表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弟が優秀すぎるから王国が滅ぶ  作者: 今井米 
実兄怖いし嫌い
35/200

第23話 えええ。

その後一時間ほどの裁判官の判決を待つのみだ。まあ結果は分かり切っているけどね。




当然全部容認された。つまりは私の要求が全て合法化されたわけだ。


「そ、そんな。。。」


「ん?ああ、あの子いたの。」


「‥‥ファイーブ様に言って連れて行って貰ったようです。」


「あらそう。…ははは、それにしてもエルフの王女サマ顔真っ青。」


私の言ったことに現実味を感じてくれたのかな?それだと今後の話がスムーズになって嬉しいわ。



一応言わせてもらいますけども。。。王族狙った奴は慈悲アリで即打首だから。慈悲ナシの拷問しても許されるからね。でも私は、拷問の許可まで裁判を通して得ようとしているの。私偉くない!?ここまでしているの私だけだよ。兄上も姉上も、なんならファイーブも。私刑だからね。裁判通してないからね。



さて。なぜこんなことを私はしたのか。

理由は当然見せしめだよね。




中立保っていただけだと難癖つけて襲ってくる奴が出てくる。だから今後同じような事する輩が来ない様に。平和を脅かすマジキチが来ないようにじっくりゆっくり処刑する様を見せてあげるの。




ふふふふふふふふふふふふふふふふ。




何かワクワクしてきたね。




というわけで、、








フォーの愉快な拷問演舞が、、、








はっじまるよー。








とうぜん、だれも目を反らしちゃだめだよ?




「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



そうして侯爵は、声にもならない悲鳴と共に、息を引き取ったのでした。



多大な数の血族を巻き込んで。



ああ、なんて傍迷惑な人。


素直に自決でもしてればよかったのに。


大事な人も犠牲にしなきゃ死ねないなんてなんて我儘な人なのかしら。








「なんなのだあれは!!」






拷問とその家族を丸ごと宣言通り(・・・・)に処刑してやったら父王に怒鳴られた。父王以外にも兄上、姉上、実兄、愚弟、第一王妃と第二王妃もいる。王家勢揃いだ。




父王激おこぷんぷん丸だわ。はははウケる。



「何が可笑しい!!」



「は、父上。先の疑問にお答えするのであれば、平和の礎を築いておりました。」


「黙れ!!」


正直に答えたらもっと怒鳴られた。意味が分からない。


「…なぜ怒るのですか父上?」


「平和の礎だと…!あれがか…!!」


ふむ…。なんと答えるべきか…。いや素直の答えるか。


「はい。あの処刑により人々はより罪に対して嫌悪感を抱くでしょう。それゆえ彼等は罪を犯さなくなることが期待できます。これはいわば抑止力を生成するための神聖な儀式ですね。」



「ふざけるな!!あれで平和が為されるものか!!あんなものは只の私怨に満ちた悪趣味な私刑ではないか!!」



「はい。その通りですよ。」




「いいや違うあれは私刑だ!・・・・は?」


呆然とし、耳を疑うような表情をする父上。その顔面白いね。


「父上が御自身の台詞に酔って私の話を聞いていらっしゃらなかったようなので。もう一度言いましょうか?」




皮肉たっぷりに言ってやると顔を真っ赤にした父王。



「我が友人を無慈悲にも処刑し、その家族までをも凶悪な手口で殺害した理由は何だ!私刑というなら何の恨みがあってあのような暴挙に出た!」



ふふふふふ、だからね。



「それが目的なのですよ?」



「は?」



ふむ。どうやら父上と私には認識の齟齬が見られるね。これはいけない。今すぐ修正せねば。勿論対話で。私は法に則てしか暴力を振るわない理性的な人間だからね。



「私の平和を脅かす奴は例え父の友人だろうと、地を這う虫よりも惨めに殺し、その家族を目の前で塵の如く無様に晒し、身に覚えに無い罪を着せられる可能性がある。そしてどれだけ残虐で『私怨に満ちた悪趣味な私刑』であっても裁判で許可されるということを、全貴族に知って頂きたくあのような処刑を行った次第です。」



「・・・・・・」



「そう考えると今回のエナンチオマー侯爵が私を襲ってくれたのは好都合でしたね。父王の親友ですらああなるのだから、そうでない貴族は増々震え上がりますね。」




「・・・・どういう意味だ。」




「彼でなければ、父上の親友でなければ、私が本気だという事が伝わらなかったでしょう。」




「・・・だから何が言いたい。」



あれ、分からない??



「有難うございます父上。彼と親友でいてくれて私の目的は理想的な形で達成されました。さっすが父上!使える友人(・・・・・)をお持ちで!」




「ふざけるな!!」




説明責任は十分果たしたはずなのだけれど。これ以上は自分で考えて欲しいよね。

でも私は優しいから教えてあげる。





「父上、彼は犯罪者。咎人ですよ?貴族令第3条、『貴族は気高く、そして王家に絶対の中世を誓うべし。』これを彼は破りました。他にも第6条、第11条、第22条を。加えて王国裁憲2条、5条4項。17条8項に照らし合わせるなら私の行ったことは何ら違憲性が無い筈では?それに私は王国裁憲12条5項で保障された権限を、法に忠実な裁判に委ねた。十分父上に配慮していますが?」




勿論そんなことは無い。ていうかあの処刑方法で父上に配慮しているのだったら、エナンチオマーはどれだけの罪深い人間なんだ、て話よ。



けど裁判を通した、ていうのは対外的には誠意を尽くした、と捉えることが出来るのよ。どれだけそう見えなくともね。




「もういい!お前の身分を剥奪する!二度と王家としての名を出すな!」






「無理ですよ。王族の身分剥奪には王霊議会で過半数の同意が必要です。けどその前にまだ決めていない議題があるでしょう?それが終わらない限り次の議題には移れませんよ。」




終わっていない議題とは勿論、王位継承についてだ。



恐らくあと4年はこれが解決することはない。だから私への議題も4年ぐらい先だね、イェイ!




・・・ていうかこんなことで身分剥奪できんよ。どれにも違反していないし、裁判で合法になったんだから。




「それにホラ、一概に死んだとは言えませんよ?」




「なに?」




父上の目に希望の光が灯る。おお、良かった。話を聞いてくれる気になったようね。




「『我々の心の中で生き続けています』ていうでしょう?きっと父上の胸の中で生きてますよ!!つまりエナンチオマー侯爵は生きています!あなたの心の中で!」




「・・・・・・・それを死んだと言うんだよ。」




兄上シッ!そういうのは思っても言わないの!父上が傷ついちゃうでしょうが!






「‥‥クソ!!!この平和狂いが!!」




すっごい三下みたいな台詞を吐いた立ち去ったけどそれでいいの?アンタ国王だよね。











それにしても平和狂いか。結構なことだ。寧ろ私への頌辞(しょうじ)である。




平和を愛する。それこそが私への賛辞。正義に狂う姉よりも、王位に狂う兄よりも、愛に狂う実兄よりも、力に狂わされた愚弟よりも、平和に狂う方がずっといい。





なにせ、平和だからね。





この世で最も大切な物なのだから。











冒頭で言ったと思うけど、今週の刺客は12人だった。エナンチオマー侯爵が派遣した分を除くと後7人いるということになる。




・・・なんとか処理しないと






次の日。七人の貴族が死んだ。






風の噂によると自害したらしい。






きっと生きるのに疲れたんだろうね。可哀そうに。あの世でゆっくりお休み。








次の週から私に送られる刺客はいなくなり、文官へ無茶な要求を通す者や、悪質な勧誘をするものはパタリと消えた。






ハッピィーエンドォ!!!






・・・だと良かったよね。






一ヶ月後。母が増えましたマル

____________________________________________________



皆さまの感想、意見、アドバイスお待ちしております。

誤字脱字の指摘も是非、お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ