第27話 It's a new stage
目覚めたらおねーさんと目が合う。
「おはよ、少年君、おはちゅーでもする?」
おねーさんは朝から元気なようだ‥
しかし、冷静に考えると最後までしてしまったんだなと改めて確認する。
本気でゆっくりと付き合って行くと決めたのは昨日くらいじゃなかったか?
予定外の進展に自分でも驚いている。
生物は死を覚悟をするような環境では種の保存行動に走りやすくなるらしい。
異常な状況が続き過ぎて、性的な抑制が効かなくなるのかもしれない‥
それはともかく、朝だしおねーさんとキスをする。
いや、特に理由なんてない。
そして‥
一通り終わって周りを見渡すと、オークキングと目が合う。
「人間は朝から元気っスね。朝ご飯食べるっスか?」
「えへへ〜」
おねーさんは照れて返答する。
「っていうか、昨日からスキルくれたり、酒出したり、朝ご飯までって‥いいのか?今更だけど」
「そんな事言われると寂しいっスよ〜、それに毒を食らわば皿までっス、とことんおもてなしするっスよ〜」
信用していいのか?
まぁそれこそ今更か‥
とりあえず、言われるままに朝ご飯を食べる。
何故か、エッグベネディクトにロイヤルミルクティーのセットだった。
カップや皿も英国風なのだが、キングだからか?
いや、イギリスは女王制だよな、やっぱり統一感がない。
しかも、テーブルがなく、地べたにおいてあるし‥
やっぱり豚か?豚なのか?
「酒もそうだけど、この朝ご飯何処から出してるんだ?」
俺は聞いた。
「残念ながら、それは禁則事項っス、いくらマブダチでも言えねーっス」
食事の秘密は言えないらしい。
正直そんなに重要でもないし、まぁいいか‥
「っていうかいつの間にマブダチに?」
「えっ?違うっスか、そうっスよね‥うっ、ちょっと泣けてくるっス、悲しいっス」
「いやいや、マブダチ、マブダチ、だからか泣かないの、少年君もそんな事言っちゃ、メッ!」
おねーさんが慰める。
「ゴメン、ゴメン、いや、俺は友達なんていなかったから、ちょっとビックリしただけだから‥」
俺もフォローする。
「そーっスか、んじゃおいら達初めて友同士っスね、いわゆる竹馬の友ってやつっスね、感動っス、さあ朝ご飯が冷めるっス、ジャンジャン出すから食べて欲しいっス!」
せっかくなので早速食べてみる。
美味い、かなり美味い、なんじゃこりゃなレベルだ‥
俺が食べるとおねーさんもパクパクかぶりつく。
次々と出される朝ご飯を食べ、お腹いっぱいになったところで俺は聞いた。
「ごちそうさま、美味しかった、また食べたいから俺のアイテムボックス用にも貰っていいか?」
「私も欲し〜特にお酒!」
どさくさに紛れ、おねーさんは酒を要求する。
「仕方ないっスね〜、刎頸の友である2人の頼みならいくらでも出すっスよ、我ら産まれた時は違えども、死する時は同じってやつっスよ〜桃園の誓いっスよね〜」
なんかハードルが上がっているが気にしないで朝ご飯を貰っていく。
「そうそう、あと‥ベッドをくれないか?」
ダメ元で頼んでみる。
「いーっスよ、あれおいらの肌には合わないっスから」
あっさりくれた‥
ちなみに、ベッドは夢魔のベッド、自動シーツ洗浄機能付きらしい。
安眠機能と自動目覚まし機能まである。
非常に高機能だ、エッチにも使えるし。
ベッドを取りに行ってる間に、おねーさんとオークキングが朝練をしている。
ちょっとおねーさんが押され気味だ‥
「おねーさん調子悪い?」
「いや〜お股がね〜ちょっと違和感あってね。テヘヘ」
俺のせいだった‥
まぁいいか。
「んじゃ、そろそろ帰る?」
「はいよ〜、んじゃオーちゃんまたね、お股が痛いだけに、ぷぷ」
おねーさんが下ネタ込みの別れを告げる。
「寂しいけど、そんな気がしてたっス、離れても友達っス、サヨナラは言わないっス、涙は心の汗っス〜、別れに涙は豚足っス」
そう言って、オークキングのオーちゃんこと名前は馬田名井は去っていった‥
結局、意味はわからなかったが、まぁ楽しかったかな?
おねーさんも満足したようだし‥
「じゃあ、おねーさんほんとに地上へ戻ろうか?」
「私は少年君に何処までもついて行くよ。」
手を繋いで、王の間の扉をくぐる。
多分此処に戻る事は無いだろう。
帰り道は、一切モンスターに会わなかった。
ボスの間を抜け、広い迷路をなんとか抜け、階段を登る。
大量のゴブリンの間も痕すら残っていない。
無限ループのところに来た‥
こんなはずじゃなかった‥
昨日まではゴブリンと戦い、地道にレベルを上げて来たのに‥
やっと、レベル7まで上がり、ゴブリンも余裕になった、勇者として活躍する第1歩を踏み出した。
そう思っていたのに‥
今日になって突然ゴブリンがいなくなり、オークが出るようになった。
僕の武器は鞭だから、脂肪の厚いオークには全く効かない。
魔法もサンドブラストだから目くらまし程度にしかならない。
最悪の相性だ‥
そして、今はオークの連中から逃げている。
やつら、ゴブリンよりも連携が上手い。
気のせいかもしれないが会話しているような雰囲気もある。
よしっ!
逃げ切ったか?
そう思った瞬間、目の前に大きな猿が現れる。
そして、丸太のような腕で薙ぎ払われ樹にぶつかる。
痛い、苦しい、内臓がやられたと思う。
口から血が大量に出る。
自分の血の匂いを噛み締めながら死に体でもなんとか立ち上がる。
逃げないと!
しかし、そんな僕を嘲笑うように、大きな猿は再び俺を薙ぎ払う。
あいつ、笑ってやがる。
多分俺をいたぶっているのだろう。
苦しくて立てない僕を無理矢理立たせては、その腕で薙ぎ払う。
これを12回繰り返した後、僕のHPが無くなった。
あー、無事に元の世界に戻ってスマホでゲームしたかったな‥
久々の苦しい死に方だ。
わざといたぶるのはフラッシュバックで恐怖を煽るためだろうか?
とりあえず状況を整理だ。
「おねーさんも見たよね?」
一応確認する。
「うん、確かに見たよ、モンスターのレベルが上がっているね。多分私らならなんとかなるけど、ゴブリン相手しかしてないレベルの人だとちょっと危険かな」
「多分、俺らが洞窟に入っている間に10日目が来たんだと思う‥
あと、あのフラッシュバックの場所は森だから、草原エリアの敵は別だろうね。とにかく、今までの様にはいかないから気をつけないと。それと、残りは8名、俺とおねーさんを除き6名倒せばいい事になるね。」
「敵が強くなるのは楽しみだね!ただ、オーちゃんレベルはもう少し後かもだけど?
あの子実際は相当強いよ、2人掛でもギリギリ死ぬレベルだと思う。もっと修行しなきゃだね〜」
「とりあえず、一緒に行こうか、新しいステージへ!」
そう言って、おねーさんと2人で洞窟の入り口を抜けた。
敵がレベルアップした。
ただ俺も負けてはいないはず、さあ色々試してみよう。
「おねーさんはお股治しで一休み〜」
第28話 洞窟で得たもの。




