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第39話 生命の神秘

ミハイルが妊娠した?

つまり、子供が産まれる、俺が父親になるということか?

いや、聞いてないし!

相手は男だし‥

異世界、異世界だからか?

と言うことは男として、責任を取らなければならないのか?

何故だ?

俺が何をした?

ただ、魔力の修行をしただけだ。

普通なら子供なんて知らん、俺の子供じゃないとでも言えば最低の男扱いだろう‥

しかし、今回は最初から聞かされていなかったし、全く知らなかった‥

「っていうか、俺は無実じゃね?」


「いや、誰も悪いとか言ってないし?

まぁでも、わっちもこんなケースは初めてのことなんでなぁ‥

可能性はあったから忠告はしたんやよ?

ただ、正直本当に人間と魔人の間で妊娠するとは思ってもなかったんやけどなぁ‥

まぁ、でも結果オーライやない?

ミハイルは魔界に帰すから、きっと無事にあんさんの子供を産んでくれるよ。

わっちも影ながらサポートしたるから安心し。

何はともあれ、おめでとう〜」

いや、めでたくないし。


「師匠!

私も同じことしたら妊娠するかな?

もしくは少年君が妊娠する?」

おねーさん、それはマズイって‥


「いや、流石に無理、と言うか人間同士 自主規制

ただ、残り90日も無いのに、この世界で妊娠したらどうなるんだ?


「残念ながら、昔子宮筋腫で子宮を摘出しちゃってね〜

まさかまた好きな人ができるなんて思わなかったし‥

だから、魔力で妊娠できるなら、私も少年君の子供を産みたいの!」

またおねーさんの黒歴史を聞いてしまったようだ‥


「おねーさん、俺はおねーさんが子供を産めない身体でも愛してるし、それに今は子供の事よりも自分達の生き残りを考えないとね?」


「ん?あんさんには残念なお話なんかもしれないんやけどな?

この世界に来たときに部分的な欠損は全て修復されてるから、弟子の子宮も治ってるよ?

と言うか、自主規制


「師匠本当⁈

嬉しい!」


「ただまぁ‥

この世界を出た後どうなるかはわっちもわからんからなぁ。

そこまでは保証はできんよ?」


「確かに‥」

おねーさんは黙ってしまう。


一方俺は‥

嬉しくないわけではない。

本当におねーさんを愛しているから、元の世界なら喜んだし、結婚も考えただろう。

ただ、今の世界では俺が死んで、おねーさんが生き残る必要がある。

つまり、自分が死ぬことが前提だ。


そうだな、好きでやったのは俺の責任だし、中田氏すればその可能性がある事は理解していた。

単に考えないようにしただけだ。


まぁカマキリだって雄は雌の為に喰われるらしいしな‥

おねーさんが生き残って、俺の子供を産んでくれれば‥


「少年君、私が生き残っても、子宮が元に戻る可能性もあるんだよ?

そしたら産めないよ?

だから、私の為に死のうとしちゃダメだよ?」

おねーさんには気づかれたようだ。


「でも!

俺は俺の責任を果たしたい。

俺が死んでも、おねーさんとの子供がいれば俺の生きた意味があるんだし。」


「少年君のバカー!」

おねーさんに本気の張り手を喰らう。

俺は高速で錐揉み回転し、壁に激突する。

意識が朦朧とする‥

ヤバい、俺は死ぬのか?







こうして、俺は一生を終えた。

俺の物語はこうして終わる。


短い間でしたが、ご愛読ありがとうございました。

この先の物語は‥



と、言うのは冗談で、間一髪のところで意識を戻したミハイルの回復魔法で生き延びたらしい。

おねーさんの張り手、シャレにならんし、修行の意味すら無くなるところだった。


「良かった、いきなり父親に死なれてもこの子が不憫ですし‥

できれば生き残って欲しいです。」

そう言ってミハイルはお腹をさする。


「少年君、ゴメンゴメン、力加減を間違えちゃった。」

おねーさんは笑って誤魔化す。

と言うか死にかけた間際に、なんかご愛読とか聞こえたのはなんだったのだろう。


とは言え、一回死にかけた事で冷静になれた。

うん、多分大丈夫。

経緯は仕方ないとして、なぜか2人が妊娠してしまった様なのは間違いないのだろう。

子供が2人できる可能性がある、これは認めざるを得ない。


「確認したいんだが、ミハイルは魔界に戻るから安全なんだよな?

逆に二度と会えなくなるってことだから、何かできる事はしてあげたい。

タマキに預けたあの奇人変人魔人の魔石があれば当分の養育費になるのかな?

必要なら金貨とかも渡すけど?」


「ありがとうございます。

あの魔石だけ頂ければ20年はお金には困りません。

それに、軍役で貯めた貯金も十分ありますし。

それに、魔界では片親が普通ですので心配は要りません。」


「補足するとな。

魔人は男女の性別が無いから夫婦という概念がないんよね。

だから結婚も無いし、父親が子供を育てる義務もないっちゅうのが普通なんよね。

ただし、長い魔人の寿命の生涯で一回しか子供が産めないから、子供なんてあんまりいないんよね。

だから周りのサポートも充実してるし、まぁあんさんが気にしなくても無事に育つから大丈夫や。」


ならば後はおねーさんとの問題だけか‥

こればかりは、予想がつかない。


「タマキ、今までの勇者で2人以上が生き残って元の世界に帰れたって言う事例はないの?」


「わっちの知る限りでは一度もないねぇ。

可能性があるとしても‥

当然禁則事項やから話せんしなぁ。


ただな、あんさんらは完全にイレギュラーやし、この先も何が起こるかはわからんよ?

だから、まぁなんとかなるんやないかな。

ふふふ、楽しみやねぇ。

これだから生命を弄ぶのは楽しいんだよ。」


最後なんか小声で不穏な事を言ってなかったか?

まぁいい、どうにもならないと言う事は、逆にどんな事をしたっていいってことだ。

今は、生き残ることが優先だ。

そのためには、タマキを最大限に利用して強化するしかない。


「まぁこの話はここまでにして、修行の続きはどうする?

魔力の移動はなんとなくわかったが、魔法の相殺はやってないんだけど。」


「んーそいたら‥」


突然、タマキに目潰しを喰らう。

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!

眼の中を弄るのはやめてくれ!


しばらくすると、終わるが痛みは残っている。

すぐには眼が開かない。


痛みが引いた頃、眼を開けると特に変化はないようだ。

しかし、タマキが鬼火をだすと‥

見える、ゲートが見えるぞ?

鬼火の中心に小さな穴の様なものが見える。


「このゲートを閉じれば魔法は消えるよ。

魔力を操作して閉じてみそ?」


俺は、魔力の操作に集中する。

魔力をゲートに到達させ、閉じればいいらしいが、5mくらい先の鬼火に届かせる必要がある。

まず、魔力を多めに太く出すと、魔力自体が持たないため、途中で消えてしまう。

細いと逆に途中で折れて方向が定まらない。

ならば‥

大量の細い魔力を織り合わせ糸状にしていく、細く、しなやかな糸を想像する。

少しずつ撚りあわせ、長くしていく。

そして‥届いた!

更に先端を解き、ゲートを包み込む。

一気に引っ張り、ゲートを閉じる!

やった!

魔法を消すことに成功した。

更に訓練すると、ゲートを広げたり、狭めたり、位置をずらす事もできた。

自分の魔法に応用して、変化球のファイアーボールも撃てる事もわかった。

どうやら目視できる範囲なら魔力線を伸ばせる様だし、戦略の幅も広がったな。


「普通は1m位しか魔力を伸ばせないのですが、貴方は魔力操作の才能もお有りの様ですね。

これでもう私がお教えできる事はないようです。」

ミハイルはそう言って太鼓判を押してくれた。

と言うか‥

ミハイルの顔つきが女性っぽくなり、胸が‥

「??さっきまで男だったよな?

いつの間に?」


「魔人は妊娠すると女性の身体つきになるのです。

それはともかく、私にできるのはここまでの様ですね。

名残惜しい気もしますが‥

陰ながら貴方様のご活躍をお祈りしております。」

そして、ミハイルは俺の頬にキスをして、去っていった。


「少年君、浮気?」


「いや、あいつの動きを俺がかわせるわけないし!

おねーさん一筋だから!」


「冗談、冗談、気にしてないから大丈夫」


イマイチ実感はないが、俺の子なら無事に産まれて欲しいとそう願った。

父親になると言うのはこう言う事なんだろうか。

命は不思議だな、俺はただ素直にそう思った。


とりあえず問題はさて置き、前に進む事を決意したサイトウは次のステージに向かう。

はたして、その先に待っているのは?

次回 第40話 一個少ない。

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