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弟が優秀すぎるから王国が滅ぶ  作者: 今井米 
テッテレー!!レベルが上がりました!
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第7話 なれーそめ

にこにこと笑いながらペルを見る。自分でも分かるくらい笑っているということは、ペルからみても相当なのだろう。僕の顔から背けるように顔を向けたペルは、ぼそぼそと照れを隠すように言葉を発する。


「まぁ、取り合えず。今でも感謝はしとるぞ坊。アラヤ人の奴隷市場をぶち壊してくれてなかったら、あの娘たちは今頃搾りつくされて酷い目に遭っていたじゃろうからな。」


「ふふふ、どういたしまして。」




ペルセポネ、もう長いからぺルで行くけど、ぺルはアラヤ人と言って一定の居住国を持たない特徴を持つ種族なんだ。流浪の民と言えばいいのかな、兎にも角にも国を渡り歩く遊牧民族。


そしてアラヤ人のもう一つの特徴としては知神の加護が強いこと。知神レドトンは文字通り智を司るとされ、その巫女にはぺルみたいに占いや鑑定と言った技能を持っている娘が多いんだよね。



だから隷属させて、無理矢理にでも自分の物にしようとする組織に狙われやすい。知識は財産。財産は富。莫大な知識を持つアラヤ人は上手に使えば金になる。そういう思惑でアラヤ人を攫い、市場で競売にかけるようなところも後が立たない。



そんな組織の一つを僕は叩き潰したんだ。


見つけたのは偶然だけど、潰せて本当に良かったよ。




「でもそのお礼だからと言ってあの時の僕に会おうとよく思ったね。」


「まぁ聞いておったのは噂だけじゃったからのぉ。」


さきも言ったけど、僕は王国の王子。そして5人兄弟の末弟だ。そんな第五王子である僕は、それはそれは複雑な環境でグルングルンに雁字搦めにされている。




平民でありながらも父の寵愛を独り占めした母。王位継承戦に祀り上げようとする貴族。そして僕を疎んで消そうとする王家の人間。急逝した母の喪服中に来た夥しい数の暗殺者。愚かな政策を自慢げに語る害悪と、憎々し気に僕を見る派閥の長達。



幼くしてそのことを理解した、いや、させられた(・・・・・)僕は、前世の記憶も相まってかなりやさぐれていた。スローライフやってやる!!王国なんざ滅んじまえ!!俺の人生なんだから国民なんて知るか!!てやつだ。




もう不良も真っ青な反抗期である。


そんなやさぐれボーイ一直線だった頃だろうか。僕はぺルに出会った。


自分の彼女への第一声は今でも覚えている。


「ペル、ペル。」


「ん、なんじゃ坊?」


きょとんとした顔で僕を見るペルを、僕は至って真面目な顔で見つめる。


「痴女さんですか?」



噴き出すペル。当時と1ミリも変わらない表情と台詞を吐いただけなんだが。



「…ぷぷぷ、そっくりじゃのう坊!」


「ぺルも反応が成長していないよ。」




あの時僕の言葉にも爆笑で返したぺルは、当時8歳だった僕の拙い言葉に惜しむことなく付き合ってくれて、僕の友人として相談に乗ってくれた。僕はそこからぺルの店に遊びに行き始めた。



正直8歳が遊びに行くところではないが、当時の頃から皆暖かく迎え入れてくれた。

・・・・店の子達は面白がっていただけなんだろうけど。




なにせ王国の裏表を束ねる一大派閥である自らの長が、幼気な少年ひっかけてきたんだからね。僕が店の子だったら店長を煽ってる。実際煽られていたし。




「それでも坊はきていたのぉ。。」




「まあ、その頃からペルが好きだったからね。」




僕がぺルに救われた理由は簡単、話を最後まで聞いてくれたから。どっかの少女漫画の王子様ぐらい我儘で浅薄な台詞ほざいているな僕。何様なんだよ僕。でもそれで恋に落ちちゃった。




そんなちょろするぎる理由で始まった恋だけれど、やっぱり僕はペルセポネが好きだ。


そんなペルと会わせてくれたくれたあの日を、僕を今でも感謝している。




「ペルにしてみれば、あの時僕に会いに来なければよかっただろうけど。」


「なぜじゃ?一族を助けた恩人に感謝を告げないなど、アラヤ人としての名が廃るぞ。」




「そのせいで僕に付きまとわれているんだけどね。」



第5王子という複雑な爆弾を抱えた人間を。



その言葉に眼をパチクリと瞬かせたぺル。そしてこてんと可愛らしく首を傾げて一言。




「別に良いじゃろ。どこも問題ないわい。」




あらイケメン。惚れ直しちゃいそうだ。






「店の女の子に『店長はついに少年愛ショタコンに目覚めたのか!?』て言われているけどね。」




「マジであやつらシバキ倒さないと分からんのか。。。」




それは嫌なのか。。。難しいなぁ。




「責めないでやってよ。彼女らは悪くないさ。」




「いやでものぉ。。流石にのぅ。。。」




「その噂広めたの僕だし。」




「何やっておるんじゃ坊!?」




いやだって外堀を埋めていこうと思うじゃん?ぺルがイエスとしか言えない状況にまで持ち込むのが普通じゃん?




その為の最善手がこれだったんだよ。




「それに僕としては、ぺルに感謝して貰わなくてもいいんだよね。」




「・・・・なぜじゃ?」




「だってぺルにあえたから。」




「・・・・坊。」




「これだけで十分なお礼だよ。」




それが、僕の偽らざる真摯な気持ち。




「それはキモいて言っておるのに何故言うのじゃ。。。。」




酷い。




結構勇気を出して言ったのに。


けどまぁ、前世の僕だって、13歳の少年に手を出している女性を見たら通報するだろうな。




あと、成人女性を口説いている13歳を見たらビビる。恋愛対象として見るとかじゃなくて、ただただビビる。




「恋愛って難しいなぁ。。。。」




「坊。。。。」




なにさその残念な子を見るような目は?

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