114話
《真司Side》
本家のじーさんちに来た。
とりあえずじーさんにあいさつだ。
馬鹿でっかい部屋に通される。
いつ見ても、映画のセットみたいだよなぁ。
和室の上座に、白髪の老人が鎮座してる。
和装に、鋭い目つきから、極道の人に見えなくもない。
でもぼくは知ってる。
「真司ぃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!」
じーさんが立ち上がって、ぼくに駆け寄ってくる。
そしてそのまま抱きついていた。
「おーーーーよしよしよし! 真司! よく来たぞぉお!」
すりすりすり……と大根おろしのように、ぼくに頬ずりする。
この人が開田高原。
日本のなんか偉い人らしいんだけど、ぼくにとっては、ウザいおじいさんだ。
「久しぶり、じーさん」
「おお真司! そしてよくやった!」
よくやった……?
「いきなり何?」
「こないだそなたの妻となる女と同衾したのだろう?」
妻? 里香のことかな。
同衾って……。
「まさか……じーさん」
もしかして、また調べたの?
ぼくのプライベート!
「もー。またぁ?」
この人すーぐそういうことするんだよねえ。
もー、うんざりだよ。
「てへっ♡ だって気になるんだもん」
「もん、じゃないよ……いっつも言ってるんじゃん。めーわくだって」
「てへっ♡」
「もー」
……というぼくらのやりとりをよそに、里香とダリアはぽっかーんとしていた。 ああ、そうだよね。
内輪ネタすぎたね。
「ごめん二人とも。紹介した……よね? このひとは開田のじーさん。あだ名はクレイじぃじ」
「開田高原じゃ。よろしく、お嬢さんがた」
ニコッと微笑む姿からは、とても普段のイカレ行動っぷりはうかがえない。
でもだまされてはいけないんだ。
「この人ヤバい人だから」
「はっはっは! 真司ぃ~。言うようになったなぁ。じぃじはうれしいぞい!」
付き合いが長いぼくとるーちゃんは、この人の頭オカシイっぷりをよーくよく知ってる。
だから、まあ、こういう雑な扱いでも問題ないんだ。




