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魔法の常識


 機嫌の治ったママンに読んでもらった本の内容をまとめると、大きく分けて三つだった。


 一つ目は、魔法はイメージが大切だということだ。具体的なイメージが出来ないと魔法は発現しないらしい。使ったことないから...って魔力循環も魔法なのか?初めて魔力循環をした時も血液をイメージしたら出来たし、身体能力も上がってるし。そう考えると魔法なのかもしれない。うん、魔法ということにしておこう。

 二つ目は、当然かもしれないが魔法にも出来ないことがあるということだ。例えば、時間に干渉することや死者蘇生などが挙げられる。進んだ時間は戻らないし、死んだ人は蘇らない。そりゃそうだよな、死者蘇生が出来たら「お主、何歳になったのじゃ?」「儂は421歳じゃ、もう8回も死んどる。」「まだよいではないか、儂なんかお主と同い歳くらいなのに10回も死んどるんじゃよ。」「「ふぉふぉふぉ。」」なんていうやり取りがされる超高齢化社会になってしまうだろう。子供を作る必要もなくなって俺も生まれてこなかったかもしれない。そう考えれば、それで良かったと思う。

 そして、三つ目だが、これが一番驚いた。本によると魔力量は生まれつきのもので増加はあり得ない・・・・・らしい。それじゃ俺は?という話になるが、考えてみたところ一応説明は出来る。それは俺が転生していることが関係しているのだと思う。転生した者特有のものということもあるかもしれないが、俺は物心ついていることが一番の理由だと考えている。考えてみて欲しい、物心ついていない赤ん坊が、魔力量を増加させようと試行錯誤するだろうか?絶対にしないだろう。そこで魔力量の増加は赤ん坊の時のみの特性みたいなものだとすれば本に書かれていることと俺の状態に一応の説明はつく。まあ、ある意味転生した者の特典なのかもしれないな。

 ということで、今は魔力量の増加に集中するべきだろう。俺の推察通りなら、魔力量の増加は今しか出来ない事なのだから。そうと決まれば早速行動に移そう、時間は限られている。自分の限界まで魔力量を引き上げることに専念する。






 魔力量の増加に専念してから約三か月の時が経った。俺の魔力量が増えなくなった。いつも心臓に感じている魔力が全然増えなくなっていることに感覚的に分かってしまったのだ。この状態がこの世界でどのくらいなのかはよく分からないが、自分なりに精一杯頑張った。睡眠代わりに気絶しているくらいに頑張った。もう普通に寝てもいいよね?ナナに「クルト様はよくお眠りになっているのに目の下にクマがありますね、ご病気でしょうか?」と言われてしまったくらいだ。

 次は魔法を使えるようにしようかな、魔力量はもう十分だろうし。それに魔法を使ってみたい。手から炎とか出るのカッコいいよね?流石に「俺の封印されし右腕が疼く!」とかいう世代は卒業してるが、カッコいいものは変わらない。

 俺は理系だから、レールガンだとかワープだとかそういうSFが好きだ。だからそれを魔法で再現できないかワクワクしている。なにせ魔法はイメージが大事らしいからな。可能性は無限大だ。

 俺は期待に小さな胸を膨らませて、気絶するように眠りについた。流石に限界だったようだ。


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