりのない話題でそれぞれ挨拶をしていた。


 私達は少し離れた場所から会場の様子を伺っている。


 ロイさんがライナスに近付き、何事かをささやいた。ライナスは頷いている。


 そろそろ動きがありそうな雰囲気だけど……さて、どうなることやら。




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