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第17話 反省と振り返り

それにしても、本当に危なかった。


今回私が勝てた理由としては『王宮というバトルフィールド』、『王族と言う身体機能』、そして『賢者の油断』。このどれか一つでも欠けていたら負けていた。


特に『賢者の油断』だな。これは大きい。もしこれが戦場とかいう常に警戒心maxの場所であったなら、大気中の聖銀濃度を嗅ぎ分けられていただろう。そうなれば風魔術で銀気は取り除かれていた。


というか最初のスピーチは何の布石だったんだ?

私は銀気を散布できたからいいとして、賢者には一体何の得が…まさか本当に話したかっただけか?



まあいっか。


それにしても王宮は本当にいい場所だな。野外とは格段に違う。


インに聞いた話では『王族以外から微量の魔力を吸って王族に供給する』のと『王族への回復・強化バフ』がついているのだっけか。道理で動きやすかったわけだ。


あれが無ければ障壁で紅矢は防げず、体を貫いていただろうな。



こういうギリギリの戦いをするとフォーの言葉を思い出す。


あの『王族は環境と才能が確保された生物だね』というやつだ。王族だからこそ多量の聖銀を確保できたし、王宮で有利に戦えた。


王族と言う職務は本当に大変で、それを軽々とこなす母上や宰相を見ると泣きそうになる。


けれど。それでもだ。


まがりなりにも賢者に勝てたのは、王族だからにすぎない。


「本当に、本当に、王族に生まれてよかった。」





さて、現実を見ようか。





丁度下半身をミンチにし終わったところだ。もう辞めたい。







そりゃあそうだ。皮、血管、骨、筋肉。こんなにも切りにくいものをミンチにするのだ。しかもデカい。これが掌サイズなら頑張れるが、全身て。。。。寧ろ下半身までよく頑張ったな私。




腰に差した剣も血と肉と油でなまくら同然。これ、かなり値の張るものだったんだがなぁ。。




…スリーやフォーはやっぱり変人だなと思いました。


さて。素直に埋めるか。






「‥‥兄上。」





…思ったよりも遅かったな。




「どうしたんだツー?そんな憔悴した顔をして?何か嫌なことでもあったのか?」



今の私の気分は酷く晴れやかだ。いつもなら大っ嫌いなツーが現れたら追い返しているが、この瞬間は別だ。



疲労と達成感がブレンドし、アドレナリンがバンバンでている。



「‥‥それは?」




「うむ?どれのことだ?ああ、これは脚だぞ。」




私はそう言って先ほど切り取ったミンチの塊を見せる。正直ハンバーグにしたいとは思えんな。




「‥‥なぜ、そんな惨い事を?」




ふむ?




「惨い事など私はしていないから、お前の問いには何も答えられないぞ?だが今の私の行動の原因としては徹夜連勤の憂さ晴らしだな。」




「そんな理由で?」




「質問の意図が分からないな。」




「何故殺したんだ!!殺す必要などなかっただろう!!ましてや、こんな惨い真似をっっ!!そんな理由でっ!!!」




怒鳴るツー。しかし、私は一切気にならない。

何故なら気分がいいからだ!!だから嫌いなツーの質問にも快く答えてあげる。



「だから質問の意図が分からないな。これは王族には保証された権利だぞ?必要かどうかなんて関係ない。それが私には許されるかどうかだ。」




呆然とした顔のツーを見て、私は賢者であったものを見る。


…もうミンチはいいかな。




シャラン!!




金属同士が擦れ合う、独特の心地よい音がする。


振り向けば、剣を抜き真っ直ぐ私を見つめるツー。




「…正気か?」




「そうだ。私は剣を抜く。この意味が兄上には分かるだろう?」




いや、私じゃなくても分かるだろう。




「来い!この武闘場でお前を叩ききってやる!!」




「ふむ。私には理由が無いのだがね。」




あとこっち素手なんだが。騎士道精神はどこ行った?




「逃げるのか!臆したのか!?」




「剣を持ち万全の魔力量の相手に、丸腰かつ消耗した体で闘えと?寧ろ何故戦う必要があるのか教えて欲しいぐらいだ。」




自業自得だが、剣はミンチで駄目にしてしまった。


私の言葉を挑発と受け取ったのか、顔を真っ赤にして剣に魔力を込めるツー。




「だまれ!!お前が今している行為に比べれば、「なんてな!!」…な!?クソ!!!」



ノーモーションからの銀蔦が火を噴くぜ!効果は抜群の一言だ。



よし!!!




まずは一発!!



騙し討ちて気持ちいいなぁ!!!

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