63話 食後のイチャイチャ
熱海に旅行に来ている、ぼくと里花、そして義妹のダリア。
昼食を食べた後、ぼくたちはまったりお茶を飲んでいた。
「おいしかったぁ~……」
「だねぇ~……」
お昼ごはん、ちょーおいしかった。
三人でシェアしながら食べたから、楽しかったし、大満足!
「「はぁ~……」」
ぼくも里花もお茶飲んでまったり。
そんな様子を見て、ダリアが苦笑する。
「ちょっと君たち? これで終わりみたいな感じでてなぁい?」
「「うぃー……」」
なんかお腹も満たされて、すごい……眠い……。
「なんか二人とも、夫婦みたいだね」
「「ちょっ、何きゅうに!?」」
ダリアがニヤニヤと笑う。
「ほらそれ。りかたんとお兄ちゃん、リアクションそっくりじゃんな」
う……た、確かに。
で、でも……夫婦かぁ……
「「えへへ……♡」」
「もう結婚しちゃえよ二人とも~」
いやそんな……結婚なんてそんな……き、気が早いよぅ。
そ、そりゃね。いつか結婚したいよ。ぼくは里花好きだし。
でも学生だし……まだねえ……。
「結婚かぁ~……」
あ、あれ? 里花、結構……乗り気?
するとダリアがにやっと笑って言う。
「学生結婚、あこがれない?」
「わかるぅ~……」
うっとりしながら里花が言う。
そんな、学生結婚がしたいなんて。これは……ぼやぼやしてられない。
里花を一生幸せにする覚悟を決めないと……。
でも、こんなぼくが、彼女を守っていけるだろうか……。
ぼくがなやんでいる一方で、ダリアが小悪魔みたいな笑みを浮かべて言う。
「りかたん、お兄ちゃんの子供ほしくね?」
「わかるぅ~……」
こ、子供ぉ!?
「りかたん、お兄ちゃんあーしに譲ってくれね?」
「わか……それは無理! 無理よ無理!」
里花が顔を真っ赤にして首を振る。
「やっぱり、寝ぼけてたね、りかたん」
「あ、そうだったんだ……」
そっか……よかった……寝ぼけての発言だったんだ。
……ちょっと、残念。
「と、お兄ちゃんが残念がってますがりかたん、自分の言ったこと覚えてる?」
「う、ううん……ねえダリア。アタシなにか変なこと言った? しんちゃんを困らせるようなこと」
「うん♡ めっちゃ♡」
「教えて!」
「だーーめ♡」
「そんなぁ~!」
里花とダリアが仲よさそうにじゃれ合っている。
楽しいなぁ……。
「でも……ま、そうだよね。りかたんはー、お兄ちゃんのこと大好きだもんねー。譲りたくないもんねえ……」
ニヤニヤ笑いながらも、どこか……さみしそうにダリアがつぶやく。
「ダリア?」
「んーん、なんでもないよ、お兄ちゃん」
ダリアは自分の胸に手をやって、目を閉じて言う。
「あーしはね、二人が幸せなことが、幸せなんだ」
目を伏せて、でも……小さく笑うダリアなのだった。
【★お知らせ】
異世界恋愛の新作短編、投稿しました!
『偽の聖女は本物の悪女を目指す〜冤罪で破滅する運命の私、2周目は開き直って世界最高の悪女になるつもりが、なぜかめちゃくちゃ感謝されてた〜』
すごい頑張って書きました!自信作です!
よろしければぜひ!
【URL】
https://ncode.syosetu.com/n3625hr/
(※広告下↓にもリンク貼ってます!)