第21話 されどシスコンは悪魔のように
11月25日
ツー様のご勧誘を二度も蹴ったあの下物は、今日もまたツー様に呼ばれた。
一体何故ツー様はあのような者に目をかけるのか。
我々に声を掛けて頂ければ手となり足となるというのに、あのような無能に目を掛ける理由が分からない。
あの下衆はツー様の厚意に甘えているだけの自堕落な金食い虫。我らが処分してさしあげなければ。
なに、害虫駆除ならお手のもの。
全てはツー様の為に。
「うひゃー、やってますねぇ。。。」
11月25日
ツー様の勧誘を二度も蹴ったあの女は許さない。あの貧民どもは、今日もまた騎士団の行軍を見に来た。あのような汚らわしい存在の視界に入れるだけで、ツー様は穢れてしまう。
一体何故ツー様はあのような者にも声をかけるのか。
我々に声を掛けて頂ければ手となり足となるというのに、あのような無能に目を掛ける理由が分からない。そうだ、我々で殺してやればいいのだ。
あの下衆はツー様の厚意に甘えているだけの自堕落な金食い虫。私が処分してあげねば。国の為にもなる。そうだ、最近密輸した薬物の効果を試してみよう。
なに、害虫駆除ならお手のもの。それに加えて実験の検体となれるのだ。若いうちからそのようなことができるのなら、本人にとっても光栄だろう。
全てはツー様の為に。
「これでよし、と。」
11月27日 報告書
現在ツー様を侮辱した罪深い女を殺すべく暗殺者数体を派遣。その中でツー様もあの女も同じ王族だとほざいた裏切り者がいたので殺害。遺体は森に遺棄した。今回の派遣での失敗は許されない。すでに『毒手』まで登場した以上、仕留めなくては教育に支障が出る。このことを鑑みると、『黒斧』の派遣すらも視野に入れておくべきだろう。我々の中で最もツー様に近しい人間なのだから。教育においては、今月で五つ目の失敗作が出た。また募集をかけなくては。カジノという設定は定員の集まりにこれ以上なく役立っているが、これが長続きするとは思えない。また別の物語を作るべきであるだろう。
それでは。
「これ、報告書っていうより感想文じゃないですかね。。。」
11月27日 報告書
現在ツー様を侮辱した罪深い子供たちをを殺すべく暗殺者数体を孤児狩りとして派遣。また、ツー様の贈り物である武器を見繕うため、鍛冶屋を襲撃。ツー様に捧げる武具など無いとほざいた人間がいたので殺害。遺体は森に遺棄した。今回の派遣での失敗は許されない。すでに7つ目の店まで強奪した。もうそろそろ足が付く。このことを鑑みると、『黒斧』の派遣すらも視野に入れておくべきだろう。我々の中で最もツー様に近しい人間なのだから。投薬実験においては、今月で五つ目の失敗作が出た。また人体実験の募集をかけなくては。カジノという設定はこれ以上なくモルモットの集まりに役立っているが、これが長続きするとは思えない。また別の物語を作るべきであるだろう。
それでは。
「うー。これぐらいでいいですかね。」
「いいんじゃない。改竄しすぎると怪しまれちゃうわ。」
「にしてもよくこんなの思いつきますよね。」
「あいつはそういう人間だからね。」
誰得設定
ある男の助言
「ん?フォー?どうしたんだいこんな時間に?まるで誰かに暗殺されそうになったみたじゃないか!!」
「ははは、そんな怖い目で見ないでよ。兄ちゃん泣いちゃうよ。」
「あ、そうそう。シェードちゃんは筆跡模倣の基礎訓練を受けているよね?そうそう、その影長が教える講義。それ使ってさ、証拠を改竄できるんじゃない?」
「なになに、することなんて簡単さ。ある男の手記の内容を極悪人の屑の手記に変えるだけさ。ぱぱー、と済むでしょ。10分もかからないんじゃないかな?」
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