表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

92/167

92話 ギャル義妹は面接に行く


 上田真司が、熱海から帰ってきた、あくる日。


 真司の義妹ダリアは、さっそくバイト探しをしていた。

 と言っても、前のように体を売ったり、危ないことをしたりはしない。


 ちゃんと働いて、ちゃんとした方法でお金を稼ぐのだ。


 さて、やってきたのは、駅前の喫茶店。

 喫茶【あるくま】。ここは高校生のバイトOKと求人が出ていた。

 真司達のマンションからもほど近いし、駅前だし、時給も良い。


「よし……頑張るぞ。お兄ちゃんと、りかたんのためだっ」


 ダリアは喫茶店のドアを開ける。


「いらっしゃぁ~い♡」


 ……ダリアは喫茶店のドアを閉めた。


「……? あーし、疲れてるのかな……? ロシアンマフィアがいたような……」


 もう一度、ダリアはドアを開ける。


「いらっしゃぁい♡」

「…………」

「ああん、待って待ってお嬢ちゃん。あたくしはロシアンマフィアでもなんでもないわよぉん」

「は、はぁ……」


 やばい、変な人がいる。

 見た目が完全にロシアンマフィアなのに、お姉みたいなしゃべり方をしてるのだ。


 胸には塩尻しおじりというネームプレート。店長だろうか……?


「あらん? あなた、どっかで会わなかったかしら?」

「?」

「ほら、こないだ熱海で」

「あっ! あのときの……料理人さんじゃん!」


 こないだ熱海旅行に行ったとき、贄川にえかわ家の次男、次郎太とともに、料理を作っていた巨漢だ。


「偶然ねえん」

「そ、そうですね……」

「それで、今日はどうしたのかしらん?」


 そうだった。このロシアンマフィアのインパクトのせいで忘れていたけど、ダリアは今日、バイトの面接に来たのである。


「実はバイトを……」

「採用!」

「え!? は、早くないですか……?」


 にこっ、とロシアンマフィアは笑って言う。


「目を見ればわかるわ。あなたは綺麗な目をしてる。自分のためじゃない、誰かのタメにお金を稼ごうとしてるのね」

「! そんな……わかるんですか?」

「わかるわん。たくさんのバイトさん観てきたからね」


 ぱちん、とウインクするロシアンマフィア。

 悪い人じゃ……なさそうだ。


 ダリアは背筋をただして、頭を下げる。

上田うえだダリアです。よろしくお願いします!」

塩尻しおじりサンプロ有勝アルウィンです♡ よろしくね、ダリアちゃん」


 こうして、ダリアは喫茶店でバイトすることになったのだった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] あ、あれ? ダリアちゃんって前からアルクマでバイトしてなかったっけ?
[良い点] 基本、あまあま展開ですが、楽しく読ませていただきました。仕事で、まあ、どちらかと言えば人が別れる現場にいますので、このような純愛をみると癒やされます。楽しみに拝読しました。二人のゴールまで…
[一言] 幸せな3○もあると思います!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ