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第18話 南へ向かう。

ガルムから離れた後は再度岩山に登り、今後の方針を考える。

今は異世界に来て6日目だ。

残り勇者は11名、と言っても、俺と半分死んでる神無月を除くと倒すべき相手はあと8名だ。

まぁ、まだ敵は弱いし、逃げ回っている勇者も何人かいると思うが、花散のように強そうな勇者も何人かいるだろう。

生き残るには、多分何人か闘わないといけないだろうなぁ、嗚呼メンドくさい。


今のところ、勇者同士の闘いで死者は出ていないようだが‥

神無月は生命活動的には殺してはいないから、まだフラッシュバックは出ていない。


位置的には最初に真ん中の方に居て、北東に向かった後、屍体と花散に会い、東にまっすぐ進んで最初のボスと戦う。

その後、森を抜け、洞窟にたどり着き、ボスを倒したら、神無月と会って、人体実験をしたけど殺さずに隠す。

そして、東端近くでガルムと会う。


勇者の死は‥

一人目は粉砕死 多分別次元

二、十人目は殴打死 中央付近と東端の洞窟

三人目は感電死 自爆 北

四人目は噛死 南

五人目は溶解死 海

六、七、八、九人目は戦死 北東と南西


4日目と5日目は勇者の死者は出ていない。


取り敢えず、現状勇者の屍体は南側に集中している。

ある程度均等に分散していたなら、勇者同士の戦闘を避けるには南側か?

北東の勇者も比較的近いのだが、今は森より平原の方が安全だし、南にはワーウルフ(最初はヘルハウンドと呼んでいた)が多そうだしな。

肉の回収やレベルアップにはもってこいだろう。

それと花散がどちらへ行くかだな。

リスクを考えれば、ボスのいる方にはいかないだろうが、屍体の数が多い方を選ぶ可能性もある。

いつかは屍体を渡す必要があるのだし、会って見るのも悪くない。

南へ行ってみるか‥


今は昼過ぎだから、肉を集めは夜に食べる分だけにして、移動を最優先にしよう。


岩山を降り、草原を駆け抜ける。

ワーウルフは、偶然会敵したのだけを殺して行く。

夕刻前に6匹は倒したが、ほとんど無視して走り続けた。

っていうか、ステータスアップの恩恵かかなり走っても疲れが少ない。まだまだいけるな。


そんな事を考えていると、少し前方に1.5mくらいの銀色のワーウルフを発見した。

まあまあデカめ?

ガルムとは違うようだが‥

この大きさなら倒せそうだ。

忍び足で近づく‥


寸前に振り向き、気づかれる。

だがしかし、襲ってはこない。

こいつには同族認識が効くらしい。

ただ、ここは俺の縄張りだと主張しているのか前脚でシッシと追い払われる。

無理すれば行けるかもだが、安全に近づくのは難しそうだ。


ならば‥

少し離れボムの魔法でピンポイントで脳を爆破する!

当たりどころが良く、魔石が露出したので素早くてを突っ込み、魔石を奪う。

野生の勘か、引き抜く前に前脚の一撃を食らったが浅いので大したダメージにはならなかった。

やはり完全に余裕ではないな‥


銀色の狼はシルバーファングという名前で、5cmくらいの牙、毛皮と肉が手に入った。

肉が多めで美味そうだ。

それと、胃の中に何かありそうだったので調べると、銀の短剣が入っていた。


銀の短剣+2 アンデット特効

やはり、アンデットも出るのか?


それと、ボス討伐ボーナスが増えていた。


名前 齊藤縁司

種族 人間

LV9

HP 15/17

MP 8/11 up

Str 10

Vit 11

Dex 11

Agi 13

Int 10


ボス討伐数 3


シルバーファングを倒した場所から南にしばらく進むと、川があった。

久しぶりの水だ!

しかも、川なので身体を洗う事も出来そうだ。

先ずは川の水を飲んで一息つく。



うっ、喉が苦しい。

この水に毒が?

喉と胃が焼ける。

のたうちまわりそうだ。


なけなしの力で周りを見るため振り向くと、眼鏡をかけたつり目系イケメン風、それでいて怜悧な印象の男が立っていた。

気配は全く気づかなかった。

何処に隠れていたんだ?

そして‥男はエストックのような細身の剣で複数回突き刺してきた。

クソっ!

毒の魔法で麻痺させて、細剣で削る作戦か。

しかも、かなり正確に関節とかを狙って刺してくる。

速い!

バランスタイプの俺にはかわせない。

魔法も‥MPを使い切ってしまったため使えない。

反撃する隙はなかった。


男は冷たい笑顔で笑い、言った。

「他の勇者と言ってもこんなものか、つまらないなあ。この程度なら全員殺すのも容易いな。どうせこいつが死ぬ時フラッシュバックで見るだろうから全員覚えておけ。次はお前らだ。ククク。」

俺は伝言ダイヤルかよ‥そう思いつつも意識がなくなっていく。まぁ良いか、誰かを殺すより殺される方が‥

俺はそう考えながら倒れていった。



飲みかけていた水が逆流し、むせる。

苦しい、毒か?

いや、単に鼻と気管に入っただけだ。

しかし、このタイミング‥

ジャストタイミング過ぎるだろ‥

なんか意図的に操作しているのか?

まぁわからないけど、状況を整理しよう。


少なくともこの水に毒は入っていない。

あの男は魔法で水を毒を入れ、飲んだ勇者を不意打ちで殺した。

まぁ今更だが、異世界で最初の殺人事件だ。

俺はまだ殺してないし、いや精神的には死んでるかも?

精神的殺人については、色々考察と議論が必要だろう。

そもそも殺し合い前提の異世界で有罪も何も無いとは思うが‥


ちなみに、あの男の魔法は毒だろうか?

いや、毒だけとは限らないだろう。

魔石の使用にも気づいているかもしれない。

あの細剣も初期装備ではなさそうだから、ボスを倒している可能性もある。

多分かなりの強敵だろう。

しかも、相当ヤル気っぽい。

厄介な相手だ‥


それとあの動き、なかなかの速度と正確さだった。

実力は今の俺と五分五分か、口惜しいがちょっと上だろう。

作戦と運次第か。


場所は‥

北東か、場合によっては俺と鉢合わせた可能性もあったかもしれない。

とにかく、北は危険だろうからまだ先にしよう。

先ずは南へ。

ただ、今日はさすがに休むことにしよう。

周囲のワーウルフを狩り、肉を焼いて水を飲む。

これだけでも幸せを感じれるんだな。

生き残る価値を噛みしめる。


それと、日課の魔法の練習をする。

オートリカバリーの発動時間も調べておこう。


さあ休むか、俺は周囲を警戒しつつ、セーフティーゾーンを呼び出し、眠りについた。

明日も生き残れることを祈って。


6日目終了

残り勇者10名

南の地で新たな屍体を手に入れたサイトウは巨大な棍棒を持った男?と出会う。

次回第19話バーサーカー



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