第67話 神龍の血脈
北に向かうと、大きな山が見えてきた。
ちなみに、タマキとの戦いから3日が過ぎていて、今は28日目だ。
なぜかと言うと、統魔の指輪の効果を試していて、少し時間がかかってしまったからだ。
統魔の指輪の隠し効果、進化の秘法でオーガを進化させるとハイオーガになった。
しかも、ハイオーガを倒すとボス討伐のボーナスがキッチリ入る。
これで、ステータスは上げ放題になった。
更に、ハイオーガを進化させると、キングオーガになり、物理攻撃は鬼より強くなる。
しかも、知能や反射速度も上がるため、かなりの強敵になってしまう。
ただ、ハイオーガの段階で手脚を切り落としておけば、進化しても欠損しているので余裕ではあるのだが‥
最初は気付かずに凄く苦労した。
キングを倒すと、経験値が大きく貰える。
魔石も大きく、なんらかの魔法を必ず持っていた。
ちなみに、他のモンスターでも試してみると、以下の通りだった。
エルフ→ハイエルフ→マスターエルフ
レッドボア→ビッグボア→グランボア
オクトパー→オクトパシー→オクトパース
シーサーペント→キラーサーペント
キラーサーペントについては、かなり凶暴で、手に負えなかったため進化させられなかった。
と言う事で、なんだかんだステータスアップに勤しんでいると、あっと言う間に時間が過ぎてしまった。
流石に後2日でモンスターの強さが上がるし‥
俺たちは急いで北に向かったのだが‥
「ナインさんや、この山、高過ぎない?」
「だから早めに行こうって言ったんですわ。
まぁでも、貴方のステータスなら大丈夫ですわよ。」
「いや、俺も45°までは行けると思うんだけどさ、どう見ても80°以上はありそうなんだけど‥
ほぼ壁じゃん!
しかも、あんまりつかむ所がないぞ?」
「とりあえず、助走つけて一気に登るしかありませんわ。
多少はアシストしますから、頑張ってくださいな。」
そう言われ、俺は渋々助走をつけて、一気に登る。
ナインは、雷魔法で岩肌を削り、足場、というか凹凸をつけてくれるので、そこに足を掛けて真っ直ぐに登って行く。
1時間くらい登ると、岩の窪みがあり、休憩しようと入る‥
中には、ナーガ、上半身が人で下半身が蛇の獣人が居た。
あまり強くはないのでアッサリ倒せたが、次々と湧いてくるので休憩にならない。
仕方ないので数体進化させ、ナーガラジャで使役しながら湧いてくるやつらを倒させる。
少し休憩したら、再び登り始める。
既に、最初のように駆け上がっては登れないので、ロッククライミングで登って行く。
途中、巣穴からナーガやリザードマンが出てきて、攻撃してくるのが凄く鬱陶しい。
更に上に上がると、やたらデカイ鷲の様な鳥、ガルーダが襲ってくる。
幸い、俺を狙ってナーガやリザードマンが出てくると、そっちを食べに行くのでかわせているが、この山すげえハードルが高い!
もう何時間登ったかわからないが、既に夕刻になってきた。
標高が上がり、さみーし、空気薄いし、腹減ったし‥
それでも、頂上らしきものは見えてきたし、角度も幾分かマシになってきた。
そして、頑張って登りきると、そこには羽毛の羽を持つ、巨大な蛇がいた。
「この方が、神の龍の血を引くと言われる、ケツアルカトル様ですわ。
ただ、ここまでの道程を辿り着いた勇者はかって3人のみ。
その内1人はこの場で力尽き、1人は蹴落とされ、最後の1人は試練で死んだ、そう聞きますわ。
だから、貴方も用心して下さいね。」
ナインにそう言われ、俺は用心して語りかけた。
「貴方がケツアルカトル様ですか?
俺はサイトウです。
あの、レッドドラゴンの所に行くため、仲間になってもらえませんか?」
ケツアルカトルは寝ているのか、返事がない。
ただの屍の様だ‥
では困るのだが、何度話しかけても返事がない。
仕方なく、何度も声をかける。
「おーい、起きて下さい!
ケツアルカトル様?」
俺がそう言うと、強烈な尻尾の一撃が来て‥
俺は宙高く、空へと舞った。
高層ビルから飛び降りると、途中で意識がなくなり、痛みを感じないで死ねるらしいと聞いた事があるが‥
一方でスカイダイビングで気絶しないのを考えると、そう簡単に気絶しないと言う説もある。
それはともかく、強烈な風圧を受けながら、物凄いスピードで絶壁を落下して行く。
ステータスのおかげで辛うじて、意識を保っていられるが、落下の衝撃にまで耐えられる自信はない。
なんとか勢いを殺さないと‥
俺は、最大限の魔力を込め、風魔法を下に向かって放つ。
止まれ、止まれ、止まれ、止まれってばよ!
しばらくすると、俺の願いが叶ったのか、風圧が落下に逆らい、俺は宙に浮かぶ事に成功した。
1分程度‥
そこからは、地面が比較的近く、辛うじて大ダメージ程度は受けたがで死なずに済んだ。
仕方なく、俺はセーフティーゾーンに入り、眠りにつくのだった。
28日目終了
翌朝、体力全快で上に登る。
昨日よりは要領が良くハイペースで登れ、昼過ぎには頂上に着く。
そして、再びケツアルカトルに話しかける。
その結果は‥
ピューという感じで落下する俺がいた。
2回目なので慣れたもので、山の中腹辺りでガルーダを見つけ、足場にして再び岩肌に戻る事が出来た。
そして、再びケツアルカトルに声をかける、前に尻尾の一撃がくる!
流石に3回目は避けると、ケツアルカトルが話しかけてきた。
「めんどくさいな、鬱陶しいからもう来んな!」
「いや、でも仲間になって貰えるまで帰れません!
お願いします!」
「やだよ、仲間なんてめんどくさい。
俺はここから動くのがめんどくさいんだよ。
って言うか、おまえと話すのもめんどくさいし、息をするのもめんどくさい。
あー何もしたくねー。」
「そこをなんとか!
仲間になってくれないと、俺は帰りませんよ!
ちょっと召喚石をくれるだけでいいからさ。」
「あーめんどくさいな。
なら、この剣を抜けたら、仲間になってやるから、サッサと抜いて帰りな。」
そう言って、ケツアルカトルは地面に剣を突き刺す。
非常に大きな剣、所謂大剣と言ってもいいレベルだろう。
その剣が地面奥深く刺さっている。
俺は剣の柄に手をかけると‥
ドス黒い呪いの様な力が俺を襲ってくる。
魔力とステータスで無理矢理ねじ込むが、身体中が爆発しそうな感覚に襲われる。
それでも、なんとか頑張って引き抜くと、呪いの様な力はサッと晴れていった。
「なんで、その剣を抜いて生きてるかな。
めんどくさいな、抜いたら死ぬはずなんだけどな、ステータスが全部100以上ないと‥
まぁでも、その剣で襲われるとめんどくさいし、召喚石やるからサッサと帰れ?」
そう言って、召喚石をペッと吐き出し、ケツアルカトルは再びめんどくさそうに寝てしまった。
「ナイン、どう言う意味なんだ?」
「多分ですが、この大剣、ドラグスレイバーにはステータスが足らないと死ぬ呪いがかかっていて、抜いた勇者が死ぬ様になっていたんですわ。
でも、馬鹿みたいにステータス上げしたおかげで、何とか抜けた、そう言う意味ですわね。
それと、この大剣は龍殺しの剣ですから、ケツアルカトル様も戦いたくないってことだと思いますわよ?」
「いや、全ステータス100以上とか無理ゲーだろ?
まぁ、念のため上げといたけどさ‥
って言うか、やっぱりステータス上げして正解じゃん!」
俺が自慢げに言うと‥
「タマタマ、ですわ!
一回上手くいったからって調子に乗らないで欲しいですわ!」
そんな会話をしていると、ケツアルカトルが起きて‥
「おまえら五月蝿いし、帰れ。
ホントめんどくさいな‥
帰りはそこの洞窟から帰れるからサッサと行け」
と怒られる。
そして、俺たちは洞窟へと向かって行くのだった。
全ての守護獣を仲間にしたサイトウは北の洞窟を降りて行く。
そして、地上に出た時、サイトウ達を出迎えたのは?
次回 第68話 復讐の輪廻




