第14話 置いてくよ。✓
「それで、結局私はどうするので?」
「うーん、どうしようか。」
シェードはどうしようかなぁ。。
「うぅ…!!」
と思ったら突然サーシャ様がしゃがみこんだ!?どこか具合が悪い?食あたりか?毒か?…あのクッキーか!?
「シェード!!アナタ、一体あのクッキーになにを「うぐ、ひぐ、私、フォー様と離れたくないよぉ。。。」…えぇぇ。」
悲しくて泣いているだけだった。
後ろを見れば冷たい目をしているシェードが腕を組んで私を見ている。
「フォー様?私がどうかしましたか?」
「‥‥美味しいクッキーだったわよ。」
「いや嘘ですよね?思いっきり私のことを疑ってましたよね?」
「ソ、ソンナコトナイヨ?」
毒物を含んでいたんだななんて思ってもいない。ええ、これっぽちも思っていませんでしたとも。
「うぇぇーーん!!!!!」
私の嘘に反応するようにサーシャ様が堰をきったように大声で鳴き喚く。
「うっわフォー様最低。サーシャ様泣かせるなんて。」
「うるさいわねシェード。‥‥ごめんなさいねサーシャ様。」
「フォー様がいなくなるの嫌だぁ。。。!!」
「そういわれても。。。どうしたらいいの?」
初めての事態にウロウロしてしまうが、その間にボロボロと涙を流すサーシャ様。
どうしよう。泣いた子供の世話なんてしたことないよ。
子供の世話、と言えば…。私は慌てて第一王妃を見る。
「インク様?」
「私に乳母の真似事は無理よ。」
つかえないわね。何で自慢げなんだが。
「シェード?」
「頼まれましたよ。」
流石ね。
シェードは慣れた手つきでサーシャ様の涙を拭き、そのまま抱きかかえる。
そう言えばこいつ幼い私を世話していたんだっけ。やっぱり影て便利よね。頼りになる。
「後でこの件はフォー様とゆっくり話し合いましょうね。行きましょうサーシャ様。」
シェードがサーシャ様を連れて隣の部屋へ行く。
…本当に頼りになるわね。
シェードとサーシャ様が隣室に行き、姿が完全にみえなくなった。つまり今私の部屋にいるのはロンロン様、インク様、アレックス皇子、私の四人。
突然のサーシャ様大号泣に皆さまなんとも言えない顔をしているが、その沈黙を破るべく私は口を開く。
「‥‥さて皆さま、ここからが本題です。」
「「「え?」」」
「いえ、ですから。ここからが本題です。」
その為に全員を同じ部屋に集めたのだ。
「何故今?」
「何分サーシャ様がいては話をしにくいことだったので。」
まさか泣くとは思わなかったが。けれど予定道り退出して頂けたのは喜ばしい。
「サーシャ様が泣くのを知っていてあの話をしたのね。。。」
「なんという外道。。。」
「人としての心を置き去ってしまったのか。。」
失礼な人達だな!?私だって泣くとは思っていませんでしたよ!!
「それで!本題に!!移りますが!!宜しいですね!!」
私は近くの資料から王国貴族のリストを取り出す。
これには王国貴族の名前と職、派閥や主義思想などがメモされており、ところどころ紅い×がついてえる。
名前の上に紅い×で書かれているのはこの世からお亡くなりになってしまった人達だ。尊い命が失われて悔やまれるわね。
そんなどうでもいいことは置いといて。
リストを広げ、皆の視線がリストに集まるのを感じながら私は話を進める。
「まず中立派閥におけるサーシャ様の敵は不幸な事故に遭い、皆いなくなっています。」
「‥‥うん、そうね。」
なんですかその何とも言えない表情は?
「インク様、何か質問でも?」
「いや、確かに中立派閥で自殺したり、政界を退出したり。逆に族に襲われて逝去する貴族が相次い時期があったけれど、そういう理由だったとはね。」
「失礼な。それではまるで私が嵌めたみたいではないですか。彼等は不幸な事故にあっただけというのに。」
借金に苦しんで首吊りとか、野盗に襲われたとか、毒キノコを食べたとか、雇った暗殺者が寝返ったとか、階段から突き落…コホン、脚を滑らせたとか。全て不幸な事故だ。
「ウン、ソウネ。。。それで、中立派閥以外の反獣人主義も処理するの?」
「いいえ。あとあれは全て不幸な事故です。私が主犯みたいに言わないでください。」
私はそこまで過保護では無いので、中立派閥内の人事ケアのみしかしない。中立派閥以外での反獣人派、つまりⅡ型純人を差別する人々は、自分で対処なさってもらう。
「それではどうするのだ?てっきり外部の掃除を頼まれるのかと思ったが。」
「ええ、アレックス皇子。それを説明するにはですね、まず獣国から何故サーシャ様が嫁いできたのかということから離さなければいけません。」
「王国と獣国の友好の証ではないのか?」
その疑問はごもっとも。そういう風に公表したからね。
だがしかし、だ。
「それだけではないのですよ。ということでインク様。ご説明お願いします。」
予想外だったのか、目をパチクリさせるインク様。
二たび目をパチパチさせてから、インク様は私の顔を見る。
「私?」
「ええ。」
「フォーちゃんは知らないの?」
「知ってますよ。けれどインク様の方が私よりもよっぽど詳しいでしょう?」
なにせ政務の元トップだ。小娘の私よりそういう事情に対する情報は持っている筈。
私の言葉に気をよくしたのか、満更でもない顔で語り始める。頼られて嬉しいんだね。
「仕方ないね。よく聞いてなさいよ。」
「私はある程度知っているので、帝国のお二人に言って下さいね。」
「「「・・・・・。」」」
だから何ですかその目は?




