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辞世の句

ここ自重してない?と思うことがあれば教えていただけるとありがたいです。


 人間、生きていると一度はこう思うだろう。



「人生やり直したい。」と。



 普通に生きていれば「あの時こうしていればな。」とか「こうしていればもっと良い結果になったのでは?」と思うことだろう。思ったことない奴は、どこかおかしい奴だ。そうに決まってる。


 人生とまではいかずとも、「あの時からやり直したい。」と思う人が大半のはずだ。


 かく言う俺も後悔だらけの人間だ。


 「あの時〇〇していれば...」が口癖のサラリーマンで、毎日、始発と終電の電車で自宅とブラックな会社を往復する凡人である。


 大学を卒業する時に、ちょうど就職氷河期とぶつかり、今の暮らしを手に入れた者である。


 自分で言ってて悲しくなってきた...


 そういう生活をしていて思うことがある。



「俺も異世界転生してえ。」と。



 大学生の時に読んだ異世界転生ものの小説が脳裏に浮かぶのだ。


 あの小説の中でも主人公がブラック企業に就職していた場合があったはずだ。


 その主人公の気持ちが当時は分からなかったが、今は身に染みて分かる。


 そりゃ転生もしたくなりますよ。こんな生活、人間のする生活じゃありませんよ。社畜とはよく言ったものだ。


 こういう思考に陥るくらいに、俺はこの生活に疲れ切っていた。


 だからだろうか?自分の体が倒れていくことに全然気付かなかった。


 強い衝撃を全身に感じて、気付くと俺は電車の線路の上に倒れていた。


 あれれ~、おかしいぞ?ガタンゴトンという音が近づいてくる。


 顔だけを動かし音のする方に視線を向けると、ライトをつけた電車が近付いて来る。


 逃げようとするが、過酷な労働で疲れ切った体は言うことを聞かない。


 これはあれだ。大学生の時からよく知ってるパターンによく似てる。


 どうやら俺の人生はこれで終わりらしい。


 自然と恐怖はなかった。この苦しい生活から解放されるからだろうか?


 死ぬ前に辞世の句でも詠もうかな。


 では、ここで一句。


『死んだなら 転生したい 異世界へ

 自重はしません 約束します


           須川すがわ かける、宣誓の辞世の句』


 ふぅ、これで思い残すことはない。


 さあ来い、異世界への片道切符という名の電車よ!

 

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