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130話



《真司Side》


 ぼくは学校を出たところで、贄川にえかわ三郎さんに助けてもらった。


「ありがとう、三郎さん」

「なはは! いーってこった! マブダチだろぉ、おれたち!」


 三郎さん、ふだんちゃらんぽらんだけど、たまに頼りになる。

 普段やらかす人だけど。


 それにダチとはいうけど、本当は遠縁の親戚なんだけどね。

 贄川にえかわ家と上田家って。


「でもよくあんなドンピシャできたね」

「そりゃあ高原様が盗聴器しかけてるからね!」

「あ……はい」


 ぼくはブレザーを脱いで、襟首のあたりをまさぐる。


「はっ! しまった! 高原様に内緒にしててって言われたんだった!」

「はいはい」


 ぼくはぷちっ、と盗聴器をつぶした。

 もー、あのじーさんは、すーぐ盗聴器しかけるんだからぁ。


 まったく、いつもこまったもんである。


「でも今日は助かったかな」

「そぉー? なはは! そりゃあよかった!」


 じーさんは孫かわいがるあまり、行き過ぎた行動をしてしまう。

 ぼくやるーちゃん(孫)は、まあもう慣れたもんである。


 しかし……いつもウザいと思っていたじーさんの盗聴器に、助けられる日がくるとは。


「もう盗聴器ないよね?」

「え、いっぱいあるけど?」


 あるんかーい。


「はっ! これも内緒だった!」

「まあ見つけたらつぶすからいいよ、別に」


 普通に犯罪なんだけど。

 まあ今回は助かったからいいや。


 盗聴器も役に立つってわかったし。

 まあでも、今回みたいなこと、もう二度とないだろうけど。


「るーちゃんにラインしとこ」


 またじーさんがやらかしたよっ、と。

 すぐにるーちゃんから返信が帰ってくる。


『お爺さまには、1日口聞いてあげないの刑に処しておきます』


 あ、これ死んだわ。

 じーさんには一番こたえるだろうな。


 自業自得だけども。

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