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弟が優秀すぎるから王国が滅ぶ  作者: 今井米 
新章開始!!ここは短編じゃないとこだよ!
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第4話 矛盾矛盾

王国では条件を満たさなければ王になれない。これは王族ですら弄れない絶対のルール。




王霊議会で議席を所有する貴族の5分の3以上の支持、かつ王国学園で必要科目を履修。そして単位を取った人間の過半数から、『私は、xxxが王になることに同意します。』的な書類を貰うんだ。これが達成した瞬間にそいつは王になれる。


当然無能は篩い(ふるい)落とされ、優秀な人間のみが生き残る。


こういう実力者が王になれる制度のおかげで王国は大国として大陸でデカい顔できるんだよね。




といってもこの制度が完璧なわけなく。。。




「駄目なら参加したくなかったなぁ。。」


「仕方ないでしょう、強制なんですから。」


「そうなんだよねぇ。。」




この制度のクソな点は二つある。一つは継承者に拒否権はないこと。俺と妹のフォーなんかは別に継承戦なんかに参戦せんでいいって言っているのに資格を得てしまったもんだから継承戦に参加せざるをえない。



ええやん棄権しても。なんで強制やねん。せめて降参とかないの?



ファイーブは継承戦に参加しないなんて表明しているけど、そもそも無理なんだ。俺とフォーも参加しないて言ってるけど、厳密には参加してる。


どうせ参加するだろファイーブはって思われているけどね。俺もそう思うね。というか参加資格を得ないっていう手はあるにはあるけどその場合は政治干渉権限が固定されるからね。



デメリットの方が大きいんだ。


「面倒なのは、参戦者を削ろうとする人間だよね…。」


「ええ。こちらは棄権できませんし、私達は標的としてロックオンされているでしょうね。」



フォーのうんざりした表情を見て、俺は察する。


「‥‥やっぱり暗殺者の数とか増えている?」


「ええ、なりふり構っていられないのか、不利有利問わず特攻してきますね。ローズぐらいですよ、命乞いしてきた奴なんて。」



「私はこの選択を後悔してないっすよ。」


「…それはいい事だね。命の無駄使いは避けるべきだよ。」


自信満々に言うローズ。刺客の全員がローズみたいな奴だったらなぁ。見せしめを設置するだけで皆退散してくれるだろうに。



「それ貴族達に言ってきたらどうです?」



「命大事に、暗殺ダメ、絶対って?無理でしょ。同意書書かせるより殺す方が遥かに簡単だもの。この勢いは暫く減らないよ。」



継承戦のもう一つの欠点。それは間引きを規制していないこと。


例えば今の現状を考えてみよう。継承者は、ワーン兄上、ツー姉上、俺、フォーの四人。この中で2人以上の人間から同意書をゲッツした人間が次期王する資格を得る。俺は既にワーン兄上に同意した。




フォーは誰にも同意しないって言っているし、ツー姉上はもう同意する相手を決めているから膠着状態。




じゃあ、誰も王に継承戦終わらないじゃんって話だが、さっきも言った通り抜け道が乱用される。例えばワーン兄上以外全員が死んでしまえば?一人から同意書を得ている兄上は条件を満たし王になれる。




フォーとか逆に殺し返していそう。それで嫌々国王になってそうだ。




話が逸れたね。



けどまあ、そういうわけなんだ。


もう票取りなんでめんどいから皆殺ししちゃえば全部解決なんだよね。



例年の王位継承戦が血みどろのサバイバル戦になる由縁はこれにあると言ってもいい。そもそも王位継承戦のル-ル自体が殺しを前提としているんだよね。



そしてそれをするのが王族だけじゃないって言うのがこれまたクソ。王族に恩を売るだとか、役に立つだとか意味分からんような理由で率先的に殺しに来る奴がいるんだよね。



王室侮辱罪とか不敬罪とかそういう概念が皆の頭からまるっと抜けちゃう。


この中で殺されずに生き残った王子こそが覇王の器を持つってことなんだろうけど、当事者としちゃあ迷惑極まりないな。




「まあ、今回はフォーの陰でそういう動きは減ったよね。あそこまでのパフォーマンスをしてくれたお陰で、皆喜んでくれたようだよ。」



「いえいえ。私がしたのは只の法律順守。父上が使える人間を友としてくれたお陰です。」




俺の言葉ににっこり淑女の笑みで返すフォー。



…怖。こういう所が恐れられる所以だよ。シェードちゃんですら顔引き攣らせている。でも感謝はしている。


エナンチオマー侯爵への処遇を見て、それ相応の覚悟が無い奴は日和って刺客を送らなくなった。お陰様でかなり楽になった。でもアレはヤバいよね。ドン引きだわ。



「‥‥ある。。よ。」



俺とシェードちゃんがドン引きしていると、その空気に反するように明るい声が発せられる。少女特有の、高い声。




「我が国にも、あるよ。」




サーシャ様だ。


サーシャ様の声に反応したのはフォー。キョトンとした顔でフォーはサーシャ様に話しかける。


「あるって…王位継承戦がですか?」



「うん、王国ほどややこしいルールは無いけれど、長は決闘で決めるの。」



流石武力至上主義の国。シンプルだ。大体暴力で解決できるという枕詞を持つ獣国は伊達じゃねえ。


しかし決闘で決めるのか…。


「そっちの方が楽そうでいいなぁ。というかクソすぎるんだよね継承戦が。」


勝っても遺恨を持つ貴族と対峙しなきゃいけないしさ。


「でも獣国のルールを適用すると、ウチの国なら影長が国王になっちゃいますけどね。」


「マジかよ最高だな継承戦。」



ありがとうフォー。全く気付かなかったわ。


影長が国王なんて毎日がマッドな実験生活じゃん。エブリデイ人体実験だ。嫌すぎる。



俺の180°違う意見を聞いて溜息を吐いたフォーは、呆れたように首を振りながらサーシャ様の頭を撫でる。それに気持ちよさそうに応えるサーシャ様。




「ん。。これ好き」


見てるだけならじゃれ合っている姉妹。でも先月までサーシャ様が義母になる予定だったんだよなぁ。。




13歳の母の頭を愛撫する18歳の娘。




字面が凄い。




「ありがとうございますサーシャ様。」




「私、役に立った?」



「ええ。貴重な意見を聞けました。」



気持ちよさそうに目を細めるサーシャ様を見て、微笑ましいものを見るかのように顔をほころばせるフォー。


なお、『サーシャ様』を『母』にして『フォー』を『娘』にすればまた犯罪臭漂う字面の完成だ。







サーシャ様は御年9歳。何でも獣国と王国との友好の印だとかで嫁いできて、義母になる予定だった人。






でもやっぱりさ、無理だよね。








だって9歳だよ?9歳のお母さんとかちょっと俺の倫理観がね。。アウトだよね。

てなわけで粘りまくって婚姻を破棄してもらった。





彼女は9歳っていうのもあってあんまり王国について詳しくないんだよね。逆もまた然りで、俺等も獣国について何もしらない。だから俺等としても対応が難しいわけ。








幸いなことにサーシャ様はフォーに懐いているから、フォーを介してゆっくりと情報を得れば、て話に落ち着いた。






因みに俺には懐いてくれない。いや、嫌われてはいないよ?そういう訳ではなさそうだが、フォーに比べると懐かれてはいないようだ。




べ、べつに羨ましくはないんだからね。




「‥フォーは人にしか(・・・)好かれないからね。(ボソッ)」




「いま何つったカス。」



!?



振り返ればそこには般若のような表情をしたフォー。めっちゃ怒ってる。額に青筋立ててるもん。聞こえてたの!?小声だったのに!




「どれだけ気にしているの。。。」




「はぁ?気にしてませんし。気にしてないどころか寧ろこっちから願い下げというかですね、別に畜生どもに吼えられようと嫌われようと噛み付かれようと私の心は鋼鉄の如く全く揺るぎませんから。人間たる私が、四足歩行で歌いも喋れもしない下等生物に懐かれないからと言って悲しむわけありませんよね。というよりかは、あんな下等生物に懐かれて頬を緩める人間の正気を疑いますよ。というかああいう生物は裸なんですよ?全裸ですよ?全裸の人間にすり寄られて嬉しいですか?嬉しくないですよね?そう、それと同じで私は動物に嫌われても全く嫌ではございません。寧ろ嬉しいです。変態が自分から遠のいてくれるわけですからね。まったくスリー兄上は分かっていませんようなので言っておきますけど、どれだけ敵意に満ちた威嚇をされても私は寧ろ奴らに憐みさえ感じてしまいますね。どっちかというとそんなことで一喜一憂する兄上の方が私にとっては情けないというか、そもそも人にすら好かれていない兄上に言われてもダメージゼロっていうか?冷静に考えてみれば分かるように私にとって動物と触れ合う時間なんて1週間で1時間にも満ちませんからね。ということは論理的に考えてみれば私の全人生の中で10%にも満たないわけで、つまりは私の人生にとって動物は無関係な事案なんですよね、この意味分かります?私は決して気にしていないんですよ。」






ご、ごめんよフォー。。。。

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誤字脱字の指摘も是非、お願いします。

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