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第9話 宣言


「…………は? ベン、今何と?」


 ク○の騎士団による会議にて、俺が今後の作戦目標地点を告げると、参加した幹部クラスのメンバーからは発言を疑う声が上がった。



 しかし、俺は彼らが聞こえるよう、もう一度作戦目標地点を告げた。



「もう一度言う。次の戦略目標は軍事都市エラヴィナだ」


 そんな俺の言葉に皆は信じられないとばかりに口をあんぐりを開けた。


「ば、馬鹿な!!! エラヴィナと言えば帝国最大の軍事都市!! 隣国にある連合国家からの猛攻を二十年に渡り防ぎきっているあの強固な城壁を打ち破るのは並大抵の戦力では不可能!! 我々も革命軍としては既に最大規模になりつつありますが……、それでも! 戦争を起こした際の連合国家の戦力、その十分の一にも満たない! そんな状況でエラヴィナを攻めるなど自殺行為に等しいではないか!!」


 そんな批判の声を皮切りに、エラヴィナへの攻撃を否定する声が次々と上がる。



 そんな彼らに向かって俺は堂々と声を張り上げる。




「成程。ではお前達はちゃちな革命ごっこをいつまでも続けるという訳だな」



「革命……ごっこ?」



「そうだろう? 本当に国を奪ると言うのであれば、最も帝国に打撃を与えられる場所を奪うのはセオリーだろう。ここが奪えれば帝国の首都をその手中に収めるのも決して不可能ではなくなる」



「それはそうだが……、しかしここでは現実的な戦略目標を立てるべきではないか!?」



「無論、現実的な戦略目標を言っている」



「馬鹿を言え! 我々では城壁を越えるなど奇跡でもない限り不可能だ!! 第一、どれ程の犠牲で、ここを攻略すると言うのか!? 千か、万か!? そのような犠牲を出せば如何に帝国に恨みを持つ我らであっても、革命を達成するのは難しいぞ!!」



「成程。ならば私が連れて行くのはこれだけで良い」


 そう口にした俺がエラヴィナへの攻略に用いる戦力を告げる。すると、その余りにも少ない戦力を聞いた皆は呆れた表情を浮かべてしまう。




「はッ……結局のところベン殿は戦の素人! そんな戦力でこの堅牢な軍事都市を攻略出来る訳がない」




「先に言っておこう、帝国を打倒するという荒唐無稽な事をこの場にいる者のどれだけが現実的に可能だと思っている? 夢物語ではなく、現実にだ。恐らく本当に打倒出来ると思っている者は少ないのではないか?」


 俺のそんな言葉に、皆が口々に否定の意を示す。しかし、その言葉にはどこか自信がなかった。


 そんな彼らの言葉を前に俺は、ふっと鼻で笑った。



「それ、見たことか。本当に打倒を現実的に思っている者は極わずか。そのような姿勢はきっと部下に伝わっている。これでは幾ら革命を謳っても、帝国を打倒する日は訪れない。奇跡でも怒らない限りはな」



「そ、そんな簡単な話ではないという事だ! だからこそ帝国打倒の為の作戦はもっと慎重を来すべきだと…………」



「ならば、この俺が貴様らに奇跡を見せてやろう!」



弱気な幹部達に俺は高らかに告げた。



「革命などという荒唐無稽だと思われている事を現実的なモノだと分からせる為には、それに相応する奇跡を皆に見せつける必要がある! この俺ならば、それが達成できる! その為に俺はこのク○の騎士団を立ち上げた! ここからは俺に任せて貰おうか!!」



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