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第8話 これまでの半年

「これで主要な革命家や組織に属さない優れた武人を粗方こちら側に引き込めたな」


 半年程前から俺――ベン・モーレル――は行動を開始していた。



 世界に絶望した俺は、世界を奪る事にした。それだけの力が俺にはある。


 しかし、だからと言って一人で出来る事は限られている。世界を奪るにはそれに足りる者達を集め、組織を形作る必要があった。



 不幸中の幸いと呼ぶべきか、超巨大国家を組織している帝国にはそこら中から批判の種が育っていた。しかし、帝国の持つ兄弟な軍事力を前に皆が屈していただけに過ぎない。



 だからそれらの批判的な立場にある組織を纏め上げ、一つにしてしまえば世界を奪るのに相応しい組織に成長する。仲間へと引き込むには俺の持つ強大な能力ちからを見せつけてやれば良い。



 ただし、世界を奪るのであれば、あくまでも正義を標榜しなければならない。人は正義の前には狂いもする。正義の為であれば人を殺す事すら躊躇しないのが人間だ。だから恐怖で支配するだけでなく、正義を主張する。それこそが人を惹き付け、成り上がる組織とする為の最低条件だ。



「組織を支える為、最低限の人員は確保した。次に必要なのは……成果か」


 俺の能力【ベン・E】の持つ恐ろしさを使って人員の確保は為った。



 俺の能力の恐ろしさを味わった者であれば、帝国打倒という可能性を少しは感じ取れたやも知れない。



 しかし、ここまではただの希望的観測に過ぎない。ここで実績を上げなければ、きっと俺はまた見捨てられてしまう。



 そうなれば惨めな思いに沈んだ半年前のあの時と同じ繰り返しになってしまう。



 ――――追い出されるのはもう……こりごりだからな。

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