第48話 バカンス
夕暮れに、おねーさんが戻ってくる。
安全になった海辺で、二人で夕焼けを眺める。
良い雰囲気だな‥
自主規制
蛸足は美味いな〜と思っていると、おねーさんにアレの残骸について聞かれる。
「少年君、このデカイ蛇は食べられないの?」
「いや、その蛇は毒があるから‥
毒耐性のないおねーさんが食べたらヤバイよ?」
嘘は言っていない。
実際に毒袋があったし。
「そっか、私は蛇の蒲焼き好きなんだけどな〜
昔、南米のミッションで良く食べたんだけどね、アナコンダとかアオダイショウとかオオサンショウウオとか?」
「おねーさん、最後のオオサンショウウオは爬虫類だけど蛇じゃないし‥
っていうか希少種だから食べたらいかんよ。
まぁそれはともかく、色んなところに行っていたんだね。
俺もいつかおねーさんと海外旅行とかして見たかったな。」
「少年君は若いし、海外なんていくらでもいけるよ。
だいじょうV」
「ちなみに、おねーさんは英語は喋れるの?
俺は昔から英語苦手でさ‥
と言うか日本語も苦手かも?
言語関係は得意じゃないんだよね。」
「大丈夫、大丈夫!
ジェスチャーと擬音で90%くらいはなんとかなるから。
あと10%は肉体言語で解決できるしね。」
いや、それはダメなんじゃないか‥?
「大体、わかんないときは、ふんふんとかあーはんとか言っておけばなんとかなるんだよ。
ただ、一回適当に答えてたらイタリアの海兵隊に入れられたっけ‥
あそこのまかないは美味しかったんだけどね〜
あと、アフリカの部族にモケーレムベンベ討伐を頼まれて、倒したら神様みたいに崇めらたりとか?
うん、人生何があるかわからないね。
えへへ〜」
おねーさんは笑って誤魔化しているが、多分壮絶な何かがありそうな気がする。
「っていうか、普通の人は中々そんなイベントないから!
いやまぁ異世界にいる俺らが言っても説得力ないけど‥」
そんなとりとめのない話をしながら、夜の海を眺めていると、夜光クラゲの群れが現れ、入江が光り始めた。
無数に煌めく光の海
幻想的な光景に感動する。
暫く、二人して無言で海を眺める。
言葉はいらない‥か。
俺たちは再び自然にキスをして‥
自主規制
明日は海が楽しめるかな?
15日目終了
残り勇者7名
第二段階も既に半分になったが、未だ生き残りは俺らを含め7名もいる。
俺が知らない2人も、馬津本のようにかなりチートなスキルを持っているかもしれない。
まぁ悩んでも仕方がない。
敵は殺す、ただそれだけだ。
なんかでも、人殺しの余波か朝は殺気立ってしまう。
いかんなあ‥
そんな事を考えながら、おねーさんのいるビーチに戻ると‥
真っ黒になったおねーさんがいた。
「おはよう、おねーさん、今日は朝から随分黒いね。」
「朝になったらまた蛸が出てきて、墨まみれにされたんだYo!
お願い〜洗って。」
俺は水遁でおねーさんを洗う。
「まったく、夜の海は危険だってあれほど言ったのに‥
墨ならいいけど注意してよね!」
「いや、だから朝に蛸が出てきたんだって、夜は大人しく筋トレしてたよ?
腕立て10000回に腹筋3000回くらい?
ただ、朝になって水面が怪しく揺らめいたからさ〜
ちょっとだけ、近づいただけなんだけどな〜」
うーむ、蛸もリポップしたか‥
もしくは、夜光クラゲを狙って集まってきたか?
という事はまたシーサーペントもリポップして出てくる?
また、シーサーペントが出るのも困るな‥
ただ、あのレベルの敵はレアだと思う、リポップするにも時間がかかるだろう。
「それで、少年君、昨日と同じ様に蛸さんを釣る?」
「いや、電撃で倒すから後ろで見てて〜」
「ぶ、ラジャー!」
何故かおねーさんは海軍式敬礼で俺を見送る。
昨日と同じ様に、アルマロスを出し、蛸を海上に誘き寄せ、電撃を喰らわす!
数は20匹位の様だ。
電撃で死んだ蛸を風魔法でこちらに寄せ、おねーさんと回収していく。
と言うかおねーさんがいると余裕で引き上げられるな。
全て回収したら、焼き蛸を作り、二人でたべる。
「おいしーのは幸せだね〜」
「俺もこんな美味しくて、幸せなのが嬉しいよ。
多分おねーさんと一緒だからかな。」
「ふふっ、ここで住んじゃいたいくらいだね。」
そんなとりとめのない話ですら幸せな日々
今日は思いっきり楽しもう!
「じゃあお待ちかねの塩作りするよ〜」
「いえーい!」
おねーさんもノリノリだ。
土遁と金遁で鍋を作る。
海水はしょっぱいし、大丈夫だろう。
火魔法で煮詰めていく。
煮詰めては海水を継ぎ足し、煮詰めるを繰り返す。
段々飽和して沈殿ができてくる。
上澄みを一旦捨て、更にカラカラになるまで火にかける。
煮詰めること約一時間‥
で、できた〜
初めての塩ができました。
指ですくって食べて見ると、しょっぱい。
成功だな、うん。
早速オークの肉を鉄板焼きにし、塩をひとつまみかける。
鉄板はもちろん、金遁で作ったものだ。
久しぶりの塩味はやはり美味い!
「やっぱり、塩味にすると深みがでるね〜」
俺も同意見だよおねーさん。
次は蛸足を塩焼きにしたり、オルトロスの肉も焼いて見る。
やはり、塩があると美味しいな‥
後は砂糖も欲しいな、なんか果物系モンスターいないかな?
ちなみに、塩は聖なる塩らしく、対アンデット効果もあるようなので量産する。
にがりも一応取っておいた。
豆腐は作れないだろうけどね‥
食事と塩作りが終わったら、砂浜をおねーさんと楽しむ。
結果は‥
おねーさんが逃げて、俺が追っ掛けるキャッハウフフなあれ→おねーさんがぶっちぎりで逃げ越し。
速すぎるよ、おねーさん
ビーチフラッグス→倍の距離のハンデ20mでも勝てない。
水の掛け合い→おねーさんの高速高水圧に圧倒される
砂の城作り→おねーさんが器用に二条城を作り出す。
最後に波打ち際に並んで座って海をボーッと眺める。
「楽しかったね〜
久々に満喫した気がするよ。
いやーんバカンスだね〜
うしし」
「相変わらずのオヤジギャグだね、おねーさん。
俺もこれで明日から頑張れるよ。
ありがとうね、今日は楽しかったよ。」
そう言って軽くキスを交わし、眠りに行くおねーさんを見送る。
その後、更に塩のストックを作り続け、何事も無く1日が終わった。
ちなみに、ステータスを確認すると、驚愕の上がり具合だった‥
名前 齊藤縁司
種族 改造半魔人
LV40
HP 50/50 up
MP 300/400 up
Str 29 up
Vit 26 up
Dex 45 up
Agi 35 up
Int 80 up
ボス討伐数25
勇者討伐数1
称号 シーサーペント殺し
勇者討伐の影響か?
いや、多分シーサーペントを倒した時にかなりステータスの上昇を感じたからそのせいだろう。
しかも、称号が付いている。
やはり別格だったのだろう。
場合によってはガルムのような守護獣クラスなのかもしれない。
まぁ強くなったし、良いか?
俺は気にせず寝ることにした。
16日目終了
残り勇者7名
思い出の海を離れ、北に向かう俺たち。
この幸せをいつまでも噛みしめる訳にはいかない。
何故なら二人で生き残りたいからだ。
そして‥
第49話 異世界最強の条件




