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03



突然の解雇を告げられた執事長からは普段のような余裕綽々の表情は消え失せ、ひどく焦りが見えた。




当然のように考え直して欲しい、何があったのか理由を聞かれた。



彼らからしたら何の前触れもなく、突然の解雇であるのだから当然ではある。




しかし、イザベルにとっては違うのだ



考え直す必要等ない


私は身を持ってお前たちの裏切りを体感してきたのだから







考えを変える気は一切ないイザベルは、一向に動こうとせず、説得を試みてくる執事長を放っておき、自ら使用人達に解雇を告げに行くことにした。





私自身があんな奴らのために自らの手を煩わせることに苛立ちはあった。



しかし、それも解雇を告げた後の使用人達の表情を見てすっかりそんな苛立ちは消え失せた



いくらマルシャン家が異例の立ち位置だとしても、王家に次ぐ公爵という立場である。



その公爵家を突然解雇されるのだ


次の勤め先を見つける事は極めて難しい事だろう



本来貴族に仕える使用人達はよっぽどの事がない限り突然解雇されるということはありえない。


何らかの理由で辞めるとしても、主人の紹介状を書いてもらえる事が通常である。




しかし私はそんな事は絶対にしない


この今を持って、この屋敷にいる全ての使用人達全員を追い出してやる









――――――――――――――――――――――――







突然の解雇に泣きつく者も多くいた


『家族がいる』、『借金がある』、『行くところがない』


様々な理由があったがそんな事は私には関係ない


泣きつかれても、必死に縋られても、心が揺れ動くことは一切なかった






私は、この私は!


今のお前たちより、辛く苦しい目にあったのだ


それも、お前たちの手によって

















「お前たちの言い分など一切聞かない。マルシャン家公爵はこの私だ」 




家中に響く様な大声で言い放つ。



「何度も言わせるな、これは命令だ。お前たちは今を持ってこの屋敷から早く出て行け!」













 

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