21話 バイト先にお邪魔する
ダリアさんと会った放課後。
「あたしバイトあるんだけど……よかったら、しんちゃん……寄ってく?」
ということで、ダリアさんと里花のバイト先に、お邪魔することになった。
ぼくらの通うアルピコ学園から少し離れた駅前の、カフェへとやってきた。
パン屋と喫茶店が融合してるような感じ。
持って帰っても良いし、その場で食べてもいい。
オープンカフェもあって結構おしゃれな感じだ。
「まさかカフェで働いてるとは……」
「おいすー♡ ドーテーくーん♡」
「あ、ダリアさん」
ぼくが客席で待ってると、里花の友達のダリアさんがやってきた。
超がつくほどのミニスカートに、シャツ。
そして黒いエプロンをしてる。
スカートが短すぎて下に何もはいてないような格好だ……
「スケベな目ぇしてんね~♡」
にまにま、とダリアさんが楽しそうに笑う。
「あ、いや! コレはちがくって……」
「欲求不満かい? なんならあーしが抜いてあげてもいーよ♡」
「なっ!? ぬ、抜くって何を!?」
「そりゃナニをでしょ♡ 友達だから特別にタダでオッケーよ~♡」
ダリアさんが手で筒をつくって、シコシコと何かを扱く動作をする……!
そ、そんなこと頼めないよぉ……!
「ダリア! こら! しんちゃんいじめちゃだめでしょ!」
「里花ぁ!」
里花が溜息をつきながらやってくる。
彼女は長い髪をポニーテールにしていた。
シャツにエプロンはそのままだけど、下はスラックスを履いている。
あ、良かった……ダリアさんみたいな、超ミニスカートじゃなくって。
「いじめてないもーん♡ ね~♡」
「あ、うん。ほんとだよ。心配してくれてありがと」
里花は持ってきたホットコーヒーとパンを、ぼくの机の上にのせる。
「か、勘違いしないでよね! 別に心配とかそういうんじゃなくって! その……店員が客いじめてたら、店の評判が悪くなるのを気にしてるだけだから!」
ふんっ、と里花がそっぽを向く。
「りかたんの言葉を要約すると~、わぁい♡ 彼氏があたしを心配してくれてるよ~♡ うれし~♡ だからね」
「あほー!」
里花がダリアさんの襟首をつかんで、がくんがくんと揺らす。
「ところでドーテーくん。ほら、りかたんの服装みてどうよ? 感想ぷりーず」
「べ、別に感想なんてそんな……い、いらないけど……」
里花がもじもじしながらぼくの前に立っている。
「うん、とっても可愛いよ」
「ほ、ほんとっ?」
「うん。パンツスタイルも、似合うね。足がすらっと長いし、とってもいいと思う」
里花がパァ……と表情を明るくする。
一方でダリアさんはうんうん、とうなずく。
「良かったね~りかたん♡ 愛しのダーリンが褒めてくれたよ~ん♡ 飛び上がるくらいうれしいけど、職場だしあーしの前だし我慢してるんだね~」
「あ・ん・たぁ……! 余計なこと言うなぁああああああ!」
がくんがくんがくん、と里花がダリアさんを揺らす。
なんかダリアさんのギャルおっぱいがぶるんぶるんと揺れてる……!
ダリアさんはバイト先でも、超ミニスカに、シャツも第三ボタンまで開けておっぱい完全に見せてる……。
いっぽうで里花は結構きっちり服装をしてる。
「あ、りかたんほらほら、宅配行く時間でしょ~?」
「宅配?」
「パンの宅配やってるの。原付乗れるのあたしだけだから」
へえー……里花は原付乗れるんだ……。
「しんちゃんゆっくりしてってね。ダリアはしんちゃんに変なちょっかい出さないこと!」
「うん、いってらっしゃい」
「おけおけ。サービスは手こきくらいにとどめておくよ♡」
「「公衆の面前で何しようとしてるの!?」」
ぼくと里花がツッコむと、ダリアさんは楽しそうに笑う。
結構外でもエロネタおっけーな人なんだな……。
里花が宅配へいき、ダリアさんもいったん、ぼくの席から離れる。
周りを見渡すと、結構男性の客が多かった。
「ダリアちゃーん。こっちにもコーヒーちょうだーい」
「今日もエロいねぇダリアちゃん。お尻触らせてよ~」
「今日もいいおっぱだね~。どう、3万で。ね、5万までなら出す!」
け、結構人気……てゆーか、セクハラが激しいな……。
それに対してダリアさんは……。
「はいコーヒーおかわりね~♡」
「あはは~。んも~えっちぃ~♡」
「奥さんにばれてしかられてもいいなら良いよ~♡」
と、お客さんを軽くあしらってる。
中には本当にお尻触ってる人もいた!
え!? いいの!?
「んも~だめだぞ♡ ごりまっちょな店長さん呼んじゃうぞ~」
「あはは、それは勘弁。ごめんなー、ついいい尻で~。あ、追加でコーヒー」
「はいはーい♡」
……とまあセクハラされても、全然怒ってないどころか、サービススマイルを浮かべている。
すごい……これがギャルか……。
「ドーテーくん♡ おまたー」
ぼくがコーヒー飲んでいると、テーブルの上に、ケーキを置く。
「え?」
「あ、おまたーっていうのは、おまたせーの意味であって、あーしの股間のことじゃあないよ♡」
「わかってるよ!!!」
「ドーテーくんのおまたも触って良ーい?」
「だめー! あ、こらまたぺろんってしないでらめぇえ~!」
ダリアさんが隙あらばぼくの股ぐらを触ろうとする。
まったくもう……なんてひとだ……!
「で、あのさ、別にケーキ頼んでないんだけど」
「ん? サービスよサービス」
「サービス?」
「そ。うちのりかたんがお世話になってっからさ。ありがとねーって意味で」
「いやそんな……むしろこっちが世話になりっぱなしなのに……」
ダリアさんは微笑むと、ふるふると首を振る。
「そんなことないよ。君はりかたんの心のオアシスだからさ」
「そう……かな」
ダリアさんがキョロキョロ周囲を見渡し、ぼくの前に座る。
「うん。ほら、あーしりかたんとクラス違うっしょ? だから学校だとあの子のそばに居られないんだ」
少しさみしそうに、ダリアさんが微笑む。
「りかたん結構学校嫌いなんだ」
「え。そ、そうなんだ……」
「うん。だからあーしが馬鹿やって、少しでも元気になればって思ってるけど、クラス違うとね、どーしても限界あるのよ」
確かに、学生の大半は、同じクラスで行動する。
クラスが違う人との交流は、なかなか持ちづらい。
「でもね、ドーテーくんと付き合うようになって、りかたん学校行くのすっごく楽しみっていうようになったんよ。冬休みの間もさ、早く学校始まらないかなーって」
「そう……だったんだ」
にこっ、とダリアさんが笑う。
「だからお礼。遠慮なく食いねえ食いねえ」
同じクラスなのに、ぼくは里花が学校嫌いなことを、知らなかった。
ぼくの知らない里花のことを、ダリアさんはたくさん知ってるんだろう。
「ありがと。じゃあ遠慮なく」
「あーしもパクッとドーテーくんの初めてパクってしてもいい♡」
「そ、それは勘弁して……」
「えー。いいのにー。どうしてそんなに、りかたんとの初セックスにこだわるのかね?」
ぶっ……!?
何言ってるのこの人!?
「前も言ったけど練習しとかないと本番でぐだるよ? ゴムの付け方とか、知ってる?」
「そ、それは……知らないけど」
ダリアさんは妖艶に笑うと、耳元まで顔を近づける。
ち、ちか……!
てかまたあの……むせ返るような香水の匂いが!
「……あーし、エッチなこといっぱい知ってるよ? 教えて……あげよっか?」
え、エッチなこと……いっぱいって……。
そんな……つまりそういうこと? たくさんしてるのかな……。
「……あーしドーテーくんのこと、気に入ったし。だから特別に……あーしが教えてあげるよ?」
「いやそれは……それはちょっと!」
離れようとするけど、その甘すぎる香りとあ、大きすぎるおっぱいとかに目が釘付けになって、動けない……!
するとダリアさんはクスっと笑うと……。
スカートのポケットからスマホを取り出す。
「え?」
「教えてあげるよ、ほら、連絡先こーかんしようぜ♡」
「え、あ、うん……」
ぼくはスマホを取り出して、LINEのIDを交換する。
な、なんだ教えてあげるって……連絡先のことかぁ。
……ちょっぴり残念。
するとダリアさんがスマホを操作する。
ぽこん、とダリアさんからメッセージが送られてきた。
【ギャルと一発やる機会逃して、残念なのはわかるけど、表情に出しちゃだーめよ♡】
「ちょっ!?」
にまにまと笑うダリアさんが、すぐ目の前に居る。
「りかたんいなくて良かったね~♡」
「も、もう……からかわないでよ」
「おや? からかってないよ。本気だよ。教えてあげても良いし♡ 何だったらこの後どーう♡」
こんなエロい見た目に、エロいお姉さんに、エロいことを教えてもらえるなんて……。
この先一生、そういう機会はないかもだ。
けど……。
「ごめんなさい。里花に申し訳ないし」
するとダリアさんは、花が咲いたみたいに笑うと、ぼくの頭をなでる。
「うん、100点♡ 花丸あげるよ~ん♡」
あれ……これもしかして、試されてた……?
「うんうん、りかたんは男の引きは良いみたいだ。こんなセクハラギャルのさそいにほいほいっと乗るようだったら、股間蹴るところだったし。あーし安心しましたぜ~」
やっぱ試されてたっぽい……。
「じゃ、あーしそろそろ仕事に戻るね。ごゆっくり~」
ひらひらと手を振って、ダリアさんは去って行ったのだった。




