駆け出しPTが羨ましいです。
小説の書き方の本買いました。
読んだ後に見直すと修正箇所がやばいぐらいあります。
あとは町の名前や人のなまえもチマチマ考えてたり・・・
4月10日
修正完了です。
ーー二日目の朝ーー
朝日が昇る前に目が醒める。
基本夜は裸で寝る為、下着とシャツと短パンだけ履いて2階の窓からスルリと落ちるように出る。
暗闇の中、ん〜! と大きく背伸びをして村を滑走する。いわゆる「パルクール」またはフリーランといわれるスポーツである。
ただ、音と衝撃が極力ないように走るのが、メルの毎日行っている訓練の日課であった。
村の1番高い建物の1番高い所で一息つく。
丁度、日が昇り始めた頃と相まって広大な森が太陽に光に徐々に照らされていくのを眺める。
そろそろ早い人は活動時間かな。
太陽に背を向け建物からそのまま落ちる。
身体をひねり、フワッと着地をしてそのまま誰にも見つからずに宿屋に帰る。
帰るとフェリル君が丁度目が覚めていたので、下に降りていくと女将さんが朝食をつくってくれていた。
エコーはまだ本の上で爆睡中である。
「おはようさん。昨日はよく眠れたかい? 今日はいつに出発するんだい?」
「おはようございます。昼まではちょっと荷物の整理などしたいのでそれ以降に出るとおもいます」
「じゃあ昼御飯は食べていきな! あと、おチビは置いていっていいよ。私が面倒みてあげるよ!
たった1日でお別れもさみしいもんだしね、もう何日か滞在していきなよ」
昨日だけでも夜の売り上げあがったから万々歳よ。
「そういう事でしたらお言葉に甘えさしていただきます」
フェリル君用に温かいミルクもいれてくれて食事を済ませ部屋に戻る。
エコーをベットに投げて黒の誓書を開く。
「あ!」
ここで気づいた事があった。
昨日のスライム4匹をほったらかしにしていた事でありLVが2から38まで上がっていた。
ひとまず森で放置していたスライムを還元し、続いてフェリル君の卵が入ってた魔法の箱を誓書に読み込ませる。
【七星鉱解析完了。これにより同一素材であったお面の形状変化も可能となります】
なるほど。箱を触っただけで開いたのはお面の素材がキーだった訳ね。
村人を装うにはお面をしなくてはいけなかったし、お面をすると女将さんみたいに、こちらの世界でも知っている人がいるかもしれない。
とりあえずカチューシャに形状変化する。
リボンでもピン留も可能だしアクセに困る事はもうなさそうなので嬉しい誤算だった。
【ふあぁぁ⋯⋯】
エコーが目を覚ますと、腹減ったっと言って本からカロリ-メイトを取り出し食べはじめた。
「お腹へるんだ⋯⋯?」
【うむ⋯⋯。なんというかただの雰囲気じゃよ。けど食べたら美味しいとかはわかるよ。書にも記されるし。だからウチにもご飯おくれよ】
そう言いながらモグモグしている。
あとの改善点は服かなぁ。
制服と戦闘服? しかないし、どこかで調達しないと⋯⋯まぁ、生地だけでもいいけど。
【そういえば言うの忘れてたけど、服なら黒の誓書に手を置いてイメージしたらいいよ】
言われた通りにすると、シャツ短パンは消えて戦闘用に着替え終わっている。
【別の服をきて変身すると、着替える前の服は書に記されるから取り出し可能になるよ。色の微調整は可能だけど黒色でよければ羽衣から形を想像してある程度、創り着替えれるよ】
変身って⋯⋯ふと、想像すると魔法少女みたいなキラビラしたものではなかったので助かったと思う。
魔法少女みたいなフリフリで戦闘始まると2丁拳銃も、ある意味面白そうな絵面でもあるけど⋯⋯。
「じゃあちょっと町の方に行って冒険者登録します」
「あいよ。気をつけていっておいで」
フェリル君と女将さんに見送られ宿を後にする。
「昨日の嬢ちゃんかい。いまから出るんかい?
警備所の人から声がかかる。
「そうです。いまから出ようと思ってるんですが大体でいいので詳しい町の方向わかりますか?」
「ん? 道なりに進んだら安全につくんだが、そうだな、方向としたらあっちの方かな」
お礼をいって門を出る。
「よし、森林を突っ走ろう」
【言うと思ったよ】
「時間短縮もなるし、道なりで安全に行ってもなんかおもしろそうでもないからね。町の位置や調整などは木の上からでもみたらいいでしょ」
懐中時計を腰からとりだし、時計を見る。
12時まで5、4、3、2、1時計を腰に掛けて、森林を疾走を開始した。
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「よし!! 次!」
目の前のゴブリンを斬りはらう。
「リーダーちょっと前に出すぎ、もうちょっと下がって!」
横からリーダーを斬ろうとしたゴブリンを、弓で射抜く。
「あぁ、すまない!」
最後の1匹も斬りふせ、戦闘終了を確認して一息をつく。
「リーダー前に出すぎなとこもあるけど、なんとか形になってきたね」
「ううむ⋯⋯分かってはいるんだがすまない」
「まだ駆け出しがんばっていこうよ! とりあえず、お腹減った〜」
ぐぅぅぅっとお腹が鳴る。
丁度いいし昼食をとる。
「けど、最近モンスターが活発になり始めたよね」
「そうだな。巷で魔王復活するって噂になってたもんな」
「魔王かぁ⋯⋯まぁ、ウチらには関係ないだろうしチマチマ頑張っていこうよ」
それもそうだと話ながら昼食をすませ、ふと視線を感じたので目を向けるとゴブリンが立っていた。
「おい、ゴブリンがこっちみてる」
2人を見ると、それぞれ違う視線を見ている。
「どうしよう⋯⋯囲まれてるよ」
「とりあえず町の方向に走ろう。1匹なら突破は簡単なはず!」
ゴブリンに斬りつけるが弾かれる。
「えぇ、結界!? まさかゴブリンメイジなの?」
嫌な予感がする。
メイジは基本的にロードと共に行動するからだ。
ズンっと響く。
ズンズンと足音が聴こえてくる方向を見るとゴブリロードこちらにゆっくりと向かっていた。
2人を後ろに下がらせ前に出る。
でかい⋯⋯こんな所で遭遇なんて運がわるい。
2人とも怯えてる。
それもそうだ。実際、自分も逃げ出せれるなら逃げ出したいほど怖い。
今の⋯⋯駆け出しのPTLVでは圧倒的に無謀だ。
「いつまで持つか分からないけど俺が出来る限り食い止めるから2人は補助だけに徹してくれ。そして、結界をどうにかできるか調べておいてくれ」
どうのこうの出来ないのは分かってはいるが、耐えるしかない。
他のPTに見つけて貰えばなんとかなるかもしれない⋯⋯淡い希望を抱きつつ、ゴブリンロードが襲ってくる。
一撃一撃がとても重い。
受け止めるだけで体力がゴッソリと削られていく。
僧侶は回復をできる限りしてくれてるが、間に合うものでもなく、膝をついていることからMPの限界が近い事が伺える。
弓手も結界がどうにもならないことを知ると攻撃に参加してくれたが、その鎧の前では意味もなく相手にもされてない。
とうとう盾が限界を越え破壊される。
もう後がなくなると、それを悟ったのかゴブリロードが剣と盾を地面に刺す。
そして卑屈な笑いをして手招きをする。
「グゲゲ・ドウシタ・・・マダ・オワリジャナイ、ジックリ・・・コロス」
同胞を殺した俺たちに嬲り殺すと死刑宣告を伝えてきた。
「オマエ、ウゴカナイナラ・・・サキニ、ウシロカラ、テアシチギル」
俺が動かないと先に後ろの2人から殺されるらしい。自分が死ねば二人の恐怖を利用して、お互いを殴り合わしたりするかもしれない。
ボロボロの身体に鞭を打ち、ゴブリンロードに斬りかかるが鎧に傷つける事もできず、そのまま手で捕まれ横から殴りつけられる。
パキパキッっと腕の骨と肋骨の折れる音が聞こえた。
ゴブリロードは卑屈に笑う。
起きあがれないリーダーをみると私達を見て、こちらに近づいていく。
リーダーは、それでも右手で地面を掴み必死で地面を這いずってきてくれるが、死の宣告は私達にズンズン近づいてきてた。
だれか助けてください。
心からそう願った時に、ガッシャンっと結界が崩れた音が響く。
ゴブリンメイジ達が驚き慌てる。
【不可視の結界が黒の誓書に記されました】
ゴブリロードの頭の上に、女の子が立っていた。
キョロキョロと辺りを一望して状況を確認している。
「あら? ボス戦だったのね。急にお邪魔してすみません。ただ、敗北もしてますしタイミング良かったのかな?」
そう言うと女の子は腰に手を当てると形づいた鉄の塊を手に持っていた。
そのまま鉄の塊をリーダーに向けてパンっと音が鳴ると身体がビクンと動いてそのまま止まる。
結界魔法を破られたのが、落ち着いたのか再びメイジが結界をかけ直そうとしたが、女の子からパンパンっと音が鳴るたびにゴブリンメイジ達が腕や足から血を流して悶えている。
あれ⋯⋯。
さっき、あれでリーダー撃たなかった? もしかしてリーダーに止めを⋯⋯。
助けに来てくれたのが、味方じゃなかったのか困惑して私は顔が青ざめた。
あっという間の出来事だったが、ゴブリンロードがやっと自分の頭に何かいる事に気づき、手で捕まえようとするが、音もなく後ろに飛んでロードの大きな剣の上に乗る。
「オマエ・・・ナニモノダ」
目を細めて女の子を鑑定する。
「ムラビトフゼイガ・・・オレノケンヲアシゲニスルナ!!!」
剣を取り返し、盾も構える。
女の子はそのまま跳んで、木に足を掛けぶら下がる感じになる。
「うーん。やっぱり再POPするだけあって、ゴブリン程度では知能というより単調な考えしかできないのかしら?」
ゴブリンロードが剣を降り、彼女を木ごと斬りはらう。
「あ〜ぁ、地面に足つけたくなかったのになぁ」
いつの間にかリーダーを担いで私の目の前にいた。
「このまま町まで連れていくと面白そうな事になりそうだけどダメだよね。とりあえず無力化だけはするので少しまっていてね。あとで町まで案内よろしくお願いします」
危ないと言うことすら言葉に出せず、ただコクンコクンっと、私は頭を振るしかできなかった。
ジョブが村人の彼女は剣を軽く避け、蹴りやパンチなどを繰り出して応戦している。
当たり前の様にロードの鎧にキズがつくわけもなくただ戦っているだけの時間稼ぎにしか見えなかった。
【ゴブリンロード、ゴブリンメイジが黒の書に記されました】
【ロードの武器・防具解析完了。物理攻撃軽減(大)体力自動回復(小)全属性攻撃軽減(小)】
何かを待っていたのだろうか? 急に女の子の動きが鋭くなった気がした。
「風打ち【貫】」
ロードの両肩にトトンっと指先を当てる。
「風打ち【重】」
太ももを足場にして後ろに跳ぶ。
「ナンノツモリダ・・・ソンナモノデ・オレガタオセルト」
女の子は何も言わない。
「はぁ⋯⋯」
溜め息だけつくと、ゆっくりとロードに近づいていく。
ロードが剣を持ち上げるとブチンと大きな音が鳴り、そのまま剣がスッポ抜け、盾も持ち上げられなったのか落とすと、ダランと両手を垂らし片足も膝をつく。
「ナ・・・ナニヲシタ!!」
「面白いでしょ? 身体が言うことを効かなくなるのは。別に何をしたってわけじゃないんだけど⋯⋯両肩の健と太ももの筋肉をギリギリまで壊しただけよ。右手は無理に動かしたから切れちゃったみたいだけど」
「コノヨロイハ・ブツリヲクラワナイ・・・」
「この鎧は物理攻撃を喰らわないっとでもいうんだろうけど、そんなものどうとでもなるのよ」
言葉合わせるように言って、ロードの胸に左手の掌を当てる。
「風打ち【崩月】」
右手を左手の上に合わせる様に叩く。
「ソレガ・・・ナン・・・」
最後まで言葉がでる事もなくおびただしい量の血が鎧から流れ出して事切れているようにみえた。
「いやいや、まだしんでないよ。私のダメージじゃ倒せないし」
リーダーが「うぅん⋯」と起き上がる。
「傷も塞がった事だし、町に帰ろっか?」
目の前の女の子は何事も無かったように、普通にそう言った。
ゴブリンロードはどうするんだろうと思ったんだけど、それを見透かした様に女の子は「倒したいならどうぞ」と言ってくれたが、それは違う気がしたので私達は何もせず一緒に町に戻った。
町に戻るまでに色んな事を質問したが、鉄の塊は「じゅう」と呼ぶ事以外は、ほとんどが分かることもなかった。
彼女の名前はメルディスさんと名乗ってくれた。
町に戻りそのまま冒険ギルドに顔を出す。
討伐の証を見せ報酬金を貰うが、あからさまに私達が倒した量以上の報酬が入っている。
私達と一緒に戻ったメルディスさんはカウンターで冒険者登録をしているのである。
PTに誘おうかと思ったが私達の実力ではあからさまに寄生する事にしかならず断念した。
次にまた機会があったら誘えるぐらい強くなっておきたいと思う。
改めてだけど冒険者すらなってない村人がロードを圧倒する彼女が不思議でたまらない。
外に出ると「リーダーの武防具を買い直さないといけないね」話をしていると、急にリーダーが体が痒い言い掻きはじめる。
身体からドロドロしたものが地面にボトボトと落ちて1匹のスライムになった。
スライムはズリズリと体がを動かしてやがて「あげる」との文字が出来上がる。
お互い顔を見合わせて「何を⋯⋯?」と笑いそうになるが、スライムの内側からガシャンとゴブリンロードが使っていた武器と防具が出てくる。
しかもリーダーの身体サイズに調整までされていた。
スライムはズリズリとギルドの入り口まで行くと、女の子の近くまでいくと光の粒子となって消えていった。
「その武器と防具は多少調べましたが、あなた達の戦利品なので受け取ってもらえると助かります」
「命まで助けて頂いた上に装備まで貰うわけには⋯⋯」
「命を助けたわけじゃないよ。そもそも誰かが見つけてくれるまで防御に徹した時間稼ぎの作戦は成功したって事だから、自分達の実力から考えてあなた達の作戦勝利ってことでいいんじゃないかな?」
そういうと女の子が「また機会あれお会いしましょう」とだけ言って去っていった。
私達は宿屋に戻り、今一度話し合いをする。
野外戦の注意点や周囲の気配を探るスキルの事、やる事は色々とある。まだまだ駆け出しのPTなのだ。
その日、目標などを朝方まで話し合った。
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駆け出しのPTリーダーのダマラテス、僧侶のミノア、弓手のアイスと別れると懐中時計を取り出す。
時間をみると14:00を回っていた。
道なりに進むと2〜3時間程度だから、ゴブリロードとも遊んだしこんなもんかな。
それにしても、駆け出しのPTとかなんか羨ましかったなぁ。
機会があれば私もPT組んで遊んでみたいけど、ダメージ1だしなぁ⋯⋯。
とりあえず17:00ぐらいまでは洞窟にいって書に記す事に専念しようかな。
結局あの戦闘の後、ゴブリロードとメイジはそのまま心が折れたらしく書に吸収されて幕をとじ、その時の戦利品はPTに返却した。
あとは予定通りに洞窟内で蜘蛛やら蝙蝠やらトカゲやら大ムカデやら大蛇とかを見つけては生け捕り→観察→吸収の繰り返しをして、合間に鉱石やら薬草などもとりあえず書に記す。
エコー曰く【当たり前の物とかは書に記されたとかわざわざ言わないよ。面倒くさいし】との事。
予定通り17:00に来た森を再び突っ走る。
帰り道は予想よりかなり速くなった。
双銃に蜘蛛のカードを差し入れ、銃口から糸を出す。
あとはスパイダーマンごっこの出来上がりである。
これが、やけにハマり調子こいて遊んだ結果が30分も更に短縮した理由だったのである。
「ただいまー! 女将さんお腹減ったからなにか食べる物作って〜」
「お、おかえり。ちょっとまってな。簡単なモンつくったげるから。そんかわし夜はまた頼むよ」
「りょうかーい♪ あ、けどご飯なら私も手伝ってもいいですか?」
いいよいいよといわれ、厨房に入る。
「メルちゃんも料理できるんだね」
そういわれると、
「一通りの事は全てやってきましたから♪」
こうして二日目の夜も過ぎていった。
今回は今までより少し読みやすかったと思ってることを信じたいですorz
風打ち【崩月】:鎧通しの技である。内部に孤月状のエネルギーが螺旋を描き満月まで丸く満ちると崩壊するとかなんとか。
風打ち【重】:もしくは貫と呼ぶ。指でやれば貫(一点強化、掌ですれば重(範囲)とおもってくれたらいいかもです。