129話 クソ妹子
《妹子Side》
「なんなの、さっきの態度はっ!」
真司が去って行ったあと、中津川 妹子は大層ご立腹の様子だった。
校門前にて、妹子が叫だのだ。
「あいつ……ほんと調子乗ってる! こっちがわざわざ、忠告してやったってのに!」
真司は捨てたはずだった。
そしてクラスメイトの思惑通り、ギャルである松本里香と付き合いだした。
……だがどうにも、里香と真司はラブラブしている。
マジコイなのか……? いや、ただのニセコイのはず。
ニセコイのくせに、幸せそうにしてる真司を見るのが……なんだかムカついたのである。
思惑通り、真司はいじめられてるはずなのに。
「いじめられてるんだから、もっと辛そうにしろっつーの」
なんとも身勝手な女だ。
自分は真司に飽きたと捨てたはずだったのだから、もうそのあと真司がどうしようとどうでも良いだろうに。
捨てた真司をいじめて楽しもうとして、思惑通り進まなくて、だだをこねている。
正真正銘のクソ女であった。
それにしてもおかしい。
ギャルの松本里香は、他人に結構冷たいタイプの女だった気がする(妹子視点)。
しかし最近の里香は、今までの彼女が嘘のように、真司にべったり甘えていた。それもムカつく。
これではいじめにならないではないか。
「……それにしても、松本里香どうしたのかしら。今日急に学校休むなんて……」
妹子はちょっと、調べてみることにしたのだった。




