↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/25

F棟404号室

 朱理たちが学校に強制連行されている頃、悠輝は自宅に戻ってきた。


「クソッ」


 思わず悪態が口を吐く。


「クゥ~ン」


 駆け寄ってきた梵天丸が不安そうに見上げる。


「ごめんな、お前にまで心配かけて。おれは大丈夫だよ」


 しゃがみ込んで愛犬の顎《あご》をなでる。


 大丈夫じゃないのは渡部由衣だ。


 迂《う》闊《かつ》だった。


 朱理の事ばかり気にして、他の少女たちを軽視していた。


 由衣が何かに脅えていると聞いた時も、気のせいだろうと高をくくっていた。


 狙われるのはあくまで朱理だと決めつけていたのだ。


 念のためB棟に行った時も、特に何も感じず油断しきっていた。強引にでも由衣の部屋に入っていれば、こんな事にはならなかったかも知れない。


 彼女の部屋に入った時、目に視えない何かが部屋に居る気がしたと朱理も言っていたではないか。


 姪は覚《かく》醒《せい》しつつある、何故ちゃんと耳を傾けなかったのだろう。


 匣もそうだ、後回しにして朱理が呼び寄せたモノを突き止めるべきだった。


「御堂の奴、よりによってこんな時に……」


 いや、彼女に罪はない。


 彼女の霊視能力を持ってしても悠輝の状況は判らないだろうし、そもそも匣を送れと言ったのは自分だ。


 優先順位を間違えたのは己の責任だ。


 悠輝が由衣の失踪に気が付いたのは、朱理が由衣の家に行く五時間ほど前だ。


 御堂が送ってきた匣を開けるのに結構手間取ってしまった。


 何の対策も無しにこじ開けていたら、それこそ呪殺されかねないレベルの念が込められていた。


 これだけの呪力を使える呪術師を悠輝は知らない。

 厳密言えば何人か心当たりはあるが、彼らはこのような質の悪い呪《まじな》いは使わない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。