表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/71

第4話 休憩すら思い通りに行かない世界

ゴブリンを解体した後、どっと疲れが押し寄せてきた。


身体がだるい。

いつかはやらないといけない事だが、初めての解体にナチュラルハイになっていたのかもしれない。

調子に乗り過ぎたかもしれない。


だるさに加え、喉が渇いている。

たしか、大火傷をすると異常に喉が渇くらしいと聞いた事がある。

その後すぐに川で水を飲むと、溺れて死ぬらしい。安心するのと喉を詰まらせるのがあるそうだ。

まぁ、今回は自分が火傷したわけではないし、大丈夫だと思うけど、それに水自体ないし。


とりあえず、死骸の側にいるのも嫌なので、身体を引きずるように数メートル先に進み、木の根元に座り込んだ。


あー、今襲われたらヤバいだろうな〜

絶対反撃できない気がする。

手元の草をむしりつつ、周囲の音だけに集中して休憩をとった。







何度か意識がなくなりそうになりつつ、しばらく休んでいると、周囲が若干暗くなってきた。

できれば完全に暗くなる前にもう少し進んでおきたい。夜が何時間あるかもわからないし、夜の危険性もわからない。

夜目がきくやつがいないといいのだが。

少なくともゴブリンは瞳孔があまり大きくなかったから採光能力は低いはずだから大丈夫だと思うが。

そう言えば、弓矢持っていたなあのゴブリン、まぁいいか、使えなさそうだし。荷物が増えるのは嫌だし。



更に目的地に向かって歩いていくと、左方面からカエルの鳴き声が聞こえてきた。

水場が近い‼︎

良かった、これで水を確保できそうだ。


少し歩いていくと、綺麗な湧き水らしきものがあった。

湧き水は小さな池を作っており、大きさは1メートルくらい、深さは30センチくらいで透き通っている。

また、小さな川が出来ていて、下流に向かって流れている。


できるだけ下流で、血塗れの手と魔石を洗い、上流で水を手で汲んで飲むと生き返るような気分になった。

美味い。

ただの水がこんなに美味いのか。

この場所はかなり貴重だろう。

場合によってはこの場所が原因で殺し合いが起きることも‥


考え過ぎだろうか?



水場の側には、カエルのような生き物がいたが、俺が来ても寝そべっていた。

捕まえて食らいつく。

感触が気持ち悪い。生臭い。不味い。

こんなん食えるか‼︎

すぐに吐き出す。

ゴブリンはこんなの食べているのか。

草の方が10倍マシだろう。


ふと思いつく。

異世界ものって、普通はアイテムボックスが

無限に使えるはず?

出すことができたなら戻したり、別のものも入れられる?

先ずはゴブリンの魔石を入れてみる。

無事に入るようだ。


次は、水が保管できるか試してみよう。

手ですくったり、水の中にメニューを入れたりして見たがダメっぽい。

容器が無いとダメなのかも?


その次は、カエルっぽい何かを生きたまま入れてみる。

やはり入らない。

生き物は入らないのはテンプレ予想どおりかなっと。


短刀を突き刺し、殺してみる。

ちなみにこのカエルっぽいのもモンスターじゃねーよな?

魔石はなさそうだ。

さて、アイテムボックスに入るかな?

どうやら入るようだ。


名前はカワズモドキ

カエルでいいじゃねーか〜⁉︎

思わず一人突っ込みしてしまう。

設定を考えた奴の思考がよくわからない。


ちなみに、カエルなら火を通してやれば食べれるかもしれない。

ササミみたいな味がするらしいし。

アイテムボックスが時間停止効果があれば保存食になるかもしれない。


火か‥

幸い火魔法が使えるわけだし、本格的に魔法の使用を検討してみるか?


念のため、池の周りを探索し、敵がいない事を再度確認する。

大丈夫のようだ。


それじゃあ早速、池の中に手を突っ込み極力力が入らないよう小さな火の玉をイメージして、ファイヤーボールと唱える。


アチっ、ジュッっと一瞬音がして火が消える。手のひらが小さく火傷している。


どうも威力だけでなく、距離もイメージが必要のようだ。

再度、池の中に手を突っ込み、火傷がしみるのを我慢してファイヤーボールと唱えるが今度は魔法が出ない。

メニューを見るがMPは1しか減っていないのでクールタイムがあるのかもしれない?


大体1000秒くらい数えたくらいで次のファイヤーボールが出て、今度は火傷せずに水の中で消えた。

約15分くらいか、クールタイムは以外と長いようだ。

戦闘時の運用はかなり考えた方がいいかもしれない。

それと、やはりイメージすれば距離も離せる事がわかった。


今度は、草の生えていない土の上に枯れ木を集め、少し離れてからファイヤーボールを出す。

実際に火の玉が出ているのを見るとちょっと感動する。


って見とれている場合じゃない。

宙に浮いている火の玉をゆっくりと下に下げるようなイメージの操作で動かし枯れ木に近づけ焼いてみた。

おっ、木が燃え始めた。

初心者のキャンプは火を点けるのが一番難しいらしいが、全く問題なかった。

流石魔法だ。


しばらく燃やし続けると、無事に焚き木が出来たようだ。


早速カワズモドキの死骸を枯れ木の串に刺し焼いてみる。

中々良い匂いがする。

とりあえず、すぐには食べず、アイテムボックスに入れる。

時間停止効果があれば、多分暖かいままででてくるはず。


そんな事をしていると、空はもう真っ暗だった。

ただ、曇っているのか星空は見えない。

さて、焚き木はどうしようか‥

モンスターの習性は不明だが、あまり脳が大きくないから火を恐れるのではないだろうか?

それより問題は、他の勇者か?

ただし、奴も最初の配置をそんな近くには固めていないと思う。

運次第だが、近くに勇者はいないと考えてもいいのではないだろうか?


よし、とりあえず消さずに置いておこう。


そろそろ、あれを出してみよう。

焼いたカワズモドキを出してみると、まだまだ暖かいことがわかった。

やはりアイテムボックス内は、時間停止効果があるようだ。


いい匂いに抗えず、かぶり付く。

これまでの中で一番美味い。

まあもちろん異世界に来てからの一番で、元の世界の方とは比べ物にならないんだけど‥


枯れ木を継ぎ足しつつ、追加でカエルを2、3匹捕まえて焼いて食べると、お腹いっぱいで眠くなってきた。


焚き木を消し、セーフティーゾーンを出してみると、目の前に扉が現れた。

中に入ると、何もない白い空間に。

ここなら安全に寝れそうだ。


ただ、確か6時間の制限があったはず。

寝すぎないように気をつけないと‥

ただ、安心感と限界の疲れが自然と眠りを誘い、いつしか熟睡していた。



1日目終了

勇者生存者残り18名












いつの間にか、外に放り出されていた。

足が痛い。

目を開けると、大型犬のような動物が僕の足を齧っている。モンスターか⁉︎

慌てて武器を取ろうとするも別のモンスターに腕を齧られる。

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

痛みでのたうちまわると、今度は喉笛を噛み千切られる。

声が出ない。

ヒューヒューヒューヒュー

空気が抜ける音しかしない。


こうして、反撃する事も出来ず、僕はモンスターに肉を引きちぎられながら喰われて行く。

せめて武器さえ取れれば、そんな怨嗟の思いで敵を見つめながら、僕は生き絶えていった。







最悪だ、最悪の目覚ましだ。

生きたまま食べられるのは勘弁して欲しい。


最初のあいつみたいに一瞬で死ねる方が幸せなんだろう。


俺はまだセーフティーゾーンにいるようだ。

少し安心した。


無理やり起こされた感じで頭が痛い。

ただ、半分悪夢みたいな感じになったから、精神的なダメージは少ないかもしれない。


目は完全に冷めてきたし、考察してみよう。


誰かがセーフティーゾーンの中で眠ってしまい、6時間経って強制排出されたのではないだろうか?

年齢はわからないが男性だろう。

そして、排出後にどれくらい経過したかはわからないが、起きずに眠り続けたらモンスターに見つかり生きたままモンスターに齧られたのだと思う。


大型犬のようなモンスター

定番だとヘルハウンドか?

ただの狼かもだが、モンスターだろうが狼だろうが野生の動物みたいなものだろう。

多分周りはまだ暗かった。

つまり、夜目がきく敵もいるということだろう。やはり夜も安全ではないこともわかった。

獣系ならば、火に弱いといいのだが。


ついでに、強制排出の様子を見て置いた方がいいかもしれない。

というか‥

出る方法もわからない。

座ったままでボーッとしながら上を見上げる。

ただひたすらに白い。

5時間くらいは寝れたのだろうか?


10分程度待っていると、周りがサーっと色づき始める。

やはり、異世界は幻想的だなぁと思う瞬間だった。

今日はいいことがあるといいな‥


普通に生きていれば屍体なんて滅多に見ない。だが、ここは普通の世界ではない。

そして、初めての出会い‥


次回 第5話 勇者という名前の屍体、そして

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ