第55話 実力差
多少残虐シーン多めですが、ご了承下さい。
暫くの間、俺が黙っていると毒使いが痺れを切らし聞いてくる。
「どうした?
覚悟は決まったか、それともビビって声も出ないのか?」
むしろ、どうやって殺すかを悩んでるんだよバーカ。
まぁでも、この鬱陶しいのを先に潰すか。
とりあえず、相手はレイピアだし‥
こちらも剣にしよう。
ロングソードか剣聖の聖剣かな。
とりあえず、剣聖の聖剣にしてみる。
実はさっきから、音使いが会話中もさり気なく魔法攻撃を仕掛けてきている。
魔眼で見えるから全部相殺してるけど、鬱陶しい。
実際、毒使いは別として、この音使いはかなりしたたかなんじゃないかと思う。
それはともかく、剣聖の聖剣は俺も魔法が使えなくなるが、音使いの攻撃は完全無効化できる。
俺が剣聖の聖剣を構えると、毒使いもレイピアを構えた。
「悪いが、このレイピアはオークジェネラルから奪った特別製だからな。
お前が見切れない高速突きのスキルを喰らうがいい!」
毒使いはそう言って、レイピアによる突きを繰り出してくる。
確かに速い!
通常なら見切るのはギリギリだが、剣聖のスキルが有効な今は全く脅威にならない。
まぁだが、ワザとギリギリで避け、苦しんでいるフリをする。
「クハハッ、この連攻をかわすとはやるな!
どうせその剣のスキルだろうが、いつまで保つかな?
まぁお前が死んだら俺が有効に使ってやるよ!
それそれ〜」
毒使いはそう言うと手数を増やして攻撃してくる。
俺はスキル任せで、適当にかわしつつ返答する。
「お前だって、高速突きのスキルがなければただのザコなんだろ?
大人しく隠匿スキルで隅っこに隠れて震えてれば良かったんだよ!」
「ククク、余裕が無いくせに、口だけは余裕だな。
なら、こいつも喰らわせてやるよ!
喰らいつけ、チャクラム!」
毒使いは、アイテムボックスから刃のついた輪っかを取り出し、こちらに投げつける。
輪っかは、不規則な動きで俺の首を狙ってくる。
魔力操作系のようだから、魔眼で見切り、聖剣で打ち払う。
しかし、チャクラムは払っても、払っても俺の首を狙ってくる。
自動操作か‥
合間を縫って毒使いが高速突きを放ってくるため、段々余裕がなくなってきた。
剣聖のスキルが無かったら、剣だけでは戦えなかったかもしれない。
あっ、間違えて毒使いのレイピアの柄に剣を引っ掛けて、相手の体勢をこちら側に崩してしまった。
更にチャクラムが近づいていたので、毒使いの顔面を蹴っ飛ばし、チャクラムも強めに弾く。
「痛い!
なんでだ?
なんで、こんなに攻撃してるのに死なないんだ?
可憐、魔法はちゃんとかけてるか?」
「怜怨君、多分あの人音波が効かないんだと思う。
対策されてるのかも?
どうしよう‥」
「仕方がない、俺が時間を稼ぐから、あの魔法で攻撃してくれ。」
どうやら、音使いにはまだ隠し球があるようだ。
再び、毒使いの猛攻が始まる。
ただ、さっきより若干キレが悪い。
MP切れか?
使用量をセーブしているのかもしれない。
暫く攻撃を受け流していると、音使いが
「下がって!」
と言い、毒使いがバックステップで下がる。
その瞬間、天から光と共に紫電がほとばしり、俺の頭上に雷が落ちた。
「可憐の魔法は音だけじゃ無いんだよ!
黒焦げになって死にやがれ!
‥何故だ?
何故なんとも無い?」
毒使いが俺を見て呆然とする。
剣聖の聖剣の魔法無効化効果で、当然俺には傷一つない。
ただ、ネタバラシをするのもつまらないしな‥
「残念だな、この剣は雷属性無効化なんだよ。
だから、俺に雷は効かないぜ?」
「クソッ!
そんなチート剣を持ってるなんて、狡いじゃねーか!
卑怯だぞ!」
「いやいや、お前らだって、高速突き持ちの剣とか、自動追尾のチャクラムとか、雷撃魔法とか、結構チートだよな?
っていうか、二人掛かりの時点で卑怯はそっちだと思うんだが?」
「うるさい!
こうなったらエーテルでMPを補給して、トドメを刺してやる。」
毒使いと音使いは、各自エーテルを出し、MPを回復する。
「遊びはここまでだ!
可憐、アレをやるぞ。」
「でも、怜怨君‥
アレは隙が大きいから、大丈夫?」
「可憐、あいつは確かに防御が凄いが、攻撃は大した事がない。
だから、俺たちの最大魔法で葬るぞ!」
「わかったよ、怜怨君を信じるよ。」
そう言うと、オークくらいの魔石を取り出し、2人で手を繋ぎ、集中を始めた。
俺は、黙って見ている。
「「ユニゾン、毒音波!」」
2人揃ってそう唱えると、2人を中心として強烈な爆音が放たれる。
地面はえぐれ、砂塵を撒き散らし、周りの木々もおが屑に成り果てる程の酷い超音波が周囲に撒き散らされる!
「ハアハアハア、俺たちの最大の魔法を喰らって、無事に生きていた奴はいないぜ。
可憐、俺たちの勝ちだ。」
暫くして砂煙が薄れると、無事な俺を見つけ、毒使いと音使いは絶句する。
まぁ、元々毒無効だし、魔法も無効化してるから当然だけどな。
「さて、俺もそろそろ遊びをやめるか。
お前らも、全力を出し切って満足しただろう?」
「なんで‥
お前化け物か!
普通あれで死ぬだろ?」
「お願い助けて!
私は怜怨君に脅されてただけなの。
貴方と戦う気はなかったの!」
毒使いは狼狽し、音使いは裏切る。
「ちょっ!
あの筋肉女とこいつを殺そうって言ったのは可憐じゃん。
それに、俺ら永遠の愛を誓ったはずじゃ‥」
「永遠なんてないわ、私弱い人に興味はないの‥」
音使いは最低だな‥
「お前ら勘違いしてないか?
俺はな、おねーさんを殺された仇討ち、つま
り復讐に来たんだよ。
ただ、あの最強のおねーさんを殺した奴らを瞬殺したら、おねーさんが弱かったみたいで嫌なんだよね。
だから、まぁそこそこ強くて相性が偶々良かったから不意打ちで殺せてしまったみたいなストーリーにしたいわけだよ。
わかる?
まぁ、復讐したって仕方ないのは自分でもわかってはいるんだけどね。
許せないものは、許せないんだよね〜」
「い、嫌だ、俺は関係ない!
復讐ならこの女だけを殺せよ、俺は逃げるし。」
「怜怨君って最低のピー野郎ね!
貴方が復讐されるべきよ、私の代わりに死んでよ。」
目の前で、醜い争いが繰り広げられる。
せめてこの2人が純愛ならば、一瞬で殺しても良かったかもしれない。
なんてな。
それはそれでムカつくかもだから多分やることは同じだろう。
俺は、剣聖の聖剣をしまい、マチェットを出す。
そして、未だ罵り合いを続ける2人に毒魔法を喰らわす。
ちなみに、神経毒を調整してHPを減らさずに、激痛だけが身体中を駆け巡る仕様だ。
なお、2人共同じタイミングでステータスを開き、自分が生きているかを確認している。
お前ら‥
本当に気が合うんだな。
2人が激痛でのたまわっているうちに、適当に服を剥いでロープを作る。
毒使いの男、獅子髮 怜怨は足にロープを繋ぎ、木の枝から逆さに吊るす。
頭に血が上った状態でも生きれるかのテストだ。
一応念のため、腕は切り落としておく。
音使いの女、音織 可憐は鼻と耳を切り落としてやる。
ブーと豚みたいに泣かないと殺すと脅し、喋れなくなるまで散々甚振ってやる。
元は美少女だったが、こうなるとただの豚人間だな。
残念ながら、モンスターが近くにいないので、キメラは作れない。
まぁ薬草が勿体無いしな。
準備が揃ったところで、毒魔法を解く。
女はブーブーと泣き続け、男は
「俺を裏切った罰だ!
ざまー」
と言いながらケタケタ笑い出す。
自主規制
次第に、男は一切喋らなくなり、女はブーブー言いながら拷問を喜ぶようになってきた。
まぁ、逆さ吊りで顔面鬱血してるし、意識があるかも怪しいんだけど‥
正直、これだけやり尽くしても、心は晴れない。
むしろ、虚しいだけだ。
段々めんどくさくなってきたので、先ずは毒使いの男の魔石を抜き取る。
次いで、豚女も‥
一旦回復させ、おねーさんへの謝罪を1000回言わせてみる。
恐怖で心から謝罪をしているが‥
俺の心には響かない。
もう、いいか‥
サクッと魔石を引き抜き、俺の復讐は終わる。
虚しい、やはり復讐は虚しいと言うことか。
その夜、俺は早めにセーフティーゾーンに入り泣いた。
19日目終了
残り勇者 3名
悲しみに暮れる間も無く、サイトウの身体に突如異変が起きる。
これは今までの因果なんだろうか‥
第56話 瘡




