はじめに
古典文学「とはずがたり」について説明します。
作者は源雅忠の娘、後深草院二条です。「とはずがたり」の中では「アカコ」とよばれています。「アカコ」というのは名前ではなく「吾が子」という意味で書かれているという説があります。(本名は不明)
鎌倉時代の終わりごろに書かれたもので、作者が自らの人生を振り返って記したと考えられています。
後深草院をはじめ宮廷の男たちと関係をもつというスキャンダラスな内容で、中学高校の古典の授業で扱うのはやめた方がいい……R18な古典文学。
あらすじをめっちゃ端折って紹介すると……
作者の母は若いころ、後深草院の乳母だった(現在でいうベビーシッターとか家庭教師みたいな感覚?)
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後深草の初めての相手は作者の母
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母は作者が二歳のときに亡くなる
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初めての相手が忘れられない後深草
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作者に目をつける
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作者の父に話をつけ、作者が十四才のときにベッドイン。
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以後、宮廷の男女の色恋沙汰が繰り広げられる。
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最終的に作者は出家して東国へ旅に出ます。
私的にはアカコが後深草院をはじめ男たちの欲望ににふりまわされる物語だと思うのですが……
ふりまわされつつ、アカコはプライドが高いのか他の女性に対するマウンティングちょいちょい見せてます (私の感想です)
興味を持たれた方はぜひ「とはずがたり」を読んでみましょう!
さて、この「とはずがたり」は、1940年(昭和15年)国文学者山岸徳平により紹介されるまで長らく存在を知られていませんでした。
もし、作者が昭和十年代にタイムスリップして自分の作品が公表されることを知ったらどうなるんだろう?
と妄想したのがきっかけで私はこの小説「飛ばす語り」を書き始めました。
読んでいただけたら嬉しいです。
作中に山岸徳平氏をモデルにした人物を出しましたが、思想、キャラクターなど私の創作によるところが大きいので名前を変えて登場させています。(ご不快に思われる方がいらしたら申し訳ありません)
参考文献
小学館『日本の古典をよむ 7 土佐日記 蜻蛉日記 とはずがたり』
小学館『新編 日本古典文学全集47』
浜島書店『常用国語便覧』
ウィキペディア