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弟が優秀すぎるから王国が滅ぶ  作者: 今井米 
新章開始!!ここは短編じゃないとこだよ!
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第19話 バトル展開

「悪いけど、実力行使も辞さないわよ。」


母上は勝ち誇ったような顔を…いやいつも通りの顔ね。いつも通りの自信満々な顔で私に話しかける。


「それなら私もそれなりの抵抗をさせて貰いますが…。」


「ふっ、諦めなさい。貴方達の腕っぷしは大したことない筈よ。そうするように指南役に伝えてきたからね。私が雇ったプロには勝ち目ないわ。」



その言葉に私とスリーは苦笑い。

その手抜き訓練でも十分辛かったんですけど。もしかして間接的に才能無い、て言われてる?



にしてもプロを雇って強硬手段、ねぇ。。。


「プロってことは暗殺者?」


ならクソ兄の管轄内だ。



「いえ、S級冒険者よ。」




…そっちかぁ。

S級冒険者とまともに戦えるの人間って少ないよなぁ。普段からモンスター相手に戦っている人間だからか、対人戦のセオリーが通用しないものが多いのよね。


「‥‥一応聞くけど、それってどんな人?」




スリーが無邪気な顔で尋ねると、母上は待っていましたと言わんばかりに自慢げな顔で手を叩く。



それはまるで玩具を披露する幼児のよう。




「特別に見せてあげるわ。私の食客をね!!」




母上の声と拍手を皮切りに、母上の影が歪な形へと変貌する。広く、長く、大きく、より黒く。それは少しづつ形を変えていったかと思うと、最終的には扉のような形になる。



「来なさいガドー。」




ギギギと門が開くような音と共に扉が開き、中から人の顔が。




「お呼びですか?」




「うわ!?」



スリーと違って声には出さなかったけど私も驚いた。

・・・・不法侵入じゃん。



「貴方達でも知っているでしょう?『黒の門番』よ。」




『黒の門番』。通称『門番のガドー』。異常性群体侵攻(スタンピード)から王都を守り、王国では五指入る実力者。



「どう?私が直々に口説いて手駒にしたのよ。こいつだけで騎士団の一翼を担えるわ。」



母上の自慢げな顔に、兄上が口を開く。



「裏切りの心配は?」



「誓約書があるからされたとしても無問題。」



成程、母上が自信満々なわけだ。




「彼は手加減できないらしいし、貴方達も痛い目に遭いたくないでしょ?」




冒険者も配置済み。しかも王宮に易々と侵入している所を見せることで、私達の警備は意味はないという牽制も兼ねていると。


準備万端ね。


無言で兄上を見ると、慌てて目を逸らす兄上。クソチキンめ。

その様子を満足気に見る母上に腹が立つが、打つ手が無いというのが現状だ。



「勝ち目の無い戦いはしたくないでしょ?子供を犯罪に巻き込むというわけでも無いし、差し出すことで報酬も渡すし、損得勘定がまともに働く人間ならどっちが得かなんて判断できる筈よ。」



勝利を確信しているからか、普段より饒舌に話す母は、余裕の笑みを浮かべながらワインを口に運ぶ。



「さあ、私のいう事を聞きなさい子供達よ。」



はぁ。そっかぁ。



「‥‥だそうよシェードさん。」


「舐めた真似してくれますね。最近の賊はホイホイ警備を抜けて私らがどれだけ影長からネチネチ嫌味を言われているのか分かっています?それなのに侵入者に屈しろと?冗談じゃありません。」



私は稀に見るシェードさんのガチギレにビビりながらも母上を見る。



「だってさ母上。どうやら私の護衛はガドーに負ける気はしないそうよ。」



キレてる人間の火に油を注ぐような真似はしたくないわ。だから残念ながら母上の要請には答えられないのよね。



私の返答が意外だったのか、一瞬だけ顔を顰めた母だったが直ぐに白けた顔で私を見る。本当に、つまらなさうな顔。




「そう。。。貴方なら理解してくれると私は信じていたんだけどね。」


「それならガドーを連れてこないでしょ。矛盾してま」


「殺しなさい。」




ちょっと!?躊躇無し!?



てかどこ行ったガドー!!




次の瞬間。私の真後ろに立ったガドーがシェードの首をはね飛ばし。




「降参!!」




スリーは投降し。(マジであいつは後でぶん殴る。)




「『沈黙(サイレンス)』」




範囲内に入ったガドーは魔術を封じられ。




「ドカンってな」




母上の胸から鮮血が舞った。




「な!?」




驚くガドー。




しかし流石はS級冒険者というべきか。




動揺からコンマ数秒で立ち直り魔術を使えない状況を把握したかと思うと、私の顔を強かに殴りつけようとする。



十字ガ-…あ、無理ねコレ。



「ブペェ!!」




咄嗟に両腕で顔を庇うも、腕ごと体が吹き飛び体を壁に打ち付ける。机の上に置いてあった装飾品も地面に散らばり、皿はけたたましい音とともに割れていく。




「いったぁい。。。レディーになんてことするのよ。」



女蜘蛛の鋼糸で編んだドレスのお陰で衝撃からは無事…いや痛いわ。


モロにパンチを喰らった腕は感覚的に骨折確定。庇った顔からは軋む音が聞こえた。罅だけだといいのだけど眼球周辺の頭蓋骨が折れていたら面倒ね。



「驚いたな。。。。」



そしてかよわい私をぶん殴った糞野郎は、いけしゃあしゃあと驚いた顔で私を見ている。



「先ほどのガードもそうだが、戦闘慣れしすぎてないか?受け身もその立ち直りも、温室育ちの人間の動きじゃなかったぞ。」




「うるせえ禿げ。こっち見んな訴えるぞ変態。」



突然の罵詈雑言に面食らった顔をするガドー。


ふ、ざまぁ。いつだって少女の言葉はオッサンにとって凶器なのだ。


さて。



こっからどうしよう。



私は暴力担当じゃないんだよなぁ。。。



取り合えず。



「母さん!!母さん!!」



降参した癖に魔道具使って母上を斬り付けて。


その上でいけしゃあしゃあと母上を心配するフリをしているクソ男がいます。


コレは100発殴っても許されるわよね??

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